本コラムは、GMOクラウド株式会社の特設サイトに掲載されている「GMOクラウドアカデミー ~あなたの興味が知識に変わる」より転載したものです。GMOクラウドアカデミーは、クラウド・ホスティングの「悩み」「問題」「課題」の解決を目的に、現場の声を集約した「生きた」コンテンツを提供します。
SSDに疑問を持ったとき
こんにちは、GMOクラウド金山です。
この連載では、ITエンジニアと話す機会のあるエンジニア以外の方へ向けて書いています。目的は、IT技術的な用語をできる限りかみ砕いて説明していくことです。忙しく働いている方々が短い学習時間で、知識を身につけられるように説明していければと思います。
それでは、前回の続きから行きましょう。
Ⅲ.SSDの構造
SSDの構造について、説明します。SSDは、フラッシュメモリといわれるパーツにデータを読み書きします。画像の中では、1の部分です。同じような見た目のパーツがいくつかありますが、これらすべてがフラッシュメモリです。SSDの容量は、このフラッシュメモリひとつひとつの容量と、いくつ搭載されているかの数によって決まります。
フラッシュメモリという単語は聞いたことがある方も多いと思います。USBメモリの中に入っていますね。 そこで、まずはSSDとUSBメモリの違いを見てみましょう。
USBメモリとSSDは同じようにフラッシュメモリを使っていても、利用目的が違います。SSDはHDDの代わりとなるものとして製造されていますので、OSなどの重要なソフトウエアが入ることも想定されています。そのため、利用しているフラッシュメモリ自体もUSBメモリで使われているものより良いものが使われていると思われます。これは値段相応というところでしょう。
さらに違いは、2の部品の性能によって生じます。この部品は、コントローラーと呼ばれています。名前のとおり、データの読み書きをコントロールしている部分です。例えばいくつかあるフラッシュメモリのどれにデータを書き込んでいくか、のような制御を行っています。
そのため、SSDの性能はこの部分によって大きく左右されています。ここもUSBメモリに組み込まれているコントローラーとは大きく性能と価格が違うでしょう。とはいえコントローラーに関しては、重要な箇所ではありますが、SSDを単体で購入するような場合に気にするところです。
そしてSSDは、USBではない場所でコンピューターに接続されています。普段コンピューターを利用していて見かける形状ではありませんが、3の部分がコンピューターへ差し込む部分です。
SSDの構造は、このようにコントローラーによって、フラッシュメモリとデータのやり取りを行うというものです。
Ⅳ.SSDの特徴
今まで見てきた構造と、世の中の現状を踏まえて、SSDの特徴を見ていきましょう。
1.容量に対して高価
この記事を書いている15/05/01時点で、インターネットで少し値段を調べてみました。
HDD:12,000円/2000GB → 6円/GB
SSD:12,000円/256GB → 46円/GB
8倍程度の価格差でした。しっかり探せばもっと安価なSSDも見つかるとは思いますが、価格差はほとんど埋まらないでしょう。
この数値はもちろん目安です。SSDが高価な理由は、まだまだ普及が進んでおらず、価格競争が起きにくい状況であると思われます。また、大容量化がようやく進んできていますが、大容量SSDはまだまだ高価で技術的な問題もあり、普及するには今後数年かかりそうです。
とはいえ、現在低価格化が進んでいます。ノートパソコンに搭載されていることが標準化するなどにより今後も普及が進めば、安価にSSDを購入・利用することが可能となりそうです。
2.読み書きが高速
HDDと比較すると数十%以上の処理速度を発揮します(いずれ具体的な数値で比較した記事も掲載します)。前回のHDDの構造で触れましたが、物理的な回転が必要なHDDではデータの読書き速度に限界があります。しかし、SSDには稼働する箇所がありません。これにより、HDDと比較して、高速です。
高速だとどんな恩恵があるのか?ということがイメージしにくいかもしれません。わかりやすいところでは、パソコンの起動がかなり違います。
他にも比較動画が大量にありますので、ご興味があれば探してみてください。パソコンの起動だけでなく、コンピューターで動作するさまざまなアプリケーションで、これぐらいの速度差が生まれます。
3.動作が静かで振動に強い
ここはHDDでは弱みであった箇所です。ディスクが回転するという構造上、回転中に振動が加わることで、ゆがみや傷が生まれ、故障の可能性が大きく上がってしまいます。そして、可動による音の発生がありました。 SSDでは可動部分が無いため、この問題がありません。そのため、カーナビやノートパソコンではSSDが採用される大きな利点となっています。
4.寿命は書き換え回数による
HDDは、物理的な故障が寿命となることが多いと書きました。SSDでは書き換え回数による寿命があると言われています。 フラッシュメモリには何回書き換えが行えるか、という回数が設定されています。その回数を超えることが寿命となります。SSDのコントローラーは、すべてのフラッシュメモリで均等に書き換えを行うようにもコントロールしています。
しかしSSDは、気にするほど短寿命ではありません。コンピューターの寿命自体が、3年から5年程度です。その間に寿命を迎えるような使い方は、意識して壊そうとしないと難しいです。機械はさまざまな理由で故障する可能性があるので、書き換え回数だけを気にする必要は無いと思います。
具体的な寿命は、それぞれの使い方によるため、何年で故障しますとは言えません。コンピューターというのは、いつ壊れるかわからないので、バックアップを取得しておくなどにより、もしもの事態に備えておくことが、サーバーを運用する方の責任ある仕事となります。
この記事を書いた人 金山 良太 GMOクラウド株式会社マーケティング部に所属してます。2008年、同社に入社後、専用サーバー商材に関わる技術者として従事。2015年よりマーケティング部へ異動し、技術的な視点からさまざまな商材に関わっています。 GMOクラウド 金山 良太の記事一覧
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