お気に入りサイトの最新ニュースが、毎日自動配信されるRSSリーダー。まぎれもなく便利なツールですが、誰もが知っている問題をいくつか抱えています。
1つには、よくある「1000」以上もの未読。更新頻度の高いブログなどを登録しておくと、あっという間に未読エントリだらけになってしまいます。
今回取りあげたいのはもうひとつの問題です。何が大事な情報であるかが、分かりにくいという問題。
そもそもインターネットは情報にフィルタリングがほとんどないため、大事な情報と、それほどでもない情報とが混在しているというのは有名な話です。それによる不都合を取り除くべく、ソーシャルブックマークや「あとで新聞」などによるランク付けなど、これまでもあらゆる方法で「質の高い記事」を見つけ出す工夫がなされてきました。
しかし、RSSリーダーに連日届く情報は、何の価値付けもなされていません。エントリタイトルを一瞥して読者がスターを付けるなど、自分で「大事な記事」を類別しなければならないのです。数が少なければ時間をかけて、そうしたこともできるでしょうが、未読が1000ともなると、およそ不可能です。それなら、RSSリーダーに登録するサイト数自体を減らせばいいという考えもあるでしょう。しかし、RSSリーダーというのはもともと、どちらかといえば登録サイト数を増やしてこそ価値が高まるものです。登録数を抑えて、判別できるほど少なくていいのなら、ブラウザのお気に入りに登録しておけば済むからです。もともとRSSリーダーとは、わっと集めて「その中からいい記事を抜き出す」という思想のもとに設計されているように見えます。しかし、この使い方がなかなかうまくいかないのです。
ライフハック トップページ巡回に戻してみる
今回のライフハックもまた単純です。要するにかつての方式である「サイトのトップページからの巡回」に戻してみるというだけのことです。もちろん、RSSリーダーを止める必要はないでしょう。ただ、RSSリーダーの未読件数が何万件になろうと気にするのは一切止め、トップページから読みたい記事を読むようにすればよいのです。RSSリーダーは、気が向いたらチェックするという考え方に切り替えます。
トップページはブラウザのブックマークに放り込みます。それでは完全に昔に逆戻りと思われそうですが、今はブラウザがずいぶん進歩しましたから、工夫した使い方が可能です。
たとえば、「毎日読む」というフォルダと「翌朝読む」というフォルダを作って、その中のサイトを一気に巡回するという方法が考えられます。気に入ったサイトはひたすら「翌朝読む」フォルダに貯めていき、翌朝「フォルダ内のサイトを全部開いて」から読んでいけばいいのです。
このとき、「翌朝読む」フォルダの中はいったん空っぽにしてしまいます。そして、さらに翌日も読みたいサイトがあったら、「翌朝読む」に入れ直します。それがあまり続くようでしたら、「毎日読む」に移せばいいでしょう。その後は、「毎日読む」と「翌朝読む」の2つのフォルダのすべてのサイトを一斉に開くようにします。
「翌朝読む」に貯め込む |
これは、いかにも面倒くさくアナログに思われるでしょう。しかしこれらをすべて手動で行うのは、意味があります。手動で行うからこそ、自動でRSSに貯めていって収拾がつかなくなった事態を、未然に防ぐことができるのです。すなわち、毎日巡回できるサイトの数には、おのずと限度があるわけです。その限度は、自分の身を持って知っておくべきだと思うわけです。
まとめ 時間がなければ読めない
私が実際にこうした方法を採用しているのは、時間的に無理なことをやろうとしていたことに、気づいたからです。ブラウザの進歩に助けられているとはいえ、要するに元のやり方に戻したというだけでした。
RSSリーダーで「検索をかける」という方法もあるではないか、と言われるかもしれませんが、欲しい記事をRSSリーダーの中から探しても、Googleで検索をかけても、所要時間はほとんど変わりません。
物理的な世界ではこんなことはありえないから、「手元に取っておく」ことには価値があるのです。大書店で一冊の本を探すよりも、自分の部屋の書棚から探す方が、ずっと短時間で見つかります。しかし、ネットの世界では「情報の囲い込み」によって、検索時間を短くできるという利点は期待できません。欲しい本が分かっているなら、大書店で探しても自宅で探しても、かかる時間は変わらないわけです。
となると、情報を取っておくことの意味は、自分にとって価値ある情報を目にすることのできる確率を上げることです。それは、RSSリーダーを眺めるより、サイトトップを見て回った方が、うまくいくと思えるのです。ちょうど、書店で本を見て回った方が書籍カタログを探すより、欲しい本が見つかるのと似ています。