前回はGmailのいくつかの新機能について説明しましたが、今回はメールの送信・返信に関する新機能と、その使い方について説明したいと思います。
メール送信に関する新機能の1つに挙げられるのが「スマートリプライ」です。これはメールの本文から、AIを活用して返信する内容を自動的に推測し、その候補を提案してくれるもの。スマートフォンアプリ版のGmailには以前から実装されていた機能ですが、今回のリニューアルによってWeb版にも対応し、パソコン上からも利用可能になりました。
返信候補として現れる文章は短文であるため日本のビジネスメールでは、そのまま利用するのは難しいかもしれません。しかし、長文の返信が不要な場合の下地として活用したり、カジュアルな相手とメールのやり取りをしている際に使用したりすると便利です。
スマートリプライを利用するには、まず誰かから送られてきたメールを開きます。すると本文の最後に、本文の内容によりますが「了解しました」「ありがとうございます」など3つの返信候補が表示されているので、それらのうち適した返信内容を選んでクリックします。
その後、その文章がそのまま送られるわけではなく、返信を書くボックスが現れ、その中に選択した文章が自動的に挿入されるのです。後は返信したい内容に応じてテキストや添付ファイルなどを追加し、「送信」ボタンをクリックしましょう。特に追加する必要がなければ、そのまま送信ボタンを押すだけでよいので、従来より簡単に返信が可能です。
そして、もう1つメール送信に関する新機能となるのが「情報保護モード」です。これは送信したメールの閲覧期間を制限したり、パスコードを設定したりできるというものです。重要なデータの流出防止などに役立てられることから、ビジネスシーンで大いに役立つ機能と言えるでしょう。
情報保護モードをオンにしてメールを送信する方法は、まず「作成」ボタンを押して新しいメールを作成した後、画面下部にある「情報保護モードをオン/オフにする」ボタンをクリックします。
すると、下のようなダイアログが現れるので、メールの有効期限とパスコードの設定をしてから「保存」をクリックします。有効期限は細かく設定できませんが、1日、1週間、1カ月、3カ月、5年のうちいずれかを選んで設定することが可能です。
また、相手の携帯電話番号が分かる場合は、メールを開く際に必要なパスコードをグーグルからSMSで送る「SMSパスコード」を使用できます。SMSパスコードを使用しない場合、Gmailの利用者はそのままメールを開けますが、Gmail以外のメールを使っている人には別途開封用のパスコードが送信される形となります。ですので、SMSパスコードはより機密性の高いメールを送る必要があるときに使うのがよいでしょう。
情報保護モードをオンにして送付したメールは、指定した期間内であれば受信者がメール本文とファイルの中身を見ることは可能ですが、コピーやダウンロード、転送などはできなくなります。期間が過ぎればメールの中身自体が見られなくなります。
なお、情報保護モードを使う際に注意が必要なのは、ダウンロードがサポートされていないことから、ZIP形式の圧縮ファイルなどのように、Gmail上で中身を直接閲覧できないファイルは添付して送ることができないということです。そうしたファイルを送信しようとした場合、下のようなダイアログが現れ、情報保護モードをオフにして送信するよう促されます。
これら2つの新機能はいずれも非常に便利なものであり、うまく活用すればGmailが一層便利なツールになること間違いありません。ぜひ、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。