今回はソースネクストから販売されている超字幕シリーズを紹介したい。超字幕は、映画で英語を学びたいという人には検討に値する教材である。12月末までキャンペーン特別価格で990円(ダウンロード版のみ)というのもうれしい。
映画やテレビドラマシリーズで英語を学ぶという方法は広く知られている。そのメリットは、いわゆる「生きた英語」が学べるということが第一。次に具体的なシーンと共に英語表現が学べるので、こういう状況のときにはこう話せばいいのかということがすんなりと理解できるというメリットもある。
しかしそんな実利的なことよりも、自分の好きな映画を教材にするということによるモチベーション維持のほうがより効果が大きい。
普通のつまらない教材では長続きしない英語学習も、自分の好きなものならば長続きする、というわけだ。そのため映画による英語学習は誰にでもお勧めできる方法ではない。映画好き、または海外ドラマ好きな方にはお勧めな方法といえる。
以前、某英語学習バラエティ番組で、「アリーmy Love」ファンの女性が、DVDを見ながら完璧にオーバーラッピングをしているのを見たことがある。本当にこのドラマが好きなんだろうな、と感じた。ちなみにオーバーラッピングとは英語を聴きながら、かぶせるように話すという高等技術のこと。
私もこれまで、映画で英語を学ぼうと思ったことが何度かある。昔は、まずテレビで放送される映画を録画する。次にスクリプトを手に入れる。Webでスクリプトを探すのも良いが、スクリーンプレイ出版の名作映画完全セリフ集や、DHCの完全字幕シリーズといった書籍を購入すると簡単だ。これらの書籍には、英語のセリフと日本語訳以外にも、英語学習者のためになる解説も含まれている。
最近では、お気に入りの映画のDVDを買って、英語と日本語字幕を交互に見ながら英語学習をするのが主流だと思う。
DVDを使った英語学習法の典型は次の通り。まず日本語字幕で映画全体を見て内容を理解する。次に、英語字幕にして再び見る。ここで英語がよくわからない部分が出てくるので、英文をノートに書き出し、英語の内容をじっくりと解析する。もちろん、セリフのすべてを完全理解する必要はなく、自分の好きなシーンだけでも良い。英字新聞をすべて読む必要がないのと同じだ。このようにして英語を理解できるようになったら、最後に字幕なしで映画全体を見る。字幕なしで何回か見るうちに、よくわからなくなったら、英語字幕にしてみたり、日本語字幕まで戻ったりする。
最近はDVDも安くなり、有名作品が1,000円程度で買えるようになっている。ぜひ、この冬は映画DVDで英語学習をしてみてはいかがだろうか。
前置きが長くなってしまったが、ソースネクストから販売されている超字幕シリーズの紹介に移ろう。2009年12月末までダウンロード版が990円で買えたので、試しに買ってみたので使用感を報告しよう。
そもそも超字幕とは何かというと、パソコンで映画を見ながら、セリフと日本語訳が同時に、または別々に見ることができるというものだ。セリフ単位でリピートしたり、再生速度を変える機能(0.6 - 2倍速)がある。英語のセリフにマウスを持っていくと単語の意味がポップアップで表示されたり、リーダーズ英和辞典でじっくりと英文を分析したりできる。
超字幕の最大のメリットはリピート機能かもしれない。セリフの横にあるリピートボタンを押すことで、そのセリフがリピート再生される。普通のDVDではあるセリフをもう一度聴きたい場合は、わざわざ巻き戻して再生させなければならず、これを繰り返すのは面倒でやってやれない。
ほかにも、お気に入りのセリフを登録して、そこだけ聴くという機能や、映画を使ったリスニングクイズなどがある。
超字幕のラインアップのうち990円のキャンペーン対象は、ハリウッド映画が58作、ディスカバリーチャンネルからドキュネンタリー番組が10作となっている。
理系の人にはディスカバリーチャンネルお勧めだ。技術系の番組ならたとえば「ネットビジネスの勝者 グーグル」「エコ・テクノロジー 未来の燃料」「フューチャーカー 2030年の究極の車」「ネットビジネスの勝者 アマゾン」「レボリューションX iPod革命」などが揃っている。
私は今回はディスカバリーチャンネルの「ネットビジネスの勝者 グーグル」をダウンロード購入した。
英語のドキュメンタリー番組なので、字幕なしでは、まあほとんど理解できない。英語字幕を見ても、スピードに追いつけない。ここは上に書いた方法でじっくりと日本語字幕付きからやっていこうと思う。
興味を持たれた方は、自分自身へのクリスマスプレゼントにひとついかがだろうか。990円キャンペーンは12月末までとなっている。
著者紹介
本多義則 (Yoshinori Honda)
日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる』