2014年の宇宙、どうでしょう?、ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回と次回の2回に分けて、7月~12月の下半期分でございます。10月には皆既月食があるなどなど、大ネタもありますよ!
宇宙にかかわるできごとは、予測が秒単位でできるものから、いきなりやってくるものまで、いろいろでございます。ってなお話を、以前にもご紹介しております。今回は、予想できる未来の宇宙2014年下半期、7月~12月分でございます。
前回とスタンスは同じで、ファンってわけじゃないけど、たまには空を見るかな。話題になったら、気になるかなという「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを紹介しちゃいます。
7月~8月
今年の夏の空はなかなかにぎやかです。都会でも空をみると、明るめの星が7~8個見えています。
星を見るポイントは「何月の何時ごろに見るか」です。太陽や月と同じように、のぼったりしずんだりで、どんどん動いていくからですねー。
で、この時期の夜8~10時ごろだと、ざっとこんな感じ。
1: 東の空の「夏の大三角形」の白い星3つ、おりひめ・ひこぼし・デネブがあります。
2:頭上高くにオレンジ色の星のアークツルス。
3:南東低くに、赤い星アンタレス。
ここまでがレギュラー陣、毎年この時期には必ず見えています。そして、
4:レギュラー陣に加わっているのが、南の空の土星と火星。です。
なんだかわからなくても、そんなのが見えているんだ。で充分でございます。たぶん、おりひめさんだよ。でいいんです。あんまり間違っていないんですから。
3つの大きな白い点が夏の大三角形。上の白いのが「ベガ(こと座)」、左の白いのが「デネブ(はくちょう座)」、右の白いのが「アルタイル(わし座)」。おりひめは「ベガ」、ひこぼしは「アルタイル」のことを言います (C)群馬県立ぐんま天文台 |
ただ、土星と火星はどれがどれかわかりたいですな。それなら、いい日があるんですよ。火星は南、土星は火星の左にあるんですが。月がそこに近づいてきます。
- 7月6日は、火星のそばに、月があります。
- 7月8日は、土星と月がならびます。
- 7月上旬は、火星とスピカという白い明るい星が近付いています。2つの明るい星がならんでいるなら、赤いのが火星で、白いのがスピカです。
- 7月14日は、火星とスピカが一番近づきます。以降は遠ざかっていきます。
- 8月3日には、火星と月がふたたび近づきます。
- 8月4日には、土星と月がかなーり接近します。
- 8月31日は、火星・土星と月がぜんぶが接近します。
月といえば、8月11日は、今年一番大きく見える満月です。平均の1割増しです。ぱっと見大きく見えるほどではないと思いますけど。「スーパームーン」という言い方がちょっと広まっています。正式な用語ではないんですけどね。
8月13日は、ペルセウス座流星群の極大日です。夜10時~明け方まで、最大で通常の10倍の流れ星が流れます。1時間に50個といったところ。月がまぶしくて、観察条件は都会でも田舎でもあんまり差がありませんので、町の中からでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。また、ご紹介しますねー。
7月19日から、千葉の幕張で「宇宙博」がはじまりますね。宇宙機マニアはチェック済みでしょうね。全体にマニアックな展示会になるもよう。9月23日まで。
7月25・26日には、神奈川の相模原にある、JAXA宇宙科学研究所の特別公開日です。はやぶさ探査機のふるさとですね。毎年数万人が押し寄せるという大人気イベントですな。
8月23日には、長野県・野辺山にある、国立天文台の野辺山宇宙電波観測所の公開日です。45mの巨大なパラボラアンテナは、宇宙からの電波をキャッチしています。そばで見ると迫力ありますよー。
8月30日は、岡山県の倉敷と岡山の間にある、国立天文台岡山天体物理観測所の公開日です。クラシックな巨大望遠鏡がしぶい施設です。
7月くらいから、ロゼッタ探査機が話題になりそうです。史上初の、彗星への着陸を敢行するため、彗星への接近をします。予定では7月23日の最終軌道修正で距離4100kmと、気象衛星ひまわりと地球の距離の10分の1まで接近します。着陸は11月予定です。ロゼッタ探査機の関係写真はこちら。話題が多い探査機なので、そのうちくわしくご紹介しますねー。
次回は9月~12月までの話題をご紹介します。
著者プロフィール
東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。