PDCA作戦によるひと月でTOEIC 50点アップ大作戦!の4週目、つまり最終週が終わった。先週は先々週と同じく9.5時間勉強できた。今週、社内の英語検定でTOEICのIPテストを受けた。本番試験の話の前にこの1カ月を振り返ってみよう。
PDCAのCheckの評価項目として、毎日の学習時間を計測したが、予定していた平日30分/休日1時間に対して、その2倍は学習できた。英語学習を続けたいと思っている方は、平日1時間/休日2時間を英語学習時間の目安にしてはどうだろうか。
学習内容としては、『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』の模擬試験を受けて弱点を見つけ、その部分の補強を『新TOEICテスト 直前の技術 - スコアが上がりやすい順に学ぶ』や『TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】』で行った。しかし間違えた問題を2度3度と繰り返すことは時間の都合でできなかった。
学習場所だが、夏休みの間は近所の図書館にも行ってみた。ところがこれが満席に近い学習室で、小学生の2人連れがおしゃべりをしていてうるさい。私の隣の席に座っていた推定50歳前後の男性が「うるさい! 国家試験のために勉強している人もいるんだぞ!!」と雷を落とす。ピーンと張り詰めた空気が流れたが、しばらくするとその2人はまたコソコソと話しだした。私は隣の男性からまた雷が落ちるのか?と、そちらのほうが気になって、問題集に集中できなかった……。
図書館の帰りに書店に寄ってみると、TOEICの問題集がたくさん見つかった。しかし、今のものを終わらせてからにしようと、買うのは何とか思いとどまった。ふう、セ~フ(← 英語オタクの習性として、書店で平積みされている英語学習本を見つけると、値段も確認せずに手にとってレジに直行する場合がある。結果、部屋の中には一度も読んだことがない英語本であふれかえることになる。今回はそうならなくて済んだという意味での"セ~フ")。
しかし、翌週、違う書店で『TOEICテスト リスニングBOX』を見つけてしまった。これは5回分のリスニングの模試が入っている本だ。ネットで良い評判を聞いていたので、"おおこれか"と、つい買ってしまった。5回のうち2回の模試を解いたが、それぞれ455点、475点となかなかのハイスコア。残りの3回分はできずじまい。
ところで、『TOEIC Test「正解」が見える』に「900点台の受験者が50点以上上げるためにはTOEICの教材よりも英字新聞を読み、CNNなどを継続して聞くこと」とあった。これを見てがっくりときてしまったが、この1カ月の努力は無駄なのだろうか?
いやいや、そうではないはずだ。前々回紹介したPART 2の「技術」は今回の本番のテストでも有効だった。今までも無意識でわかっていたことだろうが、今は自信を持って引っかけ問題を見分けることができる。
リスニングについては技術のほかに、いかに集中できるかが運命の分かれ道だ。集中が切れて重要な部分を聞きそこねる事があるからだ。TOEICでは普通の会話と違って、聞き返すことができない。
では、どうすればリスニングの46分間(45分ではなく、46分なんですねー)、精神集中できるのだろうか?十分な睡眠時間か? 瞑想か? そういう領域からのアプローチが必要なのか??
私が会社でTOEICを受ける場合、試験は夜に行われるので、基本的に仕事で疲れている。実は今回、受験直前にチョコレートを食べてみた。そう、脳への糖分の補給だ。このせいか今回本番では集中力が切れることはなかったような気もする。皆さんも試してみてほしい。
というわけで本番の試験の話だが、このひと月で学んだ「技術」を駆使しつつ、自分なりの技術も本番でつかめた。
たとえばリスニングのPART 3とPART 4では、設問の先読みをするのが「技術」であるが、今回は、先読みをした後、音声が聞こえ始めたら、音に集中して、設問を見ないようにしたら、よく聞き取れた。読みながら同時に聞くというのは普通の人には難しいと思う。目からの情報をシャットアウトすることは音への集中力アップに効果がありそうだ。目をつむってリスニングに集中することは、学生の頃にやっていた気がする。
リーディングのPART 7の長文問題では、設問を先読みして、それを探しながら読むというのが「技術」だが、今回私は設問を気にせずに、本文を一気に読んでみた。すべて読んで「理解できた」という感触を得たら、あとは設問に答えるのは簡単だった。この「長文を一気読み」するためには普段から英字新聞などを高速に読むクセをつけておくことが有用だ。『「正解」が見える』のアドバイスも的を射ている。
今回、リーディング問題が終わった段階で、時間が20分余った。こんなに余るのは初めてだ。これも1カ月の成果か。この時間を利用して回答を見直し、リーディング問題を3問訂正した。これが吉と出るか凶と出るか。
全体として、非常に良くできたと思う。目標としている前回からの50点アップの925点は堅く、さらにその上へも行ったのではないかと期待を持っている。結果が出るのが楽しみだ。
TOEIC受験後、解放感からか、問題集は当然開いていないし、英語はいっさい勉強していない。また来週から心を入れ替えて、英語の勉強を再開したい。
著者紹介
本多義則 (Yoshinori Honda)
日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる』