今回は、ピボットテーブルの作成方法を紹介する。ピボットテーブルという言葉を耳にしたことがあっても、「なんか難しそうなだな」と避けてきた方も多いのではないだろうか。ピボットテーブルは特に難しい機能ではなく、誰でも簡単に使える機能である。いちど使い方を覚えてしまえば色々な場面で活用できるので、この機会に試してみるとよいだろう。
ピボットテーブルとは?
まずは、ピボットテーブルの概要から紹介していこう。ピボットテーブルは「すでに作成されている表」を基に、様々な角度から分析を行うためのツールとなる。このように書くと難しそうに感じるかもしれないが、実際はそれほどでもない。実例を見ながら仕組みを理解していけば、すぐに使い方をマスターできるはずだ。
それでは、具体的な例を使って紹介していこう。ここでは、以下の表を使ってピボットテーブルを作成する。この表は、あるイベントに参加した人の数をまとめたもので、
・日付 ・曜日(土曜/日曜) ・会場(東京/名古屋/大阪/福岡) ・開始時間(10時~/14時~/18時~)
といった4つの要素(列)について、それぞれの参加人数をまとめてある。
この例のように、3つ以上の要素が絡むデータを分析するときにピボットテーブルが役に立つ。逆に考えると、以下の例のように要素が2つ(年と店舗)しかないデータは、「ピボットテーブルを作成しても意味がない」ということになる。
ピボットテーブルの作成手順
それでは、先ほど示した表を使ってピボットテーブルを作成してみよう。表内にあるセルを1つだけ選択し、「挿入」タブにある「ピボットテーブル」をクリックする。
すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは「基となる表のセル範囲」と「配置場所」を指定する。「基となる表のセル範囲」は自動的に指定されるので、通常はそのまま「OK」ボタンをクリックすればよい。
新しいワークシート(Sheet2)が自動的に作成され、そこにピボットテーブルが配置される。ただし、最初は以下のような画面が表示されるだけで、ピボットテーブルはまだ作成されない。
続いて、ピボットテーブルの「行」と「列」に配置するフィールドを指定していく。画面右側を見ると、基の表にあった「列見出し」がフィールドとして一覧表示されている。この中からピボットテーブルの「行」に配置する要素をドラッグ&ドロップで指定する。今回の例では「会場」のフィールドを「行」に指定した。
同様の手順で、ピボットテーブルの「列」に配置する要素を指定する。今回の例では「開始時間」のフィールドを「列」に指定した。
最後に、集計するフィールドを「Σ値」に指定する。このフィールドは「数値が入力されている列」を指定するのが基本だ。今回の例の場合、「参加人数」のフィールドを「Σ値」にドラッグ&ドロップすればよい。
以上でピボットテーブルの作成は完了。ここで示した例の場合、行に「会場」、列に「開始時刻」を指定したピボットテーブルが作成される。そして、それぞれの項目について「参加人数」の合計を自動集計した数値が表示されることになる。
このピボットテーブルは、それぞれの「会場」と「開始時刻」について、「参加人数」がどのように変化しているのかを比較・分析する場合に活用できる。
行/列に表示するフィールドの変更
ピボットテーブルの利点は、「行」と「列」に配置するフィールドを自由に変更しながら分析を行えること。たとえば、行に配置していた「会場」のフィールドを「日付」に入れ替える、などの操作を手軽に行うことが可能である。
「行」に指定したフィールドを解除するときは、そのフィールドをドラッグ&ドロップして一覧に戻せばよい。続いて、新たに配置するフィールドを「行」にドラッグ&ドロップする。同様の手順で「列」に配置するフィールドも自由に入れ替えることができる。
上図のように操作を行うと、「行」のフィールドを「会場」から「日付」に置き換えたピボットテーブルを作成できる。
「行」や「列」に日付データを指定した場合は、月などの単位にまとめた形でデータが集計される。もちろん、「+」ボタンをクリックして個々のデータを展開表示することも可能だ。
このピボットテーブルは、それぞれの「日付」と「開始時刻」について、「参加人数」がどのように変化しているのかを比較・分析する場合に活用できる。
もちろん、「行」または「列」に配置するフィールドを変更すれば、別の角度からデータを比較・分析していくことも可能となる。
このように、いくつもの要素が絡み合うデータを比較・分析するときに、ピボットテーブルが便利に活用できる。最初は少し戸惑うかもしれないが、いちど慣れてしまえば、その便利さを実感できるだろう。
そのほか、ピボットテーブルには、指定したデータだけを抽出したり、集計方法を変更したりする機能も用意されている。また、今回の例で、会場が「大阪、東京、福岡、名古屋」という順番に並べられていることを気にする方もいるだろう。
これらについては、次回の連載で詳しく解説する。合わせて確認しておくとよいだろう。