2023年3月2日前後の「#金星木星祭り」の紹介記事も結構読んで楽しんでいただけたようで、なによりでございます。YAHOO(!)やNHK(!)でも紹介されたらしく。“#金星木星祭り”で、SNSでもたくさん写真やコメントを見られて私も楽しませてもらいました。ありがとうございます。

あのような見え方は、次は3年後なのですが、今月中に「おかわり」があります。金星と三日月の接近です。さらに九州南部から沖縄まで行くと、レアな金星食になります。金星食については見られる場所が限られるのであとでお話しますね。

  • 図は3月24日7時すぎの空の様子

    図は3月24日7時すぎの空の様子。金星と三日月を双眼鏡で見ると、うーん美しい

金星と三日月の接近を楽しもう

まずは、見方から。2023年3月24日金曜日夕方です(表を参照ください)。方向は西。

日の入の10分後にはもう見えます。月が見える限り楽しめますがだいたい20時すぎまでです。19時15分ぐらいがいいですかね。

そして、晴れてさえいれば、見れば、すぐにバッチリ、わかります。

肉眼で十分楽しいですが、双眼鏡くらいがよりよく、望遠鏡の20倍くらいの低倍率も楽しいです。バードウォッチング用の望遠鏡は20倍くらいですのでちょうどよいかもですな。また、カメラの望遠レンズで見るのもよいです。“#金星木星祭り”よりもちょいと拡大目で見るのが楽しい感じです。

そして、見たら「#金星と三日月」でSNSでつぶやいてください。

美しさという点では、夕焼けと一緒に見られる日の入り30分までと、むしろ暗くなってからの1時間くらいがいいかなというところです。そして、金星と三日月は徐々に近づいていきますので、リミットになる月の入りの30分前が最も「トルコの国旗」っぽく見えます。

各地の日の入り、月の入りの時刻と、30分後、月の入り30分前を表にしておきます。観察を検討する目安にしてください。19時15分くらいが全国どこでもOKぽいですな。

  • 金星と三日月の接近が楽しめるポイントになる時刻

    表.金星と三日月の接近が楽しめるポイントになる時刻

金星と月の接近は珍しいのか? いや月に一回はありますけどね

さて、金星と月の接近は、木星みたいに「300日または420日ごと」ではなく「月に1回」あります。月は地球の周りを一月で一周するからですな。珍しくないじゃん。

ただし、金星が夕方に見えるのは、1年ごとに数ヶ月です。今年はすごく条件がよく、2月~7月くらいに見え続けますが、昨年はほぼアウトでした。来年は9月~年末が条件がよいです。つまり、1年に数回チャンスがあるかどうかという感じなんですな。

沖縄などでは、さらに珍しい金星食が見られます

さて、金星と月の方向が一致すると、金星が月に隠される「金星食」になります。金星の軌道と月の軌道は「ほぼ同じ」ですがズレているので、金星と月の軌道が交差する場所でしかおきません。つまり、接近なら月に1度だけど、金星食は年に1~3度くらいです。

さらに、月は意外と地球に近いので、地球から見る場所によっては金星食になりません(図のとおり)。また、金星食になるときには月が沈んでいてももちろん見えません。今回沖縄では金星食だけど、本州ではならないのはそういうことなのです。

  • 金星食の原理

金星食は、場所によって見える時間が違います。正確には国立天文台の暦計算室のサイトを使ってみてください。また、金星が月にかくれるには数十秒かかります。

ちなみに那覇ではかくれはじめが20時56分24秒、かくれおわりが20時56分57秒。

石垣島では、20時53分25秒と55秒。一方鹿児島市では、21時9分2秒、10分25秒です。日本国内ではどこもかくれた状態のまま月が沈みます。ともあれ、観察出来る人はぜひ、見てほしいですねえ「#金星食」でつぶやいてほしいなあ。見たいなあ。私、沖縄行き(鹿児島も)ちょっと無理ですので。

肉眼でみると、金星と三日月がくっついていてとても美しいです。

さらに、望遠鏡で見ると、こんな感じです。視野1度ですので50倍くらいですね。

  • 2023年3月24日の沖縄・那覇での望遠鏡で見た場合の金星食の経過イメージ

    2023年3月24日の沖縄・那覇での望遠鏡で見た場合の金星食の経過イメージ

ちなみに次の金星食ですが、北海道の一部では2029年10月11日に見え、本州では2036年の9月17日(昼間)です。

いずれにせよ。いい天気を望みたいですねー。