前回に引き続き、今回もピボットテーブルの使い方を紹介していこう。今回は、作成したピボットテーブルをカスタマイズする方法を紹介する。項目の並べ替え、データの抽出、フィールドの追加、フィルターの活用、集計方法の変更など、データをさらに詳しく分析するときに必要となる機能なので、各機能の使い方をよく理解しておこう。
項目の並べ替え
ピボットテーブルには、「行」や「列」に並ぶ項目を並べ替える機能が用意されている。この機能を利用するときは、「▼」ボタンをクリックし、「昇順」または「降順」を選択すればよい。
ただし、漢字で表記されている項目を五十音順に並べ替えることはできない。漢字などの全角文字は「文字コード順」に並べ替えられる仕様になっている。今回の例の場合、「行」の項目を「昇順」に並べ替えても「大阪 → 東京 → 福岡 → 名古屋」という並び順になってしまう。
どうやらピボットテーブルは日本語対応が不十分なようで、日本語(漢字)の並べ替えには対応していない。仮にピボットテーブル内で「ふりがな」を指定しようとしても無視されてしまう。このため、五十音順に並べ替えるには、項目名をカナで入力しておくなどの工夫が必要となる。
また、五十音順に限らず、特定の順番で項目を並べたい場合もあると思う。このような場合は、項目名の先頭に「01、02、03、…」などの番号を付けておくのも一つの対策方法となる。
そのほか、マウスのドラッグにより項目を手動で並べ替える方法も用意されている。この場合は項目をクリックして選択し、「緑色の選択枠」をドラッグ&ドロップすればよい(マウスポインタが十字矢印のアイコンになった状態でドラッグ&ドロップする)。
このように、日本語(漢字)の項目名を並べ替えるには多少の工夫が必要になる。見やすいピボットテーブルを作成できるように、並べ替えのテクニックを一通り把握しておく必要があるだろう。
表示する項目の抽出
「行」や「列」に表示する項目を限定し、特定のデータだけを抽出することも可能だ。この場合は「▼」ボタンをクリックし、表示する項目のみチェックボックスをONにすればよい。
基本的には、通常の表におけるフィルターと同じ使い方になるので、この機能はすぐにマスターできるだろう。
行/列にフィールドを追加
「行」や「列」に新たにフィールドを追加し、階層構造のあるピボットテーブルにカスタマイズすることも可能だ。たとえば、行に「曜日」のフィールドを追加すると、以下の図のようなピボットテーブルを作成できる。
2つの要素(行と列)だけでなく、3つ以上の要素を比較しながらデータを分析したい場合に活用できるだろう。フィールドの追加/削除はドラッグ&ドロップにより直感的に操作できるので、実際に試してみれば使い方をすぐに覚えられるはずだ。
フィルターの活用
画面右側にある操作パネルには、「フィルター」という領域も用意されている。こちらは、ピボットテーブル全体について「集計するデータ」を限定する場合に活用できる。たとえば「曜日」ごとの集計結果を調べたい場合は、フィルターの領域に「曜日」のフィールドをドラッグ&ドロップすればよい。
すると、ピボットテーブルの上に「▼」ボタンが表示される。このボタンをクリックして「集計するデータ」を指定する。たとえば「土曜日のデータ」だけを集計したい場合は、ここで「土曜」の項目を選択すればよい。
もちろん、複数の項目を同時に指定することも可能だ。この場合は「複数のアイテムを選択」をチェックすると、各項目のON/OFFを自由に切り替えられるようになる。
集計方法の変更
最後に、集計方法を変更するときの操作手順を紹介しておこう。通常、ピボットテーブルは、各項目のデータを「合計」した数値を表示するように初期設定されている。
ただし、項目ごとにデータ数が異なる場合など、「合計」が最適な集計方法にならない場合もある。このような場合は、「Σ値」にある▼をクリックして「値フィールドの設定」を選択すると集計方法を変更できる。
たとえば、各項目の平均値でデータを比較したい場合は、集計方法に「平均」を指定して「OK」ボタンをクリックすればよい。
そのほか、各項目を割合で示す集計方法も用意されている。この場合は、集計方法に「合計」を指定し、続けて「計算の種類」タブで「総計に対する比率」を指定すると、各項目のデータをパーセンテージ表示に変更できる。
今回紹介した例のように、ピボットテーブルのカスタマイズ方法を覚えておくと、データをより詳細に分析することが可能となる。Excelを「データの分析ツール」としても活用できるように、ピボットテーブルの詳しい使い方をマスターしておくとよいだろう。