外出時の用件には、時間だけではなく「場所」という要素が加わります。これまでの紙の手帳やタスク管理ソフトでは、場所に応じたタスクを管理することは困難でした。ところが、iPhoneの世界でこの問題を解決するツールが登場しています。

あるある問題:やらずに帰ってきてしまう

私は基本的に、タスクの管理はEVERNOTEのチェックボックスでリストアップし、実際のタスク処理は、タスクシュートというタスク管理ソフトを利用していますが、それだけでは完全に対応できないタスクがあります。

その1つが単純な約束事など、スケジュール管理。もう1つが、外出先などでの用事の処理です。

約束事などのスケジュールは、Googleカレンダーに記録しておき、当日はタスクシュートというタスク管理ツールに落とします。これで一応、少なくとも当日分について言えば、タスク管理ツールで一元管理できます。

しかし、外出先などでの用事の処理は、実は何ともうまくいきません。タスクシュートは、Excelベースで動いているため、たとえば、デパートを歩いているときなどには、確認しにくいツールです。

紙でやればいい、という考え方もあるでしょう。私自身、近所のスーパーなどで買い物をする場合には、そうします。これをExcelベースのタスクシュートで管理する必要はありません。

が、もうちょっと別の問題があります。たとえば、私は以前から欲しい、読みたい本のリストアップをしていて、これを参照しながら本を買いたいと思うことが多かったのですが、実際にはほとんど実行できていません。本のリストアップ自体はするのですが、それを書店で参照しないのです。

書店で参照しない理由は2つほどあります。小さい方の理由は、書店で最近、iPhoneなどを開きにくく感じることです。携帯電話であっても同じでしょうが、いわゆる「デジタル万引き」の疑いをかけられそうで、怖いのです。

実際、iPhoneでメールを確認していたときに、書店員さんに注意を促されたことがあります。これはやっていけないことなのかどうか、私には判断がつきかねるのですが、やりにくく感じていることは間違いありません。以来少なくとも書籍チェックするためにiPhoneを開くのは、書店の外でやることにしています。

もう1つ、書店で本のリストを参照しなくなってきた理由としては、EVERNOTEで作っているリストを開くまでに、少なくともiPhoneだとけっこう時間がかかってしまうことです。ただし、誤解のないように断っておきますが、そんなにひどく待たされるという印象ではありません。私にはちょっと長いのです。このことと、「注意される不安」とがあいまって、さらに生来のものぐさがたたって、完全に気分で本を買うようになっているというわけです。

とはいえこれは、あきらかに望ましい状況ではなく、やはり事前に読書候補としてあげておいた本をちゃんと買ってきたいものです。

ライフハック:iPhoneのOmniFocusで管理する

そうしている間にも、EVERNOTEのデータ量はますます肥大化してしまって、iPhoneで細かな操作をするには、どうも不向きになってきました。情報入力に徹するならともかく、外出先であれこれ検索するのは、どうも不便になってきたのです。パソコンから使う分には、とてもいいのですが。

そこで、かねてから気になっていた「OmniFocus」というソフトを試してみることにしたのです。

これは、タスク管理ツールとしては有名なソフトなので、ご存じの人も多いでしょう。「気になっているすべてのこと」を管理することを可能とする、非常に本格的なソフトなのですが、私はこれをとりあえず、外出中のタスク管理ツールとして使い始めています。

で、使ってみた感想ですが、これはすごいとしか言いようがないツールでした。驚きました。概要は知っているつもりでしたが、使い勝手というものはやはり使ってみなければわからない。それを改めて思い知らせてくれるツールでした。

外出中に使うタスク管理ツールとして、なんと言っても便利なのが、「今いる場所でできること」をいきなりリスト表示してくれるところです。

GPSと連動して、現在地で必要なタスクを表示できる

設定自体は決して難しいものではなく、「コンテクスト」というタスクを束ねるフォルダのような設定項目に対して、「番地」を決めることができるのです。たとえば、「買う」という設定に対して「東京」という「番地」を入力しておくと、東京周辺で「現在位置アイコン」をクリックするだけで、そこでできることをリストアップしてくれるというわけです。

タスクに位置情報を設定できる。GPS情報を参照できるので、住所を入力する必要もない。

しかし、ちょっと使ってみて一番印象的だったのが、レストランや変わったお店のデータを入力しておき、その住所を同時に入れておくだけで、その周辺にやってきたときに、簡単にリストアップできるところです。

住所を入力とはいうものの、実際には住所の入力などの必要はありません。その場で写真を撮り、「現在地」をタップするだけで十分です。そうすれば、一度でも訪れたお店にもう一度訪れたくなったり、そこで「次の機会に」買いたいモノを残してきたときなど、確実に再訪できます。それも、単に再訪できるというだけではなく、そのお店のことをすっかり忘れていたとしても、周辺を訪れたときにiPhoneのOmniFocusを稼働させれば、再訪する機会が持てるのです。