本コラムは、GMOクラウド株式会社の特設サイトに掲載されている「GMOクラウドアカデミー ~あなたの興味が知識に変わる」より転載したものです。GMOクラウドアカデミーは、クラウド・ホスティングの「悩み」「問題」「課題」の解決を目的に、現場の声を集約した「生きた」コンテンツを提供します。

【利用シーン】SSDが購入候補にあがったとき

この連載は、ITエンジニアと話す機会のあるエンジニア以外の方へ向けて書いています。目的は、IT技術的な用語を出来る限り噛み砕いて説明していくことです。忙しく働いている方々が短い学習時間で、知識を身につけられるように説明していければと思います。

今回は、コンピューターを構成する部品の中でも、ストレージと呼ばれているHDDとSSDの比較をしてみたいと思います。この連載のなかではディスクと呼んでいた部品ですね。数年前まではHDDばかりだったのですが、最近ではSSDの搭載されたパソコンも一般的ですので、パソコンを購入しようかなっていう時にも選択肢にあがることでしょう。

とは思うのですが、実際HDD搭載パソコンと比較すると、容量に対して値段が高いですね、SSD。もちろんサーバーでもSSDが使えますので、仕事上でサーバーを調達しようかというときには、性能比較でSSDが出てくることもあるでしょう。高めですが。

ちなみに、容量1GBあたりの単価を、「容量単価(GB単価)」と呼びます。略してギガ単。1,000GBのHDDが10,000円だったら、ギガ単10円ですね。ギガ単いくらよ?みたいな会話します。つまり、今回の話を言い換えてみると、「SSDはHDDよりもギガ単が割高なのはなぜか?」になります。

本題に戻って、なぜ割高かといえば、容量以外のところが優れているから高価格でもSSDが候補にあがるのです。今回の記事では、HDDとSSDそれぞれの構造の違いを見ていくことで、2つの性能の違いがどこに現れるのかを説明していきます。

Ⅰ.HDDの構造

まずHDDの構造を見てみましょう。 HDD=ハード・ディスク・ドライブ の略です。名前のとおり、円盤状のディスクが何枚か格納されています。裏からみて、下半分のあたりです。

イメージとしては、レコードでしょう。真ん中にレコードディスクを回転させる部品があり、レコードディスクが回転します。そしてレコードディスクの上には、1箇所読書きを行うための部品があります。これはCDでもDVDでも同じで、円盤のほうが回って、読書きをする部品の上を通ることでデータを取り扱います。

ハードディスクでは、裏面画像の下半分のあたりにディスクが収められています。ディスクは複数枚が、触れ合わないように重なって入っており、その間に読書きをするための部品が入っています。ハードディスクは表裏どちらもデータを扱えるので、読書き部分がディスクをはさむようになっています。

Ⅱ.HDDの特徴

ここまでの構造の話を踏まえて、HDDの特徴をまとめてみます。

1.大容量で安価

ここはSSDと比較するならになってしまいますが、HDDはディスクの部分が安いです。パーツが安ければ、全体としての価格も下がります。また、HDD自体歴史が長く普及していることもあり、価格が抑えられている傾向があります。容量に関していえば、HDDは4TB(4000GB)といった大容量のものも存在します。

2.読書きに時間がかかる

例えば読み込みたいデータが、読み込むパーツから近ければすぐ読み込みます。逆に遠ければ読込開始するまでに待ち時間が発生します。1回1回は人間にとって知覚できるほどの時間ではありませんが、積み重なると大きな時間となります。そしてHDDの読書き速度は、ディスクの回転に依存しています。コンピューターはデータを電気信号のやり取りで動いていますが、物理的な動きは、電気の速度にはかないません。ディスクの回転という物理的な動きに、コンピューター全体が引きずられることになります。

3.衝撃に弱い

ディスクが回転しているので、回転中に動かすとディスクを傷つけてしまったり、ゆがんでしまったりして、壊れてしまいます。サーバーやデスクトップではそこまで重要ではありませんが、持ち歩くノートパソコンでは気をつけましょう。

4.動作音が大きい

ディスクが高速回転していますので、稼動に伴って音が発生します。とはいえサーバーでしたらあまり気にするところではありませんね。パソコンでもHDDの回転音以上に、CPUを冷やすためのファン音のほうが騒音であることが多いというのが個人の感想です。 余談ですが、ガリ…ガリガリ…という音がしてきたら気をつけましょう。壊れる前兆かもしれません・・・。

5.寿命は動作部故障が多い

言うまでもなく、全ての機械はいつか必ず壊れます。さらに、壊れる可能性は物理的に動くことで上がる傾向にあります。HDDの場合はその構造上よく動くため、部品が壊れることで寿命を迎えることが多いようです。稼動部が故障してしまうことによりディスクとデータのやり取りが行えなくなったときに、寿命を迎えます。

長くなりましたので、次回に続きます。次回は、SSDの構造を見ていきましょう。

この記事を書いた人 金山 良太 GMOクラウド株式会社マーケティング部に所属してます。2008年、同社に入社後、専用サーバー商材に関わる技術者として従事。2015年よりマーケティング部へ異動し、技術的な視点からさまざまな商材に関わっています。 GMOクラウド 金山 良太の記事一覧
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