昔は数の子が食べられなかったんですけど、今は大好きになりました。まずりんです。皆さんいかがお過ごしですか?さて、「デザイナー哀の劇場」、第3回は保存にまつわるエトセトラです。

マンガで取り上げた三大保存悲劇ですが、デザイナーが必ず1回はやる悲劇です。かくいう私も昔やったことありますが、間違って保存したことに気付いた時にはもう手遅れで、頭が真っ白に。ごりごりに合成したPhotoshopデータのレイヤーを統合してそのまま保存してしまった時は、「頼む頼む頼む頼む~~~~~~修正来ないで~~~~~~!!!!!!!!!!」と祈るばかりでした。

別名保存は必須!

こうした悲劇は、アデ子さんの言う通り、別名保存(Mac:command[Win:Ctrl]+shift+S)を習慣とすることで防げます。入稿経験を重ねるとこうしたミスは無くなっていきますが、まだ別名保存が習慣として身に付いていない新人デザイナーがやりがちなので、先輩は徹底して教えこむ必要があります。また、一旦データを閉じた後にデータを複製して入稿用のデータを作るという方法もありますので、別名保存が不安な方はこちらでもいいでしょう。

データ名の付け方

また、別名保存した後はデータ名をわかりやすくつけましょう。人や会社によって名前の付け方は色々ありますが、元データが「○○○.ai」であれば、アウトライン化したデータは「○○○_out.ai」、「○○○_ol.ai」、「○○○_fin.ai」などというように、データ名の末尾に判別しやすい単語をつけておくといいです。

バックアップをこまめにとるというのも重要です。現在作業中のデータがダメになってしまった場合、最悪過去のデータからやり直すことが可能ですので。また、クライアント様によっては、修正をさんざん入れた挙げ句「やっぱ最初のがいいわァ~」とおっしゃる方もいらっしゃいますので、過去のデータは残すようにしておきましょう。

保存が生む悲劇も…

ただ、バックアップをとることにより生まれる悲劇もあります。それが「古いデータを新しいデータに上書きしてしまった」というヤツです。これは別フォルダに保存されていた古いデータを持ってきたところ、名前が同じだったため、新しいデータが古いデータに置き換えられてしまったという最悪中の最悪の悲劇ですね。

これを防ぐには、製作した日付をデータ名につけるのが効果的です。12月24日に修正したのであれば、「○○○_1224.ai」といった感じで。こうして日付を付けて管理することで、「最新ではないデータに修正を加えてしまった」などの悲劇も防げますのでおすすめです。何人かのチームでひとつの案件を進める際、こうした名前付けの管理をしておかないと後で大変なことになりますので、チーム内でルールを決めてやっていきましょう。ただ、長すぎる名前はファイル名とかフォルダ名の文字制限に引っかかりますので、出来るだけ簡単に短い名前をつけましょうね!

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。2014年3月下旬には「独身OLのすべて」が単行本として発売される予定。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。