前回はGoogle WorkspaceユーザーがBardを使うための手順について説明しましたが、今回は具体的なビジネスでの活用について解説していきましょう。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
Bardも「ChatGPT」などと同様、聞きたいことをチャットで質問するだけで返信が返ってくる仕組み。そのため、聞きたいことをそのまま入力すれば要求した内容が返ってくるので、ビジネスシーンにおいてもさまざまな活用の仕方が考えられます。
Bardでビジネスメールを作成する
なかでも多くの人にとって役立つものの1つに挙げられるのが、ビジネスメールの文章作成です。初めて取り組む業務や、初めてメールする相手などに対してどのような内容のメールを書けばよいか悩んでしまう人も多いかと思いますが、そうした時はメールに書きたい内容をBardに直接聞けばいいのです。
例えば、イベント設営の見積もりを依頼するメールを書きたい場合、そのまま「イベント設営の見積もりを依頼するメールを作成して下さい」と書いて送信すればBardがひな形を用意してくれます。
Gmailでそのひな形を使いたいというのであれば、返信の最後にある共有ボタンを押し、「Gmailで下書きを作成」を選択します。
Gmailに直接ひな形を取り込むことも可能です。後は必要な要素を追加・編集し、相手のメールアドレスを入力すればそのままメールを送ることもできてしまいます。
また、取引先によっては、もっと丁寧な文章にしたいと思うことがあるかもしれません。そんな時はチャットに続けて「もっと丁寧な文章で」といった内容を書いて送れば、より丁寧な文章でひな形を用意してくれます。チャットを通じてより求める内容を追求できるというのも、Bardの便利なポイントといえるのではないでしょうか。
プレゼンテーション資料を作成する
プレゼンテーション資料や、そのシナリオを作成する際にもBardは役立ちます。例えば新製品のプレゼンテーションを作成したい場合も、ある程度具体的な要素を入力して「プレゼンテーション資料を作成して」などと入力するだけで、Bardがその案を作成してくれます。
現状ではプレゼンテーション資料を直接生成する所までは至らないようですが、作成に向けたシナリオやたたき台を用意できるだけでも作業は大幅に進めやすくなることでしょう。
ただBardはあくまで試験運用中のサービスであり、品質向上のため人の手による処理が入る場合もあることから、個人情報や社内の機密情報などは絶対に送らないよう注意して下さい。
リサーチやレポートの作成などにもBardは大いに役立ちます。例としてここでは東京23区の地価を表にまとめ、傾向などについてレポートを作成することを考えてみます。
まずはBardに「東京23区の地価をランキングにしてまとめて」と入力すると、地価をランキング形式で表にまとめてくれました。
しかし、Bardは必ずしも正しい結果を返してくれるとは限らず、内容を見ると23区ではない東久留米市が含まれていたり、いくつか重複している区もあったりするようです。こうした部分はチャットで直接指摘することにより、修正することが可能です。
さらに地価に関して深堀したい場合は、全体的な傾向や特定の区同士の比較など、気になることを直接チャットに入力していくことで教えてくれます。それを繰り返しながら必要な情報を収集してまとめていけば、調査レポートなども簡単に作成できるのではないでしょうか。
またチャットの最後にある共有ボタンを押した後、「Googleドキュメントにエクスポート」を選択することで、文字通りGoogleドキュメントにチャットの内容を直接出力することも可能です。これを利用すれば情報の収集や編集などもやりやすくなるでしょう。
繰り返しなりますが、Bardは試験運用中のサービスということもあって出力する情報は必ずしも正確とは限りません。実際にレポートとして提出する際には、必ず人の目で事実関係をチェックし、誤りがないか確認する必要があることを忘れないようにして下さい。