新型コロナウイルスの影響でGIGAスクール構想が前倒しになる様相もあるのですが、学習塾は早々にオンライン授業に切り替えています。そこで、お子様の学習環境としてオンライン学習環境もしっかり考えたいところです。オンライン学習環境のパフォーマンスが遅いと、学習効率は悪化します。
変な例えになりますが、ネットワークのスピードが遅いと、教科書のページをめくりたくてもめくれないような状態になるので、お子様としてはストレスを感じながら学習をすることになります。当然、学習の進捗も芳しくないはずです。親御さんがIT業界の人だったり、詳しい人だったりすれば、オンライン学習環境に最適な環境を自宅に作ることもできますが、そうでないとなかなか厳しいでしょう。
そこで、今回は、ITリテラシーが低くても、お金をかけずにオンライン学習環境を改善する方法を紹介します。まずは、オンライン学習用のパソコンが遅いと感じた方は以下をチェックしてみてください。
インターネット回線スピードチェックサイトで確認
「インターネット回線の速度テスト」というWebサイトでは、自動的に利用中のパソコンのネットワークのスピードが測定されます。ここでいうネットワークとは、「インターネット―宅内回線―パソコン」の間を指します。
インターネット回線の速度テスト
https://fast.com/ja/
ちなみに、筆者のパソコンの測定結果は以下のようになりました。
結果は240Mbpsと出ています。これは、1秒間に240MBのデータ転送を行えるネットワークの速度が確保されていることを意味しています。MbpsはMB(メガビット)Per Second(秒)の略称です。240MBは無駄に早いくらいです。オンライン学習でしたら、10~20Mbpsのインターネット速度であれば十分だと思います。
ここでチェックしてみて十分な回線速度があるにもかかわらず、オンライン学習をしてみると、動作が遅かったり、画面がカクカク動いたり、音声が途切れ途切れになってしまったりする場合は、パソコンが古かったり、処理能力が小さかったり、メモリが足りなかったりするなど、パソコンが原因の可能性があります。また、接続先のサーバ(学習サービスを提供してくれるインターネット上のコンピューター)に負荷がかかりすぎて遅くなっていることも原因として考えられます。
オンライン学習の推奨環境を確認してみて、問題がなければ、パソコンが原因ではないということになります。インターネット回線が速くて、パソコンの性能が問題なければ、サーバ側の問題となります。サーバ側が問題となっている可能性がある場合は、サービスを提供している組織に問い合わせをするとよいでしょう。
ただし、パソコンが比較的新しいものであって、ExcelやWordなどのオフィスソフトがスムーズに動作しているのであれば、問題はサーバかネットワークにあると言えます。今回は、コストをかけずにネットワークの速度を改善する方法を紹介します。
無線LANからから有線LANに切り替えよう
https://fast.com/ja/でインターネットの速度をチェックして、回線が遅かった場合は、無線LANでパソコンに接続しているかどうかを確認してください。無線LANでパソコンに接続している場合、LANケーブルをパソコンに接続した有線ネットワークに切り替えるとよいです。
先ほど紹介した筆者のパソコンのインターネット速度は240Mbpsでした。これはKDDIの光回線を自宅にひいて、宅内のルータに接続しています。そのルータからパソコンにLANケーブルで直接接続しています。
ちなみに、筆者のパソコンを無線LANに切り替えると、以下の通り3分の1の速度に落ちてしまいます。技術が進歩しても、回線スピードは有線が速いです。
ちなみに、先ほど出てきたルータとは、インターネット回線を契約するとプロバイダーから送られてくる小さなお弁当箱のような機械です。以下の写真がルータです。このルータという機械は、パソコンとインターネット上のサーバとデータのやり取りをする際に、どのデータをどこに送るかという交通整理をしています。
このルータの側面を見ると、以下のようにケーブルを差し込む穴があります。
その穴に以下のようなLANケーブルをさして、反対側にパソコンを差し込みます。LANケーブルにはCAT 5やCAT 7などの種類があり、この数字は速度の速さを表しています。今の時代であれば、CAT 7を選ぶとよいです。安価なパソコンにはLANケーブルを差し込む口がない場合がまれにあります。その場合は、USBの口にLANケーブルを接続するためのアダプタを別途購入するか、この方法をあきらめて無線で接続するしかありません。
無線LANで接続されている場合、安価なLANケーブルでの接続に変えるだけで大幅に速度が上がるはずですので、ぜひ試してみてください。
無線LANしか使えない場合はどうする?
実は、無線LANは距離や壁などの障害物によって、電波が弱くなります。ルータとパソコンが別な部屋に置かれている場合、電波は弱くなってしまうので、速度は落ちます。また、ルータとパソコンが設置されている部屋のフロアーが違うと、さらに電波が弱くなります。
脱線しますが、量販店などで販売している安価なルータは、使用年数に応じて電波がどんどん弱くなります。以前、安価なルータを使用していた時は、毎年のように買い替えていたくらいです。今は、家庭用のルータの中でも高額なモデルを使っているのですが、安定しています。
お子さんが「自分の部屋で勉強したいのでルータを置きたい」と言い出すかもしれません。東大に合格している人の多くがリビングで勉強しているという調査データもありますので、興味がある方は、「リビング勉」で調べてみて、検討されるとよいと思います。
ネットワークを使っている他のパソコンの有無を確認
少しお粗末な話になりますが、お子さんがオンライン学習で勉強している時に親御さんがYouTubeを見ながら休憩というケースがあります。休憩されるのは自由ですが、複数のパソコンが同時にネットワークを使用すると、ネットワークの容量を案分してしまうので、一台当たりのパソコンのネットワーク速度は低下します。
神経質になる必要はないですが、接続するパソコンが多い場合は、インターネットプロバイターの契約をもっと高速のプランに変更したほうがいいかもしれません。
インターネットプロバイターの契約をもっと高速にしてみる
これはお金がかかる話ですが、高速なインターネットサービスを使用したほうがインターネットの速度は当然、速くなります。最後はこの方法しかないかもしれません。
さて、今回はITにあまり詳しくない人に向けて、できるだけわかりやすく解決策を紹介しました。何かの参考になれば幸いです。