現在でもスパムメールやフィッシングメールなどによる犯罪被害が多く発生しているようで、筆者の身内や知り合いからも「怪しいメールが届いたけれど、どうしたらいいのか」という相談がよく寄せられます。そこで今回は、そんな迷惑メールの対策について触れていきましょう。
第6回で紹介した通り、Gmailには非常に強力な迷惑メール分類機能が備わっており、大抵の迷惑メールは「迷惑メール」フォルダに自動分類され、30日後には自動削除されてしまいます。それゆえGmailを使っていれば、迷惑メールに悩まされることはあまり多くないかと思われます。→過去の回はこちらを参照。
ですがそれでも迷惑メールが届いてしまうことはあるので、そうしたメールを見つけたらまずは正しいメールか迷惑メールかどうかを判断するのがよいでしょう。フィッシング詐欺メールなどは、メールの内容は本物に見えるものの、送信者のメールアドレスが本物のドメインとは異なっている場合がほとんどですので、メールアドレスの確認は必須です。
Web版のGmailではメールを開けば送信者のメールアドレスを確認できますが、より詳しい情報を確認するには、メール詳細画面の「To」の右端にある「▼」をクリックします。すると送信者だけでなく、Ccされているメールアドレスなども確認することができます。
一方、スマートフォンなどで利用するアプリ版のGmailでは、メールを開いただけではメールアドレスを確認することができません。ですがWeb版と同様に「To」の右端にある「v」マークをタップすることで、メールアドレスを表示できるので、ここから正しいメールアドレスかどうかを確認するのがよいでしょう。
迷惑メールを見つけた場合は、Web版であればメール詳細画面からメニューを開き、「迷惑メールとして報告」を選択することで迷惑メールフォルダに送ることができます。この際「フィッシングを報告」を選ぶこともできますので、フィッシング詐欺メールの場合はこちらを選択しましょう。
また、迷惑メールとは違うものの、特定の相手から送られてくるメールを受信したくない場合も、やはりメニューから「『〇〇』さんをブロックする」を選択することで、それ以降同じメールアドレスから届いたメールをブロックし、迷惑メールに分類することが可能になります。
アプリ版の場合も、迷惑メールフォルダへの送り方やブロックの操作方法は基本的に同じなのですが、メニューがスレッド用と個別のメール用の2つが存在しており、「迷惑メールとして報告」はスレッド側、「『〇〇』さんをブロックする」は個別のメール側のメニュー内と分かれているので注意が必要です。
なお、ブロックを解除したい場合はWeb版のGmailから設定画面を開いた後、「フィルタとブロック中のアドレス」タブを選び、画面下部にあるブロック中アドレス一覧の中から解除したいメールアドレスのチェックボックスをチェックし、「選択したアドレスのブロックを解除」ボタンをクリックしましょう。
アプリ版ではWeb版と違って設定からブロックの解除ができないことから、ブロックされている人からのメールを開いた後にメール側のメニューをタップし、「『〇〇』のブロックを解除する」を選ぶことでブロックした相手の解除が可能です。
また、内容が問題ないと判断した迷惑メールやブロックしたメールを受信トレイに移すには、迷惑メールフォルダ内から該当するアドレスのメールを探して開いた後、「迷惑メールではない」をクリックするだけ可能です。
アプリ版の場合も同様に、対象のメールを開いた後にスレッドのメニューから「迷惑メールではない」を選択することで、受信トレイに移すことができます。
Gmailの迷惑メールフィルタ機能は非常に強力ですが、実はそれゆえに、時々重要な相手からのメールも迷惑メールとして分類してしまうこともあるのです。「メールが送られたはずなのに届いていない」という場合は、迷惑メールフォルダに分類されていないかを確認し、もし分類されていたら先の操作でメールを受信トレイに戻しておきましょう。
しかし、それだけでは次に届いたメールが再び迷惑メールに分類されてしまう可能性があります。そうならないためには、相手のメールアドレスを「迷惑メールにしない」フィルタを作成しておくと安心です。
ちなみに迷惑メールフォルダ内のメールは、直接フォルダを開いて探すことも可能ですが、「in:spam」の検索演算子を付けることでキーワードによる検索も可能です。迷惑メールフォルダに分類されたメールは30日で消えてしまいますので、確認は早めにするのが吉です。
著者プロフィール: 佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。