本コラムは、GMOクラウド株式会社の特設サイトに掲載されている「GMOクラウドアカデミー ~あなたの興味が知識に変わる」より転載したものです。GMOクラウドアカデミーは、クラウド・ホスティングの「悩み」「問題」「課題」の解決を目的に、現場の声を集約した「生きた」コンテンツを提供します。今回は、忙しい非エンジニアのみなさんにOSの基本について、ごく簡単にお話します。サーバーで利用されているOSに焦点を当て、いくつかの紹介と、OSの区分でよく見る32bit/64bitの違いについて説明していきます。

【利用シーン】OSの種類に興味を持ったとき。

OS紹介

ここでは、よく見かけるOSをいくつか紹介します。 よく見かけるというと、パソコンで利用しているWindows 7やMac OS などになってしまいます。エンジニアの話している用語を説明するという連載ですので、せっかくですから、サーバー用途によく利用されているOSに目を向けることにしましょう。

サーバー用途に利用されているOSということで、サーバー貸しが生業のホスティング事業者が提供しているOSということにします。 提供されている=需要がある=よく使われている、という解釈で大きなズレは無いと思います。

よく提供されているOSとその簡単な説明をリストアップしたものが下記表になります。

Red Hat Enterprise Linux 主に業務システムのサーバーOSとして使われている有償のLinux系OSです。OSを提供しているRedHat社から有償のサポートが受けられるというのが強みと言えます。
Cent OS Red Hat Enterprise Linuxとの完全互換を目指した無償のLinux系OSです。上記RHELから商標などを除いた状態で提供されています。
Debian CentOSとは別の思想で作られている老舗のLinux系OSです。
Ubuntu 上記のDebianをベースとして作られているLinux系OSです。誰にでも使いやすいOSを目指すという思想で作られており、パソコンでも簡単に利用できるように作られています。サーバー用途向けに作られているUbuntuもあります。ちなみに、読みは「ウブントゥ」だそうです。
Windows Server Microsoft社が提供するWindows系サーバー用のOSです。パソコンで利用しているOSでは、Windows 7や8がありますが、サーバー用途では、Windows Server 2012などになります。エディションという形で、同じバージョンの中でもいくつかの種類が分けられており、利用可能な機能などに差があります。

ちなみに、GMOクラウドで提供されているサービスでは、CentOSがもっとも利用されています。利用者が多いからなにがいいの?というと、インターネットや書籍などで、情報が多くなりやすいです。サーバー運用をしていく中で、わからなかったり困ったりすることがあったときに、情報が多いというのは、非常に助かります。

OSの見かた

OSの名称の見かたは下記のとおりです。「x86_64」というのは、サーバー内で見た場合の表記になります。カタログ上は、「32bit」「64bit」と記載されています。

Windowsの場合です。こちらは、サーバー内のプロパティ画像になります。

32bitOSと64bitOSの違い

OSを見てみると、同じ名称で、32bitと64bit の2種類が用意されている場合があります。

2つの違いについて細かな説明は省略しますが、選択する際に意識する点を2点挙げます。使用する予定のメモリと、利用する予定のアプリケーションに関してです。

まずメモリについて。簡単に言いますと、64bit OSは使用可能なメモリが大きくなっています。たとえばLinuxのCentOS6ですと、最大メモリは、32bitでは16GB、64bitでは2TB(=約2000GB)となっています。桁違いですが、そこまで乗せることはありません。すごいなーでよいと思います。Windows Web Server 2008ですと、32bitでは4GB、64bitでは32GBが上限となります。自身でサーバーを設定して利用する場合や、パソコンのメモリ増設してみようといった時などは注意しましょう。

次にアプリケーションの対応について。古いアプリケーションでは、32bitOSでのみ利用可能な場合もあります。32bit用のアプリケーションを動かす機能が64bitOSにはありますが、すべてのアプリケーションに対応しているとは限りません。自分が利用する予定のアプリケーションが動作するか、あらかじめ確認しておきましょう。

他には、CPUが対応しているかどうや、ディスク容量の上限などなどありますが、自分で作るでもない限りは、OSインストール済みのパソコンは売っている状態で使えるということで問題ないと思います。

上記のような理由で、一概にどっちを使うべきというのは言えないのですが、これから使うのでしたら、ここでは64bitOSをオススメさせていただきたいと思います。なぜなら、32bitOSの提供が終了を迎えているためです。最新のRHELやCentOSである7では、実質64bitOSのみの提供です。

最新のWindows Server 2012も64bitOSのみの提供となっています。OSのサポートは永続的に受けられるものではありません。長期間利用していると、新しいOSへの乗換えを迫られる場合もあります。これからの利用で、何かしらの制限を受ける状況でなければ、64bitOSを選択しておくことをオススメします。

最後に、OSはどれを選ぶべきか?という疑問があるかと思いますが、エンジニアは使い慣れたOSがあったりしますので、エンジニア自身に選ばせればよいと思います。CentOSなどは無料とはいえ、業務で利用されている実績はあります。有償OSが使いたいってエンジニアに言われたら、話聞いてあげてください。 エンジニアじゃないけど自分で触ってみたいといった場合は、自分の利用したいアプリケーションが対応しているかを最初の基準に選んでみてください。多くの場合Linuxでは、コマンドで操作する必要も出てきますので、学習は必要になりますが、CentOSやUbuntuは、OS代が無料で、情報も多いので入門に良いかと思います。

本コラムは、GMOクラウド株式会社の特設サイトに掲載されている「GMOクラウドアカデミー ~あなたの興味が知識に変わる」より転載したものです。GMOクラウドアカデミーは、クラウド・ホスティングの「悩み」「問題」「課題」の解決を目的に、現場の声を集約した「生きた」コンテンツを提供します。