2021年11月19日(金)夕方6時前後、今年2回目の月食が見られます。
見えるのは東の低い空で、そちらが開けていれば、マンションやオフィスの窓からでも観察できます。
なお、今回の月食は部分月食ですが、非常に珍しい“深い”部分月食でございます。
金曜日の仕事終わり。ちょっと東の空に注目してみませんか。
月食の原理:満月の時にだけおこる
ということで月食でございます。
月食は、地球の影に月が入るできごと。必ず満月の時に起こる現象です。まあ、地球の影は太陽の反対にのび、満月は太陽と反対方向に月があるのですから、当たり前といえば当たり前ですな。半月が月食ってえのは、ないわけです(図)。
なお、満月が半月になるにはだいたい一週間かかります。月は満ちかけし形がちがって見えるのですが、月食では3時間あまりの間に、満月が欠け、また元の満月に戻る様子もみられます。このダイナミックな変化が月食の醍醐味です。
月食の原理は、以前の連載でも詳しく紹介していたのでした。
月食を楽しむ日時、方向-時間は午後6時±1時間半、方向は東
今回の月食は、16時18分41秒~19時47分4秒の3時間28分23秒間起こります。実際はその前後であっても、半影食といって欠けているように見える時間がプラス数分はあります。午後4時すぎから、8時前、一番いいのは6時、±1時間半はOKと思っておけばよいですな。
なお、今回、東京をふくむ日本の西半分以上は、欠けた状態で月が昇ってきます。東北や北海道では欠けはじめから見られます。月食は世界一緒の時間なんですが、月が昇る時間は差があるからですな。ちなみにカリフォルニアなどアメリカの西海岸では、明け方に月が欠けたまま沈んでいきます。月食の全経過がよく観察できるのは、ハワイです。ハワイからも月食の中継があるようなので、ぜひ楽しんでみてください。
月食を楽しむ道具と見所(大きく欠けた時の赤っぽい月) - 道具なしでもOK
月食は何の道具もなくとも結構たのしめます。ステラナビゲーターという星空シミュレーションソフトで、月食の遠景を作成してみました。赤っぽい月が中空に見えるだけでちょっと萌えですな。
写真に撮るには
タイムラプスがなんといっても楽しいです。スマホやタブレット、もちろんカメラを固定して撮影してはいかがでしょうか。ピントがうまくあわないことがよくありますが、明るい遠景をあえて一緒に写しこむと、ピントが無限遠にあってくれます。
もちろん、露出をマニュアルでコントロールできればそれが一番たのしいですな。月の明るさは日中の砂浜の10分の1くらいなので、まあ通常でISO100で100分の1秒でシャッターを切る感じですかね。あえて、ガシガシに露出オーバーでも楽しいです。前に紹介したものですがこちらのNASAのサイトに紹介されている動画などは、すばらしいですよー。
双眼鏡や望遠鏡で
双眼鏡や望遠鏡で拡大して見るのも楽しいですな。双眼鏡は「なんでもよい」のでこの機会にちょっと探して手元に取り出せるようにしてみましょう。
望遠鏡もしかりで、押し入れにしまってあるやつを引っ張り出してみてください。あらかじめ地上の景色で好きなところの向ける練習やピント合わせの練習をしておくとよいです。
アップで見ると、このNASAの写真のような感じの月が見られます。
ところで今回は珍しいんですって?
今回は月が地球の影に隠れきらない「部分月食」です。NASAの表を見ると、「Partial」と書いてあるのがそうで、2021-2030年の10年間で、Total(皆既)が9回、Partial(部分)が7回、部分にもならず、地球の影がうっすらかかる Penumbral(半影)が6回でございます。なおPartialのなかで、月が半分以上欠ける(0.5以上)が3回。0.9以上は2回です。1になると皆既なので、このギリッギリなのは10年で2回ということなのですな。月食は16回あるのでなかなかレアなわけです。
うーん、デスクから離れられない、電車だ、曇りだ - ネット中継ですな
ハワイをご紹介しましたが、ネット中継はいろいろあります。
特に公開天文台協会がまとめているのがよいようです。
海外のものもハワイ以外にもカリフォルニアなどもありますのでチェックしてみてください。
では!