情報整理に使っていたツールが、膨大な情報を集めたあげく、役に立たなくなってしまうことがあります。今回は、価値ある情報だけをキープするためのハックスを紹介しましょう。

よくある問題 スターを付けても埋もれてしまう

本コラムでは、RSSリーダーを使わないというライフハックを提唱してはいますが、たとえ「なるほど」と納得された人でも、その通りRSSリーダーをやめてしまったという人は希でしょう。

これほど情報が豊富に、大海のようにあふれかえってアクセスしやすい環境では、優先的にアクセスすべき情報を、囲っておきたい(取り分けたい)という気持ちになって当然です。それでも私がRSSリーダーをほとんど放置するようになったのは、囲った情報がまたしても大海のようにあふれてしまって、囲う意味がなくなりつつあるからです。

とはいえ、なるほどこの記事は見失いたくないとか、「あとでどうしても」対応したいと思うような情報にも、もちろん出くわします。そんな時、「あとで読む」でメールに送ってもよいのですが、メールはメールで対処しなければならない、いわばタスクの届く場所。そこへ情報のキャッシュを放り込みたくないのです。そんなことをすれば受信トレイが混沌とし、メール処理時間がどんどん増えてしまいます。

そうなると、RSSやブックマークで一度囲った情報を、さらに狭めて囲うという方法が、現実にはどうしても必要となってきます。考えてみると馬鹿げているようですが、RSSにスターを付けるという発想そのものが、「二度フィルタリングする」という発想と、やっていることは変わらないのです。

ライフハック Read It Later+iPhone

今回のライフハックは、2つの制限があります。 ひとつは、Firefoxのアドオンを使う点。したがって、ブラウザはFirefoxでなければ使えません。

もうひとつは、iPhoneを使っている点です。ただ、iPhoneは絶対必要というわけではなく、ただ私がこれを使って実践しているというのに過ぎません。Firefoxさえご利用であれば、このライフハックは成立します。

そのFirefoxのアドオンであるRead It Laterですが、利用目的は「あとで読む」と違いがありません。そして使用感覚は、オンラインブックマークとほとんど同じです。したがって、似たようなサービスはきっと他にもあるでしょう。

すでにご紹介したとおり、私は、気に入ったサイトなりページなりを見つけたとき、はじめはdiigoに収集しておきます。同時に、diigoのbookmarkを古い方から一日分、見返す時間を作っています。

ここで捨てることになるページが多いのですが、それでもとっておきたいと思うこともあります。そうしたら、Read It Laterを使うというわけです。

Read It Laterの設定画面

Read It Laterのブックマークに収集したコンテンツは、RSSフィードが生成されます。したがって、Read It Laterのブックマークに入ってきたサイトだけをRSSリーダーでチェックするということもできるわけです。

アドオンすると、アドレスの末尾にチェックマークが現れる。ここをクリックすると、チェックマークにスターが入って、リストに登録される

リストの最後に、このコラムを登録してみたところ。このリストに対するRSSフィードも生成される

私はこれを、iPhoneのRSSリーダーで読むわけです。したがって、このRSSリーダーで読むのは、一度diigoで収集し、ほぼひと月経ってもなお「読みたい」と思うページ、ということになります。

もちろん、今すぐでなければあまり意味のない「旬のページ」というものもあります。そうしたものは、最初からRead It Laterで集めて、iPhoneで読みます。

こうしておくことで、iPhoneではひと月という期間を経ても読む価値のあるページしか読まないことになります。さもなければ、今すぐに読む価値が本当にあるページ。ルールを破ってでも読む価値のあるページ、ということになるでしょう。

 まとめ

こう考えていくと「あとで読む」で選んだページを、もう一度「あとで読む」ことにするのにも、一定の意義があるということになります。

情報収集と一口に言っても、新聞のスクラップが主だった時代に比べて、インターネット時代の今は、収集のたやすさと情報量の豊富さにおいて、圧倒的です。こういう環境では、厳選のレベルをいくら高く設定しても、高すぎることなどないように思えます。

「気になったものはなんでも取っておくといい」というのは、むしろ紙の時代の箴言です。今ではむしろ、ちょっとでもいらないかなと思えた情報は、とにかく捨てた方がいいと言っても、過言ではないでしょう。