世の中ではTwitterが流行っているらしい。W杯の日本対デンマーク戦では1秒当たりのツイート数が世界最高を記録したそうだ。かくいう私も日本戦で「ゴ~ル!」「川島! 神!」などとつぶやいていたっけ。
いまさらTwitterの説明は不要と思うが知らない人のために簡単に紹介を。一般のメディアでは「簡易投稿サイト」「ミニブログ」とも呼ばれているこのTwitter、ブログが簡単になったようなものと思ってよい。
Twitterは「つぶやきブログ」とも呼ばれているように、1回の投稿が140文字までとなっており、長い文章は書けないので自然とつぶやき程度の書き込みになる。
140字の制限のいい面としては、投稿への壁が低くなるので気軽に書き込めるということ。逆に悪い面としては、まとまった内容を書くことが難しいので、本当につぶやき程度の内容になってしまうということだ。
ここで簡単に書き込めるというメリットに注目すると、これは英語学習にはもってこいなのだ。英語でブログを書いたり、日記を書いたりする学習法はあったものの、ちゃんとした内容を書こうとすると大変なので長続きはしない。
Twitterでつぶやく程度なら、一文程度しか書けないので、気軽に英語を書くことができる。また英語を読む際にも、短い文章しかないので気軽に読めるというわけだ。
このようにTwitterに新たな可能性を感じていたところ、Twitter+英語学習をコンセプトにした書籍が最近ぞくぞくと出版されてきた。そこで、これらの本を紹介しながらTwitterによる英語学習の世界を覗いてみることにする。
発売された順番に見ていこう。まずは、2010/4/27発売の『Twitter英語術』(晴山陽一/クリストファー・ベルトン 著)から。
本の表紙に「文例満載! わずか140文字だから苦手な人でもどんどん書ける!」とあるが、本書ではTwitterでの仮想的な会話が進んでいく中で、さまざまな表現に触れることができる。会話を物語のように読みながら表現を学ぶというスタイルだ。ところどころで表現解説があるものの、基本はつぶやきが延々と書かれてあるだけだ。よって英語のレベルとしては中級者向きといえる。
また「すべての登場人物をTwitter上でフォローできます!」と表紙にあるように、本書の登場人物には本物のTwitterのアカウントがある。実際にフォローしてみると確かにつぶやきを見ることができる。
本書は2010年6月5日から6日にかけての24時間の間のTwitterでの会話という設定になっているのだが、6月5日には本当にリアルタイムで本書の会話がTwitter上でなされたらしい。
それはいいとして、今でもTwitterにつぶやきが更新されているのはいったいどういうことだろう。もちろんこれらの登場人物は架空の人物のはずなので、誰かが代わりにつぶやいているのだろう。書籍とデジタルの世界の不思議な融合か……。
本書に書かれてある「Twitter英語術10か条」からいくつかひろってみよう。
- 慣れないうちは、短く簡潔につぶやく
- 英語のミスは気にしない
- できるだけ多くのフォロワーのつぶやきを読む
- つぶやくネタがなくなったら、自分の個人的なつぶやきシリーズを考案してみる
- 日本の食べ物や習慣、行事、名所などを紹介してみる
ミスを気にしないというのが日本人にはなかなか乗り越えられない壁かもしれない。
私は普段はもちろん日本語でつぶやいているのだが、この本を読んだ後、英語でもつぶやいてみた。英語でつぶやくと日本語とは違い、140文字ではたいしたことは本当に書けない。日本語ならかなりの内容が書けるのだが。で、私の英語でのつぶやきに英語で反応してくれたのは知り合いの英語学習仲間が一人だけだった。もちろん、外国人は有名人しかフォローしていないので返事をくれるわけもないのだが。本書のように英語でつぶやきあえる外国人を探すのはどうすればよいのだろうか……。
次に、2010/5/7発売の『Twitterで英語をつぶやいてみる』(石原真弓 著)を見てみよう。
石原真弓さんといえば、#twinglishというハッシュタグを提唱し、英語でどんどんつぶやくことを薦められている方だ。同じハッシュタグをつけてつぶやいたものはグルーピングされて表示できるので、あの懐かしい掲示板のようにTwitterを使うことができる。
そんなわけで私もおそるおそる、#twinglishをつけて英語でつぶやいてみたが……今のところ返信はない(くすん)。誰かから返事があるまで#twinglishでつぶやいてみるつもりだ。
本書の内容に戻ると、まずはTwitterの簡単な使い方の説明があり、その後は、英語でつぶやくための解説がやさしく書かれてある。英語自体の説明が初歩から書かれてあるので、英語初心者向きの本といえる。
今回は2冊紹介したが、Twitterを始めたくなっただろうか。Twitterは気軽に始められるのでぜひ試してみてほしい。http://twitter.com/へ行けば簡単に始められる。Let's tweet!
著者紹介
本多義則 (Yoshinori Honda)
日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる』