本連載では「Google Apps」の基本設定に始まり、安否確認サイト、営業管理データベースの作成を行ってきた。操作方法や各機能の使い方にもかなり慣れてきたと思うので、今回はプロジェクト管理用のデータベース作成に挑戦してみよう。

2種類の方法でガントチャート作成

今回から2回にわたって紹介するのは、プロジェクトデータベースサイトの作成方法だ。プロジェクト管理の中でも、各作業の進捗管理に欠かせないものといえばガントチャート。専用ソフトを使ったり、Excelで作成しているユーザーも多いと思うが、Google Appsならガジェットを使って簡単に作成が行える。

また、プロジェクトデータベースサイト内の1ページとして表示が可能なので、サイトを見る習慣さえできていればメンバー間の情報共有に最適といえるだろう。もしスケジュールに変更が生じた場合でも、サイトおよびメール経由で迅速に周知することができる。

それでは「Googleドキュメント」のSpreadsheetを使ったガントチャートの作成から始めよう。今回解説するガントチャートの作成方法は2種類ある。1つ目が、今までのグラフ作成と同様に「ガジェット」の挿入から作成する方法。そして2つ目がGoogleドキュメントの「テンプレート」を利用する方法だ。

まずはガジェットの挿入による作成方法だが、実は通常通り「挿入」から「ガジェット」を選んでも一覧の中にガントチャートは表示されない。そこで今回は、Googleが提供している「Google Visualization API Gadget Gallery」からガントチャートを見つけ、それを利用してみた。

まずは「Googleドキュメント」のSpreadsheetを開き、タスクや日程などガントチャートに必要な項目を入力する。親タスクの達成率は、数式の「Average」を使って子タスクの達成率から自動計算させると便利だ

「挿入」→「ガジェット」を選んでみたが、肝心のガントチャートが見当たらない

そこで「Google Visualization API Gadget Gallery」にアクセス。「Project」タブを開いて、「Gantt」のソースURL「http://www.viewpath.net/Website/ Modules/Gantt.aspx」をコピーしておく

入力したデータ範囲を指定し、「挿入」から「ガジェット」をクリック

左側の「カスタム」を押し、「ガジェットのURL」欄に先ほどのURLをペーストして「追加」をクリック

「Name Column」にタスク名、「Start Column」に開始日、「Finish Column」に終了日、「% Complete Column」に達成率、「Wbs # Column」にWBS ID、「Predecessor Column」に子タスクID、「Unique Id Column」に親タスクIDをそれぞれ指定し、「適用して閉じます」をクリック

これでガジェットを使ったガントチャートが完成した。この段階で、Googleサイトで表示しやすいサイズに調整しておくと良い。ちなみにガジェットの左下にあるボタンで拡大・縮小も可能だが、一度ファイルを閉じるとデフォルトに戻ってしまう

テンプレートを使ってガントチャート作成

続いては、Googleドキュメントの「テンプレート」を使った方法を解説しよう。このテンプレートは「文書」「スプレッドシート」「プレゼンテーション」「フォーム」の各タイプに加えて、「アルバム」「ビジネス」「計算」といったカテゴリごと、そして言語での絞り込みが可能。ビジネスだけでなくプライベートにも使える、実に幅広いテンプレートが用意されている。

今回はこの中から、ガントチャート作成用のテンプレートを使用する。カテゴリから絞り込んでも良いが、目的がハッキリしているため検索窓から「gantt」で検索した方が早く見つけられるだろう。テンプレートを開いたら、あとは必要なデータを入力すればガントチャートを作成してくれる。

テンプレートの使い方は、Googleドキュメントを開いて「新規作成」から「テンプレート」を選択する

これが「テンプレートギャラリー」だ。タイプやカテゴリごとに多彩なテンプレートが用意されている

今回は目的が明確なので、上部の検索窓に「gantt」と入力して検索。一番上に表示された「Template: Project Plan Gantt Chart」の「プレビュー」から内容を確認しよう

プレビュー画面で問題がなさそうならば「このテンプレートを使う」をクリック

テンプレートの内容がそのまま自分の環境へコピーされた

ガントチャートに必要な各項目を入力。このテンプレートはガントチャートが別シートで表示される作りになっているので、下部に表示された「Gadget1」をクリックしてシート移動する

このように、入力したデータに基づいたガントチャートが表示された。ちなみにこちらもガジェットと同様に、図を拡大・縮小した内容は保存されない

ちなみに、今まで使ったテンプレートは「テンプレートギャラリー」の「使用したテンプレート」タブに入っているので、再び探し直す手間が省ける

プロジェクトデータベースのサイトに反映

ガントチャートが完成したら、さっそくプロジェクトデータベース用のサイトを作ってページに反映させていく。この操作は今までの記事でも解説したが、流れを簡単にまとめると、プロジェクトデータベース用に新しいサイトを作り「ウェブページ」で新規ページを作成。「挿入」→「スプレッドシート」で、先ほど作成した2種類いずれかのスプレッドシートを選択すれば良い。

プロジェクト管理機能に勤怠管理機能や工数管理機能や進捗率管理機能を追加 したい場合は、ベイテックシステムズのプロジェクト管理管理アプリケーション利用するといいだろう。

これがプロジェクトデータベース内に完成した進捗状況のページ。ここでは1ページでガントチャートも確認できるという一覧性から、ガジェットを使った方法を採用してみた

今回は、プロジェクトデータベースの核となるガントチャートのページにスポットを当ててご紹介した。次回はプロジェクトに必要なドキュメント管理やToDoリストの作成方法などをご紹介しよう。