最近流行の「クラウド」と併せて、耳にする機会が増えてきた「データセンター」。スマートフォン向けアプリの運用などで個人的に利用する方が増えてきてはいるものの、一般の方々にはまだまだ縁遠い存在。どのような施設なのか、想像もつかないという方が多いのではないでしょうか。
そこで、本企画では、データセンターの概要や利点について、皆さんの疑問に答えるかたちでご紹介していこうと思います。
Q. データセンターサービスとはそもそも何ですか? だれが使うものなのでしょうか?
Answer.
データセンターについては、「サーバ」を設置するのに最適化した施設と考えればよいでしょう。ここでは、データセンターの意義について、「サーバ」とは何かという点からご説明していきます。
皆さんが利用するPCやスマートフォン(これらは「端末」と呼ばれます)のほとんどは、ネットワーク越しに「サーバ」と通信しています。
例えば、マイナビニュースを閲覧する際には、マイナビニュースというWebサイトのデータを配信するサーバに対して、皆さんの端末のWebブラウザから「このWebページのデータを送ってください」とリクエストを送り、該当ページのデータを受信しています。
マイナビニュースのように一般公開されたWebページの場合、サーバには不特定多数の端末から同時にアクセスされるので、サーバを設置する際には、それに耐えられる通信回線を用意しておかなければなりません。また、ちょっとした障害で閲覧できなくなってはビジネス上困るので、非常用の通信回線や発電設備を用意したりと、さまざまな備えが必要になります。さらに、サーバを置く建物に関しても、サーバをたくさん積んでも抜けないような耐荷重強度の高い床にしなければなりません。
当然ですが、そういった施設を作るにはお金がかかります。そこで、多くのサーバを設置できる専用施設としてデータセンターを作り、必要なユーザーに月額料金制というかたちで提供しているわけです。
したがって、データセンターサービスを利用する人に関しては、何らかのサーバの設置が必要な人になります。
――では、どういった人がサーバを利用するのかというと、その答えはさまざまです。
例えば、デジタル文書を保管しておく「ファイルサーバ」のように企業内のユーザーのみが利用するサーバもあり、この場合は、企業の情報システム部門や総務部門になるでしょう。最近では、インタネットサービスやスマートフォン向けアプリケーションを個人で開発して提供する人が多く、そういった方々も積極的に活用しているようです。
なお、データセンターサービスついては、ニーズに応じていくつかの種類があるのですが、そちらの説明はまた別の機会にいたしましょう。