ActionScriptを活用したデジタル時計の作成も終了した。今回より、このデジタル時計をパブリッシュしてWebに出力する方法をまとめていく。

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この連載を始めた当初に使用していたFlashは「CS4 Professional」だったが、2010年の春に「Flash Professional CS5」が登場した。そこで今回は、どちらのバージョンにも対応できるように、ふたつのバージョンでのパブリッシュ方法を紹介していきたい。今回のデータはこちらからダウンロードして欲しい(※FlashデータはCS4以上で開くことが可能)。

パブリッシュとは

FlashにはCS4以前からパブリッシュという機能が備わっている。これは、FlashのデータをWeb閲覧に適した形(SWF)にしてくれるだけでなく、ついでにそのSWF用のHTMLファイルを作成してくれるというもの。HTMLファイルでは、プラグインチェックやバージョンチェックのJavaScriptを出力する。

パブリッシュを実行する前に[ファイル]-[パブリッシュ設定]から見ていく

今回は、SWFとHTMLの出力をパブリッシュ機能で行う方法と、さらに、iPhoneなどのFlashが表示できないブラウザで見たときに、専用のメッセージを表示する方法を紹介しよう。

Flashが無い環境またはJavaScriptオフで出る専用メッセージ

パブリッシュ設定

パブリッシュで出力できるファイル形式には、SWF、HTMLの他に、プロジェクター形式(EXEなど)やGIF、JPEG、PNGがある。それぞれに、設定項目があるので、今回使用するSWFとHTMLについて重要なものを以下に取り上げた。

まず、[ファイル]-[パブリッシュ設定]で、出力するファイル形式だけをチェックし、ファイル名を指定しておく。特にデフォルトで構わない場合は、FLAのファイル名から自動で作られる。次にそれぞれのタブの中の設定を確認していこう。

パブリッシュ設定にあるファイル形式

Flashタブ

Flashタブで設定する項目はSWFの内容になる。

Flashにチェックすると出現するFlashタブ

Flash PlayerとActionScriptのバージョン

FlashPlayerと対応するActionScriptのバージョンについて下表にまとめた。どのASを使用して、どのバージョンで出力するかというのは、開発に着手する前に決めて置くことが重要だ。

Flash Player AS1.0 AS2.0 AS3.0
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Flashタブの中で、特に重要な項目については、さらに次回以降、掘り下げて解説していく。

伊藤のりゆき(NORI)
有限会社トゴル・カンパニー代表。ロクナナワークショップ講師。Flashアクセシビリティを得意とし、ライターとしてFlash関連書籍や雑誌記事の執筆を行うほか、AdobeTVでも解説。共著の「ActionScript3.0辞典」が発売中。また、先頃、写真家として初の写真集「Snap or Nothing写真集」(iTunes AppStoreにて)が発売された。内容のリクエストはTwitter(nori_togoru)まで。