Google Workspace版のGmailでしか利用できない機能の1つに挙げられるのが「開封確認メッセージ」です。これはメールを送った相手が、そのメールを開封したことを知らせてくれる機能。LINEでいうところの「既読」に近いものと考えれば分かりやすいでしょうか。
相手がメールを開封したかどうかが分かれば、相手がメールの内容を読んでいるか否かを確認できることから、「重要なメールの読み忘れを防ぐ」「同報メールを全員がチェックしたかどうかを確認する」などの用途に役立つことは確かです。ただ、LINEの既読がプライバシーにも影響するように、開封確認メッセージも相手のプライバシーに関わってくる機能であることから無料版では提供されていません。
また、Google Workspace版でも、この機能は基本的に同じ組織内での確認に使うものと位置付けられているようです。そうしたことから、開封確認メッセージの機能は標準では「オフ」になっているので、これをオンにするには前回(第89回)紹介した管理者コントロールからの設定変更が必要になります。前回の記事を参考にしながら、管理コンソールからGmailの設定画面を呼び出し、「ユーザー設定」から「開封確認メッセージ」を選んで下さい。
標準では「開封確認メッセージの送信を許可しません」が選択されています。これを「すべてのメールアドレスへの開封確認メッセージの送信を許可します」にすると、全てのメールアドレスに対して開封確認メッセージの送付が可能になりますが、先にも触れた通り、開封確認メッセージを不特定多数に送るには慎重な対応が求められるので、相手がメールを読んだ後に開封確認を求めるダイアログが必ず現れるようになります(詳しくは後述)。
送付できる相手を組織内などに限定する場合は「組織内のすべてのアドレス、およびホワイトリストに登録されたメール アドレスへの開封確認メッセージの送信を許可します」を選んで下さい。これを選ぶと同じ組織内の相手に加え、「ホワイトリスト」に登録したメールアドレスにも開封確認メッセージを送ることが可能です。
ホワイトリストにメールアドレスを登録するには、ラジオボタンの下にある項目に、対象となるメールアドレスをカンマ区切りで記述していけばよく、最大100件のアドレスを登録可能です。またその下にある「開封確認メッセージの要求のたびにユーザーに確認します」にチェックを入れておけば、相手に開封確認のダイアログを表示せずに開封確認メッセージが届くようになります。
設定後、Gmailから実際に開封確認が必要なメールを送るには、通常通りメール作成画面を開いてメールを書いた後、メニューから「開封確認をリクエスト」を選んでチェックを付け、送信して下さい。
「すべてのメールアドレスへの開封確認メッセージの送信を許可します」を選んでいる、または「開封確認メッセージの要求のたびにユーザーに確認します」にチェックを入れている場合は、メールを送った相手が対象のメールを開封し、内容をチェックした後にその画面から離れようとすると「開封確認のリクエスト」というダイアログが現れるようになります。
ここで「開封確認を送信」をクリックすると、メール送信者側の該当メールスレッドに開封確認メッセージが届き、メールの開封を知ることができます。一方「後で」をクリックした場合、「開封確認を送信」をクリックするまで同じメールを開くたびにダイアログが現れるようになります。
ただ開封確認メールは機能の性格上万能ではないようで、相手が使うメーラーによって動作しない場合もあるようです。そうしたことも考慮すれば、やはり同じグループ内で確実なやり取りをするために用いるのが妥当な機能と言えそうです。
ちなみに無料版のGmailでメールの開封確認をしたいという場合は、GmailやChromeに「Mailtrack」などのトラッキング系アドオンを追加することで同種の機能を付加することも可能ではあります。
ただし先にも触れた通りメールの開封確認はプライバシーに関わるもので開封確認を嫌がる人もいること、また100%開封をチェックできるとは限らないことから、利用には十分注意が必要だということを忘れないようにして下さい。