2024年12月8日夕方6時すぎ、日本の「半分の地域」で土星食が見られます。

はい、土星が、月に隠される現象ですね。

土星食そのものは、チョイチョイあるのですが、観察しやすい時間帯がグッドです。日本で夜の土星食は17年ぶり、次回は13年後です。ぜひチャレンジしてください。

なお「見えない半分の地域」の方がむしろ観察していてもおもしろいかも。

ということで、楽しみ方をご紹介いたします。

今のうちカレンダーに入力して、忘れないようにするのが吉でございますよー。

まあ、ともかく見ましょう土星食

12月8日午後6時~7時・南~南西の空を見るのよ。

土星食は、天空で次第に月が土星にせまっていき、隠され、また月の背後から現れるというオーバーテイクなできごとでございます。

あ、月は誰でもわかるでしょうから、どこそこにといわなくても問題ないわけですが、南~南西の空に見えます。時間は6時~7時ですが、場所によっていろいろなのであとに表をつけますね。

あ、そうそう、今回、土星食が見られるのは、国立天文台の暦計算室のシミュレーションによると図のとおりです。赤い線の右下、南東がわで土星食が見られます。東京や大阪、仙台では見られますが、札幌や福岡では見られないということでございます。

  • 2024年12月8日の土星食シミュレーション

今回12月8日に起こる土星食は、東京では隠されるのが40分間ほどですが、隠れているときは土星が見えず、月だけになっちゃうのでいまいちでして、むしろ、隠される「前」と、月の向こうから「出てくる」それぞれ数分間がドラマチックです。

望遠鏡や双眼鏡で見ると、変化が拡大されておもしろいのですが(こちらとかこちら)。

また、日本公開天文台協会が各地の天文台による中継のまとめをやっています。観望会も開かれるようですが、まあ、近くになければ中継が吉でしょうね。

ですが、土星食は、肉眼でも、十分楽しめます

特に土星食の前後1時間くらいは、月と土星がならんでいて距離が変化していく様子が楽しめるのですが、これは望遠鏡の拡大したために狭くなる視野では楽しめません。むしろ肉眼の独壇場です。

さらに、見え方のヒントになると思いますので、タイムラプスで撮影して合成するとこんな感じだよってのを天文シミュレーションソフトのステラナビゲーターでお示しします。こういう写真、カメラやスマホを三脚で固定し、5分ごとシャッターを切れば撮れますよ。まあ、動画でもよいわけでございますが。バッテリー干上がらないように用意してくださいね。

  • 東京で17時~20時まで5分ごとに撮影して合成した様子のシミュレーション

    東京で17時~20時まで5分ごとに撮影して合成した様子のシミュレーション

すれすれ隠れない土星食?? もまた楽しい

釧路、十和田、秋田、能登の珠洲・輪島あたり、豊岡、岡山、新居浜、宇和島、延岡、都城、指宿が特に楽しい。

珠洲で1分ごとの位置を見ると、土星の半分だけが隠れるのがわかります。

  • 珠洲付近の土星食の想像図

で、今回、福岡や札幌、広島、鹿児島などでは土星食にならないのですが、すれすれならないのもそれはそれで楽しいです。なにしろ「隠れている間はつまんない」土星食が隠れないわけですから。ほれ、飛行機の曲芸でもギリギリでちょこっと隠れてすれ違うのがオモシロイじゃないですか。それが能登半島の珠洲などで、札幌や福岡ではギリギリで隠れないという感じになり、これもまた一興です。

ちなみに、いつも私が使っているステラナビゲーターというソフトでシミュレーションした動画をアストロアーツさんが発表しています。これ、どうやってんのかなー。岡山の状況はこちらです。うーん望遠鏡で見たいぜ。

で、これは肉眼でも同様なんですね。土星にぐんぐん迫る。でも隠れなーいというのもそれはそれでおもしろいです。超絶ゆっくり現象が進みますので、タイムラプス撮影とか、比較明合成がおもしろいですな。フリーソフトの「しりうすこんぷ」なんかおすすめです。まあPhotoshopでもやれますけど(ぐぐってね)。

各地の土星食の時間

国立天文台の暦計算室のWEBの「惑星食各地予報」で好きな場所の状況を調べられます。そこから主要なところをピックアップしておきますね。

  • 土星食の各地予報

    土星食の各地予報

というわけで、ぜひ、みなさん楽しんでくださいませー。