「条件付き書式」には、データバーと呼ばれる機能も用意されている。この機能を使うと、各セルの数値をセル内に棒グラフをで示すことが可能となる。数値の変化を視覚的に把握したい場合に活用できる機能なので、基本的な使い方やカスタマイズ方法を学習しておくとよいだろう。
[ホーム]タブを使ったデータバーの指定
まずは、データバーを手軽に描画するときの操作手順から紹介していこう。[ホーム]タブにある「条件付き書式」には、データバーを描画するための項目も用意されている。この機能を使ってデータバーを描画するときは、以下のように操作すればよい。
最初に、データバーを描画するセル範囲を選択する。続いて、「条件付き書式」をクリックし、「データバー」の項目から色を選択する。
以上で、データバーの指定は完了。各セルの数値データが棒グラフで示されるようになり、数値の大きさを視覚的にわかりやすく表示することが可能となる。手軽に指定できるので、すでに利用した経験がある方も多いであろう。
ちなみに、データバーは「条件付き書式」の一種となるため、「条件付き書式」→「ルールのクリア」でデータバーの表示を解除することができる。こちらも合わせて覚えておくとよいだろう。
データバーの書式を指定する場合は…?
先ほど示した方法は手軽にデータバーを指定できるのが利点となるが、いくつか欠点もある。
一つ目の欠点は、棒グラフで示す数値の範囲を自由に指定できないこと。たいていの場合、棒グラフは「0」~「セル範囲内にある数値の最大値」の範囲で描画されるが、この範囲が必ずしも適切とは限らない。棒グラフの範囲は自動的に判断されるため、どのような範囲で棒グラフが描画されるかは実際に試してみるまでわからない。状況によっては、棒グラフの変化が小さく、数値データの推移を読み取りにくい場合もあるだろう。
二つ目の欠点は、棒グラフの書式が6色×2パターンしか用意されていないこと。この問題もデータバーの書式を自分で指定することで解決できる。データバーの書式設定画面を開くと、棒グラフの「塗りつぶし」と「枠線」を自由にカスタマイズできるようになり、より見やすいデータバーに仕上げることが可能となる。
それでは、データバーの書式を自分で指定するときの操作手順を解説していこう。まずは、データバーを描画するセル範囲を選択し、「条件付き書式」→「新しいルール」を選択する。続いて、条件を指定する画面が表示されるので、書式スタイルに「データバー」を選択する。
すると、以下のように設定画面が変化し、データバーの書式を細かく指定できるようになる。棒グラフで示す数値の範囲は「最小値」と「最大値」の項目で指定する。2,500,000~4,000,000のように範囲を数値で指定するときは、「種類」に「数値」を指定し、その下のボックスに最小値と最大値を数値で入力すればよい。
続いて、棒グラフの書式を指定する。「塗りつぶし」の項目では、「棒グラフの色」と「単色/グラデーション」を指定する。「枠線」の項目は、「枠線なし」を選択するか、もしくは「枠線(実線)」を選択して色を指定すればよい。
最後に「OK」ボタンをクリックすると、データバーの書式指定が完了する。このようにカスタマイズしてからデータバーを描画すると、変化が小さい数値データも見た目にわかりやすくグラフで示すことが可能となる。データバーをより効果的に活用する方法として覚えておくとよいだろう。
負の数を含むセルのデータバー
データバーは、負の数を含むセル範囲にも指定できる。この場合、0の位置に点線が表示され、数値に応じて左右に伸びる棒グラフが描画される。
負の方向に伸びる棒グラフの書式は、「負の値と軸」ボタンをクリックすると指定できる。この設定画面では、「塗りつぶし」と「枠線」の書式、軸の表示方法などを指定できる。
あまり利用頻度は高くないが、数値データの増減を視覚的に示したい場合に便利に活用できるので、こちらの指定方法も覚えておくとよいだろう。