宇宙には予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで色々おこります。「素人でも手軽に関われる」宇宙についてのあれこれを、サクっと紹介する恒例の「宇宙、どうでしょう」。2025年前半1~4月の星空をご紹介!
なお、天文現象を1年分紹介している年鑑の類が、毎年刊行されています。ネットやアプリも年々便利になっています。一方、紙の本もまだ捨てがたい一覧性と情報量があり、ここでは書き切れない内容がいっぱい。手帳タイプの1000円くらいから月替わりのカレンダータイプ、そしてDVD・ソフトつきムックで3000円くらいまでですね。それぞれの特徴は、この記事の最後にまとめておきましたので、参考にしてくださいませー。
なお、今回も星空の作図は、天文ファンには定番のWindowsアプリ、アストロアーツ社のステラナビゲータを使っています。
星空情報1・2月
冬の星に、火星と木星、金星が加わりにぎやかです
2月7日ごろの夜8時の全体の星空を描いてみました。名前がつけてある星は大都市の都心でも見られますよ。目立つのは、月の横の木星、火星、シリウス、オリオン座ですね。西の空には金星も非常に明るく輝いています。
火星は1月12日に地球接近、赤い星が空に目立つぜ!
地球の外側の軌道を動く火星は、地球に追い抜かれるたびに、火星と接近します。追い抜きの時にサイド・バイ・サイドで接近ってわけでございますな。
ただ、接近度合いは、年によって違い、今回は割と離れた状況での接近です。それでも、下のグラフのように平素よりも火星の明るさはグンと上がり、目立っております。
2月10日の夜明け前には、火星と月が大接近
北海道~九州北部では火星食になります。夜明け前3時の、東京の西北西の空のイメージです。
寒いでしょうが、早起きして見てみたいですなー。
木星も金星もぴかぴか。スマホでスナップ写真を
木星や金星もぴかぴかです。オリオン座のあたりの<冬の星>も明るいものが多いので、なにしろ、映えます。
ちなみに、iPhone 13くらいから、手持ちでも星が良くうつるようになりましたので、ちょっと空に向けて撮ってみてもよいと思います。レンズをセロテープなどであえて曇らせて星をにじませて撮るなんてテクニックもあるようですよ。
もちろん、三脚などに固定して撮影すると、さらに星はよく写ります。お試しあれ。
星空情報3・4月
4月5日の夜8時にしてみました。
火星は遠ざかって暗くなるのですが、月とふたご座の星とならんでおもしろいですな。
まだ冬の星は見えますが、すこし位置関係が変わってきます。木星はまだ目立ちます。金星は見えなくなっています。実は太陽とほぼ重なる方向で見えません。
北斗七星が空高くのぼっていますが、都心では7つ見えず、真ん中の星が抜けてへ みたいな形が印象的になります。
3月14日 日本では見えない、地球のうらがわで皆既月食
アメリカで皆既月食です。日本ではかすりもしませんが、中継サイトとかで見られるかもー。TIMEANDDATEというサイトで、見えるエリアやシミュレーションが見られます。
3月29日はヨーロッパの大西洋がわで部分日食
NASAがどこで見られるかなどの図を公開していますので、ごらんください。アイスランドのあたりが大きく欠けますが、ロンドンやパリでも結構見ごたえがある部分日食です。年度末に欧州にいらっしゃる方はチェックです。
TIMEANDDATEのページはこちら。
4月13日 大阪・関西万博開幕
世界のお宝、最新のテクノロジーが大集合! 大阪・関西万博が開幕です。まだ情報があまりなのですが、星空がらみだとイタリア館でファルネーゼ・アトラスという、星座図の元祖みたいなイタリア国宝クラスのお宝がやってきます。日本初公開。星座界隈でも仕事をしている東明ももちろん見たことはございません。楽しみ―。
また、日本も未来の月面ロボットとか展示するようですね。期間が決まっているかもなので注意が必要です。
「火星の石」もこの[連載の第292回}(https://news.mynavi.jp/techplus/article/dokodemo_science-292/)で話題にしました。あの、これリアルにスゲーお宝なので、ぜひ見てほしいですよ。
あと、このあたりだと、明石市立天文科学館や、大阪市立科学館、バンドー神戸青少年科学館、京都市青少年科学センターなど、全国でも有数の科学館が電車で1時間以内の範囲に集まっているので、万博とあわせて訪れるのもよいですな。いや、ユニバーサルスタジオもいいですけどね。
天文情報に特化した年鑑類
天文手帳 (1,200円+税)
手のひらサイズの手帳に、小さな字で毎日の月の出入り時刻や見所など星空情報がぎっしり。ミニ星座早見もついています。値段据え置きがうれしい。
天文年鑑 2025年版 (1,500円(税込))
天文年鑑のスタンダード。星空情報のほか、各種のデータが豊富。天体観測を趣味とする人向けの編集。正直マニアック。ハンディサイズ。電子書籍も出ています。
藤井旭の天文年鑑2025 (990円(税込))
ハンディサイズでやさしい表現の天文年鑑。タイトル著者の藤井さんは亡くなられましたが、遺志をついで関係者の手で継続されています。
アストロガイド 星空年鑑 2025 (3,000円(税込))
PC&Mac用ソフト付き(ダウンロード権あり)のムック。Mac用の天文シミュレーションソフトは希少なのでこれはよいですよ、大判かつカラー版。
天体観測手帳2025 (1,400円+税)
基本は手帳で、それに天体観測のためのデータとガイドが載っている。カラー図をたくさんという体裁。小型望遠鏡までで見やすい現象、トピックが紹介されている。
太陽・月・星のこよみ (2,200円(税込))
大判の月めくりのカレンダー。毎日の月の形や、天体現象などが記載。通販で入手できます。大手書店のカレンダーコーナーや科学博物館のショップなどにもあることあり。
天文宇宙検定カレンダー (2,200円(税込))
毎年行われている「天文宇宙検定」から発行されているカレンダーです。A4×2のサイズなので、いろんなところにひょいとおいて使えますね。直販だとチョイ安いようです。
JAXAカレンダー (1,650円(税込))
JAXAのカレンダーで、データなどは特にないのですが、ご紹介。ロケットカレンダーもありますよ。