スッキリと見やすくなった新デザイン

まず、見た目的にも一番変化がわかりやすいのが新デザインの採用だ。「特にどこも変わってないけど……」と思う人は、Googleドキュメントを開いて「ドキュメント リスト」ページの右上を見てほしい。ここに「新しいデザインをお使いください」と表示されていたら旧デザインなので、ぜひそこをクリックしてもらいたい。

新デザインでは、今まで上部に表示されていた並べ替えのメニューを右上に集約し、使いやすくスッキリとした見た目を実現。「アップロード」ボタンのアイコン化や、各ファイルの先頭部分にあるアイコンがより見やすくなっていることもポイントと言える。最初は「リストの表示数が少なくて使いづらい」と感じる人がいるかもしれないが、これは右上の「設定」ボタンにある「表示間隔」から「小」もしくは「コンパクト」を選ぶと解決できるので安心だ。

Googleドキュメントのリストページだけでなく、「文書」「スプレッドシート」「図形描画」にも新デザインが採用されている。こちらは基本的なメニューをより見やすくかつ使いやすいよう仕様変更したもの。

右上の「共有」ボタンにカーソルを合わせると公開状態が確認できるほか、作業内容が常に保存されるため「すぐに保存」ボタンを削除したり、ツールバー部分のアイコンデザインを変えたりといった細かな調整が行われている。また、上部のGoogleドキュメントのロゴが削除された代わりに、ドキュメント名にカーソルを合わせて左矢印アイコンをクリックすると、ドキュメントリストへ簡単に戻れるのも便利な点と言える。

ちなみに、ドキュメントリストおよび文書・スプレッドシート・図形描画の新デザインは互いに連携しておらず、個別に更新を行う必要がある点には注意したい。

これが今まで使用していたGoogle Apps「ドキュメント リスト」のデザイン。右上に表示された「新しいデザインをお使いください」をクリックする

こちらがスッキリと見やすくなった新デザインのドキュメントリスト

右上の「設定」ボタンにある「表示間隔」から「小」もしくは「コンパクト」を選ぶと、リストの表示数も変えられる

スプレッドシートのデザイン変更前後。旧デザインでは上部に「Google ドキュメントのデザインが新しくなりました」もしくは「Google Docs has a new look!」というコメントが表示されており、「使用する(Give it a try)」をクリックすると新デザインへ移行できる

文書のデザイン変更前後。スッキリと統一感のあるデザインが特徴となっている

図形描画もデザインが変更されている

"痒いところに手が届く"新機能も登場

Google Appsでは、日頃のビジネスに役立つ細かな機能追加も行われている。例えば、文書は各ページのヘッダーもしくはフッターに現在のページ数と総ページ数を表示できるようになった。使い方は簡単で、上部メニューバーから「挿入」→「ページ番号」を選び、「ページの先頭」か「ページの下部」のいずれかを選択する。続いて、ページ番号の後ろに「/」などを入力し、「挿入」→「ページ数」をクリックすれば「1/10、2/10、3/10…」のようなページ表記が行える。

また、スプレッドシートには「ローソク足チャート」「複合グラフ」「ジオ チャート」「ツリーマップ」という4種類のグラフが追加され、より幅広い用途での利用が可能となった。さらに「Ctrl+/」(Macは「Cmd+/」)でショートカットリストが表示されるのも便利な機能だ。

そのほか、先日プレゼンテーションも「文字単位で共同編集」「キャンバスに対するダイレクトな図形描画」「新しくなったスライドの切り替え方法」など、50種類以上の機能追加が行われたというアナウンスもあった。残念ながら筆者の環境ではまだ反映されていない状態(言語を最新版の機能が使える「English(US)」に切り替えても、設定ページに「Create new presentations using the latest version of the presentation editor」というチェックボックスが表示されない状態)だが、これも順次アップデートが適応されるGoogle Appsではよくあること。皆さんの環境がすでにアップデートされているようなら、こちらもぜひ利用してみてほしい。

Googleドキュメントの文書に追加された、現在のページ数と総ページ数を表示できる機能。ちなみにこちらはフッターに追加した場合の例

スプレッドシートには「ローソク足チャート」「複合グラフ」「ジオ チャート」「ツリーマップ」という4種類のグラフが追加された

「Ctrl+/」(Macは「Cmd+/」)でショートカットリストも表示される

本連載では、多くの企業で利用されているMicrosoft Officeと同等の文書をGoogleドキュメントで作成するためのテクニックについて解説してきた。今まで「やっぱり機能面でMicrosoft Officeから離れられない」と思っていた人に、少しでもGoogle Appsが持つ実力と多彩な機能、ビジネスへの有用性を知ってもらえたら幸いだ。

もちろん、いきなりすべての環境をGoogle Appsに移行する必要はない。前回紹介したOfficeファイルの同期・共同編集を可能にする無料プラグイン「Google Cloud Connect for Microsoft Office」もあるので、まずは社外とのやり取りなど目的に応じて使い分け、様子を見ながら移行するのがベストだろう。

このように、Microsoft Officeに負けない実力を備えたGoogle Apps。自身で使ってみることこそが、ビジネス効率化への第一歩だ。

参考になるWebサイト


Google ドキュメントのテンプレート集
http://www.sateraito.jp/Google_Docs_Spreadsheets.html

 

Google ドキュメントの使い方テクニック
 http://www.sateraito.jp/google_apps_learning.html