活用したいと思った情報を必ず活用する方法

ストックした情報をタイミング良く活用するのは、案外難しいものです。もしその情報を使う日時が決まっているのなら、リマインダを活用しましょう。これは、仕事に対するモチベーションを上げるためにも有効なテクニックです。

よくある問題:「あとで使う!」と思った情報を使わずに過ごしてしまう

「この情報は、今悩んでいる企画に使える!」と考えることはよくあります。物を書くという職業柄、よくあるのです。実際、「材料」としてストックするために、EVERNOTEや紙copiを使っています。ブログを書かれる人には、おなじみの感覚でしょう。

材料とは、一言で言えば「ネタ」です。ネタ帳というものがブログで役立つように、企画を立てて、それを完成させるためにも、材料となる情報収集は欠かせません。それをメールで自分の受信トレイに送るにせよ、Diigoを使って取っておくにせよ、EVERNOTEにストックするにせよ、やり方は色々ありますが、手段と目的はほぼ同じです。

取っておいた情報のすべてが、あとになって本当に使えるとは限りませんが、取っておいた情報をあとで読み直して、助かることはよくあります。問題は、取っておいた情報を、しかるべきタイミングで本当に読み直すかどうかなのです。

情報のストック先にあるのは、特定の企画のための情報ばかりではありません。日々のメモから、心得、「いつかやる」タスクリスト、おいしいレストラン情報まで、玉石混淆の情報が詰め込まれています。「一冊のノート」に情報を蓄積しているのであれば、必ずそうなっているでしょう。

実際にそうした状態になっていると、整理する手間をつい惜しみますし、そこに埋もれてしまうリスクを避けるために、違うツールやノートに取ってあるかもしれません。そうすると、情報を探し出すのが面倒くさくてチェックしなくなることが多いはずです。

これだけでもすでに残念な状態ですが、ストックした情報を読みに行くのを忘れる可能性もあります。企画を急いでアウトプットしなければならないときに、よくそうした事故が発生します。しかもこれは、必ずしも事故として認知されないのです。

ライフハック:スティッキーズ

ですが、せっかく蓄積した情報なのですから、ただ蓄積しただけで、活用せずに死蔵させるのはもったいないでしょう。確実に情報を活かす方法を考えてみたいと思います。

この問題を解決するため、以前にも、このコラムで紹介したスティッキーズを、私は利用しています。リマインダ機能を兼ね備えた、付箋ソフトです。

このソフトを使うことによって、あとで利用したいと思った貴重な情報を、適当なタイミングでリマインドさせることが可能になります。たとえば、私はこのコラムを毎週月曜日から書き始めるのですが、月曜の午後1時に、ネタがスティッキーズでポップアップしてくれるようにセットすれば、ストックしたソフトなどから目的の情報を探す必要すらなくなる、というわけです。

たとえば、次のようなサイトを見つけたとき、これは本コラムを書くような場合には、ヒントになるのでとっておこうと考えます。

ただ、このようなサイトを、ブックマークで取っておいたとしても、適当なタイミングで読み返すことができるかどうか、はなはだ疑問です。そこで、このサイトのタイトルとURLをスティッキーズの付箋にコピーし、しかるべきタイミングでリマインドするのです。

日時の指定もできるのが、このソフトの優れたところで、これをリマインドすることによって、情報を忘れずに確認できるだけでなく、仕事に取り組むモチベーションの助けにもなります。実はこのことの方が、ネタを確実に思い出せることよりも、重要かもしれません。

まとめ

一般的には、資料収集のボックスなどに材料をストックし、後ほどそこから検索をかけるなり、探索するなりというやり方のほうが、直感的になじみ深いでしょう。そのような目的で、デジタル・スクラップやブックマークというサービスも設計されています。

しかし問題は、とっておいた情報のことを忘れてしまうことが意外に多いこと。それから、とっておいたことを覚えていたとしても、探し出す気になれないことも多いこと。私は、仕事がスムーズに運ぶかどうかは、記憶想起と気力の想起によるところが大きいと、常日頃から感じています。

メールやRSSなどがポップアップしてくるプッシュ型情報サービスは、どちらかと言えば悪評の高いものです。ネットではプッシュ型ではなく、必要な情報を引っ張り出すプル型で利用するべきだ、といわれます。

しかし、利用すべき情報が定まっているのならば、プッシュ型の方法も悪くありません。利用した方が有益だとわかっている情報。あるいは少なくとも、利用を検討すべき情報が明らかな場合には、適当なタイミングで押し出された方が、探しに行く手間や暇を節約できる分、便利であることは間違いないでしょう。

とくに「仕事に取りかかる気になれない」という人は、ぜひこのスティッキーズを利用した、情報プッシュスタイルを試してみてください。仕事に必要な情報が、とつぜん適切なタイミングで表れる快感を覚えると、情報を死蔵させることがいかにもったいないことか、実感できるはずです。