あらゆるデジタルデータをライブラリにして活用できるEVERNOTEは、デジタル情報をよく扱う人には必見のWebアプリといえるでしょう。日本語の検索機能が弱いことを除けば、非常によくできたサービスです。今回は、データをGmail経由でEVERNOTEへ登録することで、弱点である検索機能を補うハックを紹介します。
よくある問題:EVERNOTEの検索問題
さんざん問題にされてきたものの、情報を積み上げてくれば来るほど、ますます「何とかして!」と叫び出したくなってくる、EVERNOTEの検索機能の問題。それだけ、期待がふくらみがちであると言えるかもしれませんが。
つまり、それ以外の機能拡充がすばらしく、完成度が高くなっているだけに、ますます気になり始めます。検索機能に関しても、最近はかなりよくなってきたので、今度こそはと、つい期待して、検索窓にキーワード入力してみるものの、どうしてもうまくいかないことがあります。
英語であれば今ではほぼ完璧なようですが、だからといって検索キーワードのことばかりを考えて、引っかかりそうな英語でメモを入力するなどというのは、ナンセンスと言えるでしょう。タグ付け、ノートブック別分類、修正日による並べ替え、データの種類(テキストか動画か)によって検出することなどが可能なため、探し出そうとして見つからないデータはきわめて少なくなってきましたが、検索機能はこういう手間を省きたいときにも使えるものです。
分類軸がわからないときや未分類のデータ、並べ替えても絞り込めないときにこそ、というよりも、絞り込めない気がするときこそ、直感的に検索窓に手が向かいます。そういうときに「EVERNOTEではうまくいかないかも!」と感じるのは、とても残念なものです。
ライフハック:必ずGmailを経由する
しかし、嘆いてばかりいてもしようがありません。実用的なプログラムなど、全く組むことのできない私でも何とかできる方法を、編み出しておく必要があります。 そして、EVERNOTEを利用するシーンをよくよく考え直してみると、「検索問題」を当座だけでもしのぐ方法は、案外簡単なものでした。それは、かならずGmailを経由するという方法です。
EVERNOTEへデータを送る前に、必ずGmailを経由させておけば、そのメールはGoogleデスクトップや、Gmailの検索機能で検索をかけられます。文字列検索でヒットさせたいデータは、こうして、Gmailから見つけ出せばいいのです。
つまり、EVERNOTEに直にデータを打ち込まないということです。新しいノートは、必ずGmailから送るようにします。EVERNOTEのアカウントを取ると、メールからEVERNOTEへノートを追加するためのアドレスを入手できます。新しいメモは、Gmailからこのアドレスへ送りつけていけば、データはEVERNOTEへ行き、Gmailの送信ボックスにノートの内容が残るので、Gmailの検索対象になります。
そして、ウェブクリップしたいデータは、「あとで読む」を利用して、Gmailに届くようにすればいいのです。「あとで読む」を経由したメールは、Gmailの転送機能を利用して、さらにEVERNOTEへ転送されるようにすれば、EVERNOTEにクリップされるすべてのデータが、Gmailに蓄積されることになります。「あとで読む」からの情報でGmailの受信トレイを雑然とさせたくなければ、「あとで読む」からの情報をEVERNOTEに転送すると同時に、アーカイブされるように設定しておけばOKです。
iPhoneなどからEVERNOTEへデータを送っている場合も同様で、iPhoneからGmailでEVERNOTEに送ればいいでしょう。
まとめ
EVERNOTEはどんどん機能的にブラッシュアップされています。検索機能もですが、動作速度がかなり速くなったので、軽快に利用できます。
また、利用することのできる環境が、随時拡充しているのもすばらしい点です。WindowsやMac、iPhone、Windows Mobileで使えるのであれば、これ以上何も望むことはないと思っていたところへ、SanDisk U3 flash drivesでも利用できるようになりました。
現状、私自身はU3にデータを集中して使いたいとは思っていませんが、U3を常時携帯しているようなモバイラーさんにとっては、これは朗報でしょう。U3を使うということは、そもそも複数台のPCを利用している人が多いでしょうし、同期という問題で悩むからこそ、データをフラッシュドライブに集めたくなるわけです。また、U3をメインで使うなら、セキュリティ問題でもあまり悩まなくて良さそうです。
ここまでくると、あらゆるデータをGmailに集中させようという意味と同じように、あらゆるデータをEVERNOTEに集中させたくなります。すべてのデジタルデータをGmailへというライフハックは、「超」整理法で有名な野口悠紀雄さんや、ビジネス書籍のベストセラー作家の勝間和代さんが提唱されています。
その野口悠紀雄さんが危惧していることに、GoogleがGmailのサービスを打ち切ること、があるようです。ちょっと考えにくい話ですが、考えてみればGmailは無料のサービスですし、永続するという絶対的な根拠はないとも言えます。データとメールの保存に関する依存度を考えてみれば、「万が一」でも怖くなるのも当然かもしれません。
それでも私は、Gmailのサービスが打ち切られる心配はしていないのですが、EVERNOTEであれば、打ち切られる心配をしてしまいます。今はまだ、それほど有名なサービスでもないですし、自分がかつて利用していたものまで含めて、こういった新しいタイプのオンライン・サービスが、たびたび消滅してしまうのを目にしてきたからです。
私にしてみれば、これは非常に困ることなので、日本中に、もっとEVERNOTEの認知が広まってほしいと、心の底から切望しています。「こんなツールいらない」という人がたくさんいるとは思いますが、私のように「これがなくては困る」という人も、それなりにいらっしゃると思うのです。