すっかり冷え込んで、制作室におでん臭が漂う季節になってきましたね。みなさん風邪など引いていないでしょうか? どんどん忙しくなってくる年末、体調にはどうぞお気を付けください。まずりんです。

さて、今回のテーマですが、前シリーズの「クライアント様はカノジョ系?」でもちょっと触れた、「ネズミ講系クライアント」です。本当にネズミ講をやっている訳ではなく、戻しによって案が無限に増えて行く構図がネズミ講に似ているというやつですね。本当はクライアントが一発で納得できるデザインを最初に出せればそれに越したことはないです。いいデザインはクライアントを説得できる力を持っていますので。ただ、やはりどうしても迷ってしまうクライアントの方もいらっしゃいます。

どうしてこういう風に無限に案が増えて行くのかというと、やっぱり「こういうのも見てみたいけど、実際に見ないとわからないから作って」という理由です。多少のバリエーション程度なら喜んで作らせていただきますが、方向性が絞られないまま膨大なバリエーション案を作るとなると、えらいことになります。私はかつてそうしたバリエーション案を10案ほど作ることになったことがありますが、1回の修正の度に10個のPDFを書き出すのが結構大変でした…。「バリエーション」が「案」に入るかどうかという微妙なところもあるので、増えやすいんですよね…。

まあ、こういうことになる前にクライアントと相談しながら少しずつ方向性を絞って行くのが本当はいいんですけどね…。やむを得ない事情であまりに膨大な量になってしまった場合、クライアントに直接会って方向性を絞るのがいいんじゃないでしょうか。クライアントが迷っているのであれば、デザインについて説明やアドバイスをしたほうが、クライアントも少しデザインの方向性が見えて来るかもしれません。

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。「独身OLのすべて」は単行本化されており、書籍/Kindle版が発売中。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。