今回は第4回に引き続き、営業管理データベースの作成手順を紹介する。今までの内容を応用するだけで簡単に行先予定表や経費申請フォームなどが作れるので、皆さんもぜひ試していただきたい。
各課単位で利用できるページを作成
前回の記事では、営業支援データベースにスケジュール共有用の「Googleカレンダー」を表示する手順まで紹介した。そこで今回は、営業部全体の階層下に各課単位のページを作成することから始めよう。
作成例では営業1課のトップページとして、お知らせテンプレートを使った「営業1課へのお知らせ」、ガジェットの挿入による「営業1課契約件数」および「問い合わせ件数」、そしてGoogleカレンダーでの「営業1課スケジュール」を表示してみた。
ちなみに、スケジュールは一定以上のスペースがないとどうしても予定が見づらくなるため、営業部全体のトップページで一覧性の良い「2列レイアウト」を選んだのに対し、ここでは実用性重視の「1列レイアウト」を採用している。
契約件数推移の詳細バージョンを作成
次に、契約件数推移の詳細バージョンを作成してみよう。ここではスタイルシートをそのまま表示する方式を使っており、文字サイズやセルの色を変更するなど若干の装飾も加えている。なお、キャプチャを見ていただければ分かる通り、この方式でも表タイトルや凡例部分の日本語表示が文字化けすることがあるようだ。根本的な対策にはならないが、英語で表記するかセルに直接記載することで回避できる。
数式の入力は、Excelと同じように「Σ」と記載された数式ボタンをクリックし、合計算出用の関数「Sum」を選択する |
セルに関数が表示されたら、集計対象のセルをドラッグで指定。最後の「)」は入力せずにEnterキーを押しても自動入力される |
セルの右下にある「■」部分をドラッグすると連続したセルへの入力が可能になるなど、基本的操作はExcelと同じなので迷うことなく使えるはずだ |
グラフを挿入するにはドラッグでデータを選択し、「挿入」→「グラフ」を選択 |
グラフの種類を選択し、タイトルや軸のラベルなどを入力後に「グラフの保存」をクリック |
これでグラフが表示された。ちなみに再編集するには、グラフをクリックして左上に表示されるプルダウンメニューから「グラフを編集」をクリックする |
"「営業部全体」の下に置く"にチェックを入れた状態でページを作成し、スプレッドシートを挿入すればページが完成する。ただし、現状ではご覧のようにグラフ内の日本語が文字化けする場合もあるようだ |
こちらはタイトルと凡例をセルに直接記載した場合。根本的な対策にはならないが、このような対策で文字化けを一時的に回避することができる |
外出先からもアクセスできる行先予定表を作成
続いては、今までホワイトボードなどで行っていた行先予定表をGoogle Apps上で再現してみよう。Google Appsは、ネットワーク環境とモバイルPCさえあれば手軽にアクセスできるのが最大の魅力といえる。
例えば現地の打ち合わせ内容によって帰社時間が左右されるような時も、判明した段階で外出先から書き込むことが可能になるわけだ。終業時に最後の人が予定をクリアにし、翌日の始業時に全員が予定を書き込むような決まりを作れば効率的な運用が行える。また、行先予定表は全員が書き込むものなのでスプレッドシートの共同編集者に登録する作業を忘れずに行っておこう。
サイドバーを見やすく編集
「営業1課の階層下に作ったページがサイドバーに反映されていない」と気付いた人もいると思うので、ここでサイドバーの編集方法を説明しよう。
まずは「サイドバーを編集」から、「ナビゲーション」項目にある「編集」をクリックする。初期状態では表示されるページレベルが「2」になっているため、「3」もしくは「すべて」を選べばナビゲーションリンクが表示されるようになる。文字の折り返しが気になる場合は、先ほどのページから「サイトのレイアウトを変更」を選び、サイドバーの幅を調整しておくと良い。
経費申請フォームを作成する
最後に、社員からの経費申請が容易になる経費申請フォームを作成しよう。申請フォームはGoogleサイトの「リスト」テンプレートで作成することもできるが、入力内容がタイムスタンプと共にスプレッドシートへ自動入力されることを考えれば、Googleドキュメントの「Form」を利用した方が便利だ。
Formの使い方は第3回の情報収集用アンケート作成で紹介したため詳細な手順は省くが、このような形で経費申請フォームを作成する |
これが完成した経費申請フォームのページ。各項目は業務内容に応じて変更していただきたい |
Googleスプレッドシートのフォームの機能を拡張したい場合は、ベイテックシステムズが提供している拡張アンケートを利用すれば入力チェックや、確認画面やThankYouメールを送る事が可能だ。
データベースサイトというと、どうしても「作るのが大変そう」といったイメージが先行しがちだが、Google Appsを使えば短時間で簡単に構築することができる。情報共有が円滑化すれば、それだけ業務効率もアップするはずだ。共有するデータは自由に作成できるので、ぜひ日々の業務に役立てていただきたい。