前回、前々回と、Gmailで複数のメールアカウントを管理する方法について説明してきました。しかし、Gmail上ではなく、他のメールクライアントを使って複数のメールアカウントを管理したいという人もいるのではないでしょうか。そんな時は、Gmailのメールを別のメールクライアントから扱えるようにしてしまえばよいのです。

他のメールクライアントを使ってGmailのメール受信をする場合、「POP」と「IMAP」という2つの方式のうちいずれかを用いる必要があります。

両者の違いを簡単に説明しますと、POPはメールサーバからメールをクライアントにダウンロードして保存する方式。一方のIMAPはメールがサーバに残り、クライアントでメールを削除するとサーバのメールも削除されるといった具合に、メールクライアント側でサーバにあるメールを遠隔で管理するという方式です。

POP方式の場合、サーバ側にメールを残すよう設定しておかない限り、メールクライアントを変えると受信したメールがなくなってしまうという弱点があります。しかし、IMAP方式の場合、メールクライアントを変えてもメールが残っているため、パソコンやスマートフォンなど、複数のデバイスからメールを管理しやすいのです。

現在のメールクライアントの多くは両方の方式に対応していることから、ここではIMAP方式を用いてGmailを他のメールクライアントで管理する方法を説明しましょう。

まずはGmail側で、IMAPを利用できるようにするための設定をします。Gmailの設定画面から「メール転送とPOP/IMAP」タブを選び、「IMAPアクセス」の「ステータス」を「IMAPを有効にする」にしてから「変更を保存」ボタンをクリックします。

  • Gmailテクニック 第41回

    Gmailの設定画面から「メール転送とPOP/IMAP」タブ(1)を選び、「IMAPアクセス」のステータスを「有効にする」(2)を選んでから「変更を保存」(3)をクリック

次にメールクライアント側の設定をします。ここでは利用者が多いメールクライアントの1つである、マイクロソフトの「Outlook 2016」を使用した方法について説明しましょう。

まずはOutlook 2016を起動します。既にOutlookで他のメールアカウントを利用している場合は、メニューバーから「ファイル」をクリックして「アカウントの追加」をクリックして下さい。

  • Gmailテクニック 第41回

    すでにOutlook 2016を利用している場合は、「ファイル」のメニューから「アカウントの追加」をクリックする

続いてメールアカウントの登録画面が現れるので、利用するGmailのメールアドレスを入力して「接続」をクリックします。

  • Gmailテクニック 第41回

    アカウント登録の画面が現れたら、Gmailのメールアドレスを入力(1)し、「接続」(2)をクリックする

するとパスワード入力画面が現れるので、Googleアカウントのパスワードを入力して「接続」をクリックすると、後はOutlook側が自動的に、IMAP方式でGmailを利用するための設定をしてくれます。

  • Gmailテクニック 第41回

    パスワードを入力(1)して「接続」(2)をクリックすれば設定は完了する

一通りの設定が完了するとOutlookの画面が現れますが、この状態では受信トレイにメールがありません。「すべてのフォルダーを送受信」ボタンを押すことで、Gmail上にあったメールを受信し、メールのやり取りができるようにしましょう。

  • Gmailテクニック 第41回

    アカウント登録直後はメールが受信されていないので、「すべてのフォルダーを送受信」をクリックしてメールを受信すればよい

このように、Outlook 2016を利用した場合は、Gmailの設定がほぼ不要で非常に簡単なのですが、すべてのメールクライアントがOutlookのように自動で設定をしてくれる訳ではありません。

クライアントによっては、メールの受信に必要なIMAPの設定と、送信に必要なSMTPの設定を手動で設定する必要がありますが、その際必要な項目はGmailのヘルプに記載されています。このヘルプをすぐ呼び出すには、Gmailの設定画面の「メール転送とPOP/IMAP」タブにある「IMAPアクセス」から「設定手順」をクリックするのがよいでしょう。

  • Gmailテクニック 第41回

    メールクライアントの設定を手動でする必要がある場合は、Gmailの設定画面の「メール転送とPOP/IMAP」タブから「設定手順」をクリックしてヘルプを呼び出せばよい

  • Gmailテクニック 第41回

    執筆時点で、Gmailのヘルプに記載されている内容がこちら。これらの値をメールクライアントの設定画面から登録していけばよい

この方法を用いれば、複数のGmailを管理するのはもちろんですが、使い慣れたメールクライアントを用いてGmailを管理できるという利点もあります。Webではなくアプリでメールを管理したいという人もぜひ覚えておきたいところです。