夏休みまっさかりですねー。ということで、今回は、ちょっとその気になれば楽しめる、科学ネタあれこれをご紹介しちゃいましょう。星や流れ星の観察、科学イベント、プチ実験。読むと楽しい本などでございます。ワタシ自身が引きこもりぎみなので、それでもやれる、お手軽なものをならべました。

1. ペルセウス座流星群をみよう

今年2015年はペルセウス座流星群のアタリ年。ピークは8月13日と14日でございます。なぜ、アタリかというと、流星観察の大敵の「月」が見えない(ほぼ新月)からで、これはだいたい3年に1度なんですねー。

で、観察のしかたは、第2回でご紹介した通り、道具もなにも必要なく、手軽に観察できるので、オススメでございます。

でペルセウス座流星群の流れ方にはこんな特徴があります。夜半までは、長く光の筋が見える。数は少ない。一発一発がすごいって感じですね。明け方に近づくと数が増えていきます。3~5倍くらいですかね。そのかわり一発の光の筋は短めになります。

2. 双眼鏡を星空にむけてみる

双眼鏡を星空にむけてみましょー…で、なにがイイかというと。

  1. まず、見える星の数がグッと増えます。都会でも結構、星が見えますよ
  2. 星の色がハッキリします。特に赤い星がわかりやすくなります。赤くて見やすい星の数はそんなにないので、さがしてみましょー

双眼鏡を使うときのちょっとしたコツは3つ。

  1. ピントをあわせること。乱視でない場合は、メガネをはずしたほうがみやすいです
  2. 目のはばにできるだけあわせること。そのために、つなぎ目が広がったり縮んだりするようになってます
  3. ワキをしっかりしめて、グラグラしないようにみること

これを実践すると、そうでないときにくらべて、かなーり見やすさが向上しますよー。

なお、頑張って双眼鏡を買うぞという場合は、売値で1万円以上を目安にしてください。定価じゃなくて売値ですよ。店頭で試せる場合は、持ってみて重すぎないものを。軽すぎるのはオモチャですので、そこはご用心。でも、今持っているのがオモチャであっても、試してみてくださいねー。

3. 科学イベント、展示会に参戦

全国の科学館では、夏休みむけにイベントをやっているところが、かなりあります。子供向けとバカにしないでいくと、これが結構おもしろいですよー。

また科学館のないところでも、イベントがいろいろ。「青少年のための科学の祭典」というのが、これまたおもしろいです。たいてい無料なのも嬉しいところでございます。

青少年のための科学の祭典のWebサイト

4. プチ実験:ソーダ水に干しブドウをぶち込む

暑いので炭酸飲料ラブな時期でございますが、飲む前に、干しブドウをいれてみてください。浮いたり沈んだりとなかなか楽しいのでございます。もちろん、紙とかアルミはくとかでもやれるんですが、そうすると…後で飲めなくなりますからね。食品でやりましょー。

5. プチ実験:コンビニ弁当の透明フタを、オーブントースターで熱して遊ぶ

定番ですねー。

オーブントースターにアルミ箔をしきます。そこに、10cm角程度に切った、コンビニ弁当とかホカ弁の透明のフタをいれ、加熱してみましょう。すると…おお、縮むじゃあーりませんか。加熱が終わったら、やけどに注意しながらとりだしてみましょう。

製品では、「プラ板(バン)」の薄いもの(0.3mmとか)を使うと確実です。プラモデルを売っているとこなら、たいていおいていますよ。

油性のマーカーで絵を描いておくと、それも縮んで楽しいですよー。

ビジュアルな解説は、こちらのWebサイトなんかがよいですね。節約術? うんまーそーかな。

6. プチ実験? ホームベーカリーでパンを焼く

家にある人なら、体験済みでしょうから、ない人むけです。

ホームベーカリーでのパン作りは、とってもカンタンですよ。オマケに安くおいしいパンがつくれるのもオススメ。もちろん、実験要素があります。パンには、イースト菌による発酵という過程があって、それが観察できるのがおもしろいのですよ。3~4時間かかるので、朝仕込んで(ただ材料の重さをはかって順番にいれるだけ)、昼みるとスゲーってなもんです。いいにおいがしますよー。

ここでは安上がりコースで初期投資をみますね。ホームセンターで、1斤タイプの安いホームベーカリー、のぞき窓が大きいのが楽しくてオススメ5000円くらい。電子はかり2000円くらい。あとは、消耗品で、水、バター、砂糖、塩、ここまではなんとでもなりますな。小麦粉の強力粉、ドライイースト(小分けのがよい)、スキムミルク(小分けのがよい)。たいていのスーパーにおいてますよ。材料費は1000円もかからんですな。1回ぶんじゃないですよ4回分。しめて1万円くらいです。プリンターより安い! もちろん2回目以降は、初期投資の大部分がいらなくなって、消耗品だけになります。

7. 楽しい本。増田まもる(守)さんが翻訳している図鑑と本がオススメ

増田まもるさんはSFなどの翻訳で有名な方でございます。が、この人の翻訳している図鑑や書籍が楽しいのですよ。新しい順で…。

  • 東京書籍「まぎらわしい現実の大図鑑」:アンドレア・ミルズ(3024円)
  • 東京書籍「信じられない現実の大図鑑」:ドーリング・キンダースリー(3024円)
  • 東京書籍「もしも月が2つあったなら」:ニール・F. カミンズ(2268円)
  • 東京書籍「もしも月がなかったら」:ニール・F. カミンズ(2376円)

同じようなタイトルの本はいろいろあるのですが、増田さんの翻訳は、読みやすく、正確で、原作のウィットもよく伝え、アタリがよいので大オススメなのでございます。なお、増田さんは、SFやホラー系の翻訳もたくさんあって、うっかりそちらを読むと、ヒーになる人もいるかと思いますので、ご用心あれ。いやおもしろいのではありますが。

ではでは、たまーにサイエンスしながら、夏を楽しくおすごしくださいませー!

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。