ここ最近のアップデートで使い勝手の向上が進められているiOS版のGmailですが、2020年7月6日に発表されたアップデートでは、iPad向けの「iPadOS」用Gmailが、新たに「Sprit View」に対応したようです。

Sprit Viewは、iPadの画面を2分割して同時に2つのアプリを動かす機能のこと。iPadの広い画面を生かしてアプリを切り替える必要なく、地図を見ながらWebサイトで情報を調べるなどの使い方ができる便利機能なのですが、主要なグーグル製アプリの中で、Gmailだけはなぜかこの機能に対応していなかったのです。

  • Gmailテクニック 第80回

    iPadOSのSprit View機能。画面を2分割して2つのアプリを同時に利用できる機能だ

しかし、今回のアップデートでiPad版のGmailアプリではSprit Viewの利用が可能になったようです。特に最近では「iPad Pro」を中心としてノートパソコンの代わりにiPadを持ち歩き、仕事をこなすという人も増えているかと思うので、この対応は非常にうれしいポイントではないでしょうか。

利用方法は他のアプリでSplit Viewを利用するのと同じなのですが、簡単にやり方を説明しておきましょう。まず、他のアプリを立ち上げている状態で画面下部を下から上にスワイプしてドックを表示し、Gmailのアイコンを画面の左右どちらかの端までドラッグします。ドックにGmailのアイコンが登録されていない場合は、あらかじめ登録しておきましょう。

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    他のアプリを立ち上げている状態で画面下から上にスワイプしてドックを呼び出し(1)、Gmailのアイコンを左右どちらかの端にまでドラッグする(2)

すると画面が自動的に分割され、ドラッグした側の画面半分がGmailの画面へと切り替わります。この状態がSplit Viewで、元々起動していたアプリとGmailが同時に利用できるようになります。

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    画面が分割され、半分で元々起動していたアプリ、もう半分でGmailのアプリが利用できるようになる

Gmailをもっと大きな画面で利用したい、あるいはもう一方のアプリの表示を大きくしたいと思ったら、画面中央の分割線をドラッグして画面の比率を変えることも可能。左右どちらか一杯までドラッグすれば、一方のアプリを終了させることも可能です。

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    2つの画面の比率は、中央にある分割線をドラッグして変更可能。どちらかの端までドラッグすれば一方のアプリを終了することができる

Split Viewに対応しただけでも、パソコンのようにカレンダーを見ながらメールをチェックする、Webサイトで情報を調べながらメールを書く……などの使い方が可能になるので、作業効率が大幅にアップすることは間違いありません。ですがより便利になるのは、やはりファイルなどの添付がしやすくなることではないでしょうか。

GmailはSplit Viewに対応したことで、他のアプリからファイルをドラッグして添付することが、従来以上に簡単にできるようになりました。例えばGmailと「写真」や「Googleフォト」などのアプリを同時に並べ、メールに添付したい写真を選んでGmailのメール作成画面にドラッグすれば、そのまま写真を添付することが可能です。

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    Split ViewでGmailと「Googleフォト」を表示し、Googleフォトから写真をドラッグして添付することが可能だ

ドラッグして添付できるのはファイルだけではありません。例えば「Safari」で表示しているWebサイトのURLをGmailにドラッグすることで、メールにそのページのリンクを記述するといった操作も簡単にできます。

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    SafariなどのWebブラウザからGmailの作成画面にURLをドラッグすれば、コピー・ペーストなどの手間をかける必要なくリンクを記述することも可能だ

ただし必ずしもすべてのアプリで、ドラッグによる添付の操作ができる訳ではないようです。実際、ファイルを添付する上で最も利便性が高いであろう「ファイル」アプリの場合、iPad内やiCloud Drive内のファイルはドラッグしても添付することができませんでした。

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    ドラッグでの添付に対応していない、あるいは一部対応していないアプリもある。「ファイル」アプリでiPad内やiCloud Drive内のファイルはドラッグしても添付できなかった

こうした点はまだ改善が必要といえますが、Sprit Viewに対応したというだけでも、iPad上でGmailの利便性が大きく高まったのは事実です。特に仕事でiPadとGmailを使っているという人なら、ぜひ有効活用したい所です。