よくある問題 どの本を処分する?

すでに雑誌という情報メディアについては、扱いがひどく難しいというお話はしましたが、実はもっと難しいのが書籍です。というのも、書籍は雑誌より心理的に捨てにくいし、中身の文字情報量は多いため、検索も難しいからです。

書棚というものができて以来、大変長い年月が経っているかもしれませんが、見たところ、書棚の進歩というのははかばかしくなさそうです。きっと私の部屋にある書棚の機能は、江戸時代の書棚と比べても、あまり進歩していないでしょう。

要するに、本が立っているだけなのです。見えている情報は、背表紙のタイトルやサブタイトルだけ。しかも私は、書棚を奧と手前の2列を使っているので、奧には何の本が入っているのか、わかりません。

野口悠紀雄さんだったと思うのですが、奧に背の高い本を入れよ、というアドバイスを読んだことがあります。そうしたのですが、それほどの成果は上げられませんでした。奧に背の高い本を入れたからといって、何の本があるのかが、さほどわかりよくなるわけではなく、しかも必ずそうできるとも限りません。

新しく背の高い本を続けざまに買ったりすると、どうにもならなくなります。文庫本が奧にまぎれていることも少なくありません。文庫本の前に文庫本を置いている列もたくさんあります。

ライフハック メディアマーカーで本の位置を特定する

私自身は、書棚のどこにどんな本を置くかに関して、合理的な秩序を形成することは、もうあきらめてしまいました。代わりに、自分が何の本を持っていて、その本をどこから見つけ出せばいいか、デジタルで整理することだけを試みています。

徐々にできつつあるシステムで、まだ完全ではないのですが、MediaMarkerというオンラインサービスを利用することによって、書棚の区画に記号を割り当て、その記号で本のタグ付けをするのです。

私のメディアマーカーのトップ画面

簡単な方法です。たとえば、私の真後ろの書棚の一区画は、「灰3」となっています。この「灰3」にしまっている本は、すべてメディアマーカーに登録してあります。そして、「灰3」というタグを付けてあるわけです。

私のメディアマーカーを「灰3」で絞り込んだところ。全部で30冊ある

「灰3」の書棚。奧にある本は「灰3奧」のタグをつけてある

この方法だと図書館のように、すべての本に割り当てたタグどおりの位置に本をしまわなければ、破綻します。ですから、持ち出したときが要注意。持ち出すときは必ずカバーを外してそこにカバーを残します。本は、裸で持ち出すわけです。

また、一区画は必ず30冊に統一しています。そうして、時々数えるのです。面倒だと思われるでしょうが、30冊を数えるのにかかる時間はせいぜい20秒。書棚ひとつにはせいぜい12区画。ですから、書棚ひとつ分の冊数を数えるのにかかる時間は、長くても5分。私の部屋には5つの書棚がありますが、全部数えたとしても30分はかからないことになりますし、2日に分ければ15分もかからないのです。

1区画に30冊あればよし。なければ、鞄の中などから探して、整合性を取りますが、最近はほとんど問題は起きなくなりました。最悪なのは、自分ではなく他人が持ち出したときですが、こうしたシステムを施していると説明すれば、おいそれとは持ち出されなくなります。