毎年、決まった時期に、流れ星の数がブーストする流星群。その中でもキングクラスなのが、8月13日ごろにピークを迎えるペルセウス座流星群です。毎年見られるのですが今年2021年は天文ファンの間で「絶好条件」といわれています。ツキがないからだそうです。どっちやねん? 楽しみ方をご紹介しましょー。

流れ星を見るなら、8月13日前後か12月14日前後

流れ星は、毎日毎日流れております。明るい流れ星を見つけると、いまだドキっとし、ラッキーな気分になれますなー。え? 見たことない。

ま、まあ流れ星は、

  • 大都会だと1時間に1個見られるかどうか。
  • 光っているのは0コンマ数秒。
  • 晴れた夜空を見ないとみつからない。
  • いつ、どの場所に飛ぶか予想ができない。

でございます。

ふだん星を見ていて、まあ1分間毎日夜空を眺めて、流れ星を見られる確率は、1年に1度程度、いやそれ以下かもしませんな。だいたい毎日夜空を見るなんて、まあ、ないよねー。だから、流れ星を見るのは珍しいわけでございます。

ところがですね。この確率がググッとあがる時があるのです。それが流星群でございます。中でも8月13日前後と12月14日前後は、見られる確率が10倍くらいにあがります。

その気になって晴れた夜空を見ていれば、流れ星の一つや二つや三つは、まあ確実に見られます。

観察のポイントは以前にも書いておりますが、8月13日でも同じことでございます。

  • ポイント1:晴れた夜空を広く見て(寝転がれば、視野全体が夜空)
  • ポイント2:視野の中に星空以外の光は排除
  • ポイント3:しばらく(20~30分間)見ておけば、まあ見られる

あとは、そとで安全に寝転がるのはどうすればよいか(家のベランダなど安全な場所から、寒さや虫、犯罪や害獣対策)。光を排除するにはどうすればよいか(街灯が直撃しない場所をさがす、スマホは見ない)。しばらく見るにはどうすればよいか(上の対策の他、寝椅子などつかって環境を快適にする、邪魔が入らないスケジュール管理)といった工夫を各人していただければというところです。

流れ星は砂粒が地球にぶつかってきて、大気が発光する現象

あ、そうそう流れ星とか流星といわれるのは、ミニミニ惑星とでもいうような、小さな石や砂粒が、地球にぶつかる現象です。地上に到達する前に、大気と衝突し高温になってエネルギーを放出。周囲の大気を光らせます。まあ、そんな話を前に書きました

最近、国際宇宙ステーションからとらえた流星の写真というのがちょいちょいでていますが、こういうのを見ると、納得感はありますな。

ともかく流れ星の素は、太陽をめぐる砂粒、石、なのでございます。

ところで、なんで8月13日前後?

先ほど申し上げたとおり、8月13日前後は流れ星の数がブーストされます。それはペルセウス座流星群の活動がピークになるからです。

流星群というのは、複数の流れ星が、同じところから飛び出して見えるような現象です。同じ夜の多数の流れ星を合成した写真が、こちらにありますが、まさに一点から流れ星が飛び出すようですな。

ただ「流れ星そのものは、空全体で見えている」ことがわかります。なので「どっちを見てもいい」ので「晴れた夜空を広く見て」いればよいのでございます。

なお、ペルセウス座は8月13日前後のブースト時に、流れ星が飛び出す中心点にあたる場所です。ありていにいえば、ペルセウス座の方向から流れ星がやってくるように見えるので、ペルセウス座流星群というのですな。12月14日のブースト時は、これがふたご座になり、ふたご座流星群といわれます。

放射状に見えるのは、本来、流星たちは平行に飛び込んでくるのが、一点透視になり広がって見えるのですな。まあ、レールとか平行なのに、1点から広がって見えることを思い浮かべていただければでございます。

なんでペルセウス座の方から?

まず、流れ星そのものが、ある方向からまとまってやってきます。これは流れ星の素の砂粒が、同じ彗星から飛び出したものだからなんですな。こちらの写真は、チェリモフ・ゲラシメンコ彗星のクローズアップですが、彗星から盛んになにかが飛び出しているのがわかります彗星は氷の塊の天体なので、太陽に近づくと蒸発して、身体がはがれていくのですな。

彗星から飛び出す砂粒といっても、彗星のもともとの動きが結構速いので、全体としてはそれと同じような動き方をし、次第に彗星の軌道と同じようなところにたくさんの粒が回るようになります。この粒の川を地球が通っておこるのが流星群なのですな。

で、ペルセウス座流星群のペルセウス座は、地球の進行方向と、ペルセウス座流星群の素の粒の川の流れの合成方向にあたるのでございます。

今年は好条件、なのか?

と、天文ファンは言っておりますし、国立天文台さまも言っておられます。ツキがないからよい。月は「ポイント2:視野の中に星空以外の光は排除」の光になっちゃうので、これがないからよいわけですな。

  • ペルセウス座流星群

    夏の大三角形付近のペルセウス座流星群 (c),A@中村昌寛/photoAC

流れ星の数そのものは、このところペルセウス座流星群としてはいまいちです。多いときは1時間に300個とかいう時代もあったのですが、このところ1時間に30個くらいです。ふだんが3個なので10倍ではあるのですが、すげーとまではという感じです。

  • ペルセウス座流星群

    2018年に撮影されたペルセウス座流星群 (c)玄太/photoAC

ところで、月がないからいいといいましたが、天候についてはツキがなさそう。晴れなければ意味がございませんからね。

ただ、最近ははっきりとしたピークがややなりを潜めているので、前後数日くらいは十分楽しめると思います。

ぜひ、「ポイント3:しばらく(20~30分間)見ておけば」ということでチェックしてくださいませー。