マイナビニュースをご覧の皆様こんにちは。まずりんと申します。フリーになりしばらく経ちますが、以前は制作会社にてデザイナーとかアートディレクターとかをやっておりました。この連載では、デザイン制作会社あるあるをゆるっと紹介していきますので、よろしくお願いします!(※あくまでフィクションですからね!)
さて、今回はクライアントからの支給データ、主に画像についてです。アデ子さんは8割のデータが使えないと言っておりますが、実際は6~7割くらいで、体感的に8割という感じです。クライアントのPC環境ではデータを確認できない場合もあるので、まあ仕方ないですね。支給データに起こりうる問題は、漫画のようにデータの解像度が低すぎるというパターン以外に、データが破損していて開けない、違うデータが入っている、リンクデータが抜けている、撮影方法が悪すぎるなどなど、多岐にわたります……。
こういった場合、データの再支給をお願いすることになりますが、クライアントによってはデータの手配に時間がかかる場合があります(本社が海外だったり、商品自体ができてなかったり)。アデ子さんの言っているとおり、データは届いたら即チェック、使えないデータがあったら即先方に連絡を入れましょう。場合によっては現物を取り寄せて撮影ということになりますので。
dpiについて
さて、画像の解像度(dpi = dot per inch)について簡単に説明すると、ビットマップ画像(PSDやJPEGなどの写真データ)の画質を示す数値です。1インチの中にいくつドットが入っているかで画質が決まり、数値が高いほど高画質になります。
WEB案件では72dpiで足りるんですが、印刷案件だと通常300~350dpiが必要です。そのため、クライアントが「パソコンの画面できちんと見えてるから大丈夫だよね」だとか、「Webサイト用の画像を使い回せばいいか」などと思って画像を用意した場合、デザイナーは致命的なダメージを受けることがあります。WEBに載っている画像は低解像度であることに加え、色も変換されていることが多いので、デザイナーは無理して低解像度のデータを使わず、印刷用画像の再支給をお願いするのが安全です。
一般的な事務作業をやる限りではあまりお目にかからないdpiですが、特別なソフトを使わなくても見ることができます(※編集部注:Windows 7の場合、画像を右クリック→[プロパティ]→[詳細]タブ)。もし今これを読んでいるあなたがクライアントになる時には、支給データの解像度を一度確認してから送付すると、デザイナーが幸せになります、たぶん。
なお、哀ちゃん・アデ子さん(と、作者)のことがさらによく分かる(?)プロローグ漫画も掲載しているので、そちらもあわせてお楽しみください!
まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。2014年3月下旬には「独身OLのすべて」が単行本として発売される予定。
※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。