とうとう11月ですね。デザイナーの皆さんは「年末進行」という言葉に震えている頃ではないでしょうか?私も己の年末進行のスケジュールを見て震えています。ガクブルです。まずりんです。

今回は、撮影をテーマにしてみました。マンガではフード撮影を取り上げてますが、私はできた料理はできるだけ早く撮る派です。フードはとにかく短時間でどれだけおいしそうに撮るかが勝負。誰だって、時間がたって冷め切った料理なんて食べたくないですよね。撮影もそれと同じで、できた料理が一番おいしそうな瞬間を狙って撮るのが重要です。特に撮影のライトは結構熱を持つので、すぐに料理が乾いてしまいますからね。あらかじめ食器の位置を決めておいてテスト撮影し、できた料理はあんまりいじらずに「できた!セット!Just Now(撮って)!」精神でやっておりました。(時間をかけてこだわりにこだわりを尽くす派ももちろんいますが…)

実は、こういう風に考えるようになったきっかけが、マンガの内容にもあった大名行列です。クライアントと代理店と撮影スタッフとフードスタイリストなど、総勢15人ほどで撮影を行った際、とにかく確認に時間がかかってしまい、料理がどんどんパサパサになってしまいました。あんなにつやつやとしていたエビが…みずみずしかったレタスが…と、魅力的だった食材がどんどん悲しい状態になってくるのが大変つらかったのです…。

その後しばらくして一緒に撮影の仕事をさせていただいた料理の先生がとにかくスピードを重視する方で、できたてをすぐ撮影、チェックも一瞬(でも直すところはすぐ修正する)という方式でした。スタイリストさんもツーカーで、セッティングがものすごく早い。で、やっぱりおいしそうな瞬間に撮るから写真もおいしそうなんですよね。それまで見た事のないスピードで撮影は進むわ良い写真は撮れるわで、この先生との撮影はすごく楽しかったなあ~。撮影が早く終わった時の達成感ときたら…。しみじみ。

それで、長時間の撮影についてですが…。「もっともっと良い写真を」と粘ったところで成果が得られるかというと、意外にそうでもないんです。フードだけでなく、人物撮影においてもそうです。撮影対象が疲れてしまうので、結局「最初のが一番良かった…」となることがかなり多かったです。物撮りだったとしても、撮影が長時間に及ぶと撮影スタッフや立ち会いのクライアントも疲れてきてしまうので、判断力がどんどん低下してきます。この辺をどう仕切るかも撮影ディレクターの判断にかかってくると思いますので、カメラマンと相談しつつ頑張ってください~。ちなみに私は自分で撮影するのはものすごく下手なので、良い写真を撮れるカメラマンはマジリスペクトです。

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。「独身OLのすべて」は単行本化されており、書籍/Kindle版が発売中。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。