PDCA作戦によるひと月でTOEIC 50点アップ大作戦!の3週目が終わった。先週は9.5時間勉強できた。平日も1 - 2時間はやれている。TOEICネタが続いているが、もうしばらくお付き合いいただきたい。

先週はまず、『新TOEICテスト 直前の技術 - スコアが上がりやすい順に学ぶ』の模擬試験をやった。やってみて驚いたのは、リスニング問題のスピードが新公式問題集に比べてかなり速いことだ。受けた後、頭が痛くなったほどだ。

この頭が痛くなるという現象は、これまでも英語を勉強していく中でたまに起きることがあった。頭痛とか吐き気がしてくるのだが、これは日本語とはあまりにも違う英語を聞き続けたために、頭が拒否反応を起こしているのだと思う。これを乗り越えたとき「英語脳」になるのだろう。

一般に、市販のTOEICの問題集の模擬試験は本番より難しく作られていると聞く。そのせいで今回の正答数はリスニング78問 リーディング92問と、公式問題集よりも悪かったが、推定スコアはリスニング445、リーディング495のトータル940とアップしていた。これは2週間前の公式問題集での換算スコア810 - 920を超えるものであり、目標としている925をも超えている。2週間の勉強で「直前の技術」が身についてきたということなのだろう。順調といえる成果だ。

翌日から2日間は、模擬試験の見直しを4時間かけて行った。やはり見直しは重要であり、問題をやりっぱなしではいけない。間違えた問題には×印をつけておいて後でもう一度解くようにしたい。

リスニング問題はiPodに入れて通勤時に聞いている。ここで注意したいのは、ただ聞くだけではいけないということだ。聞く前にスクリプトを読んで内容を十分に理解した上で聞くことが大事だ。

リスニングの問題を聞いて、どのような文章なのかがわかるようになるまで聞き込んでほしい。何を言っているかわからないところがあったらスクリプトに立ち返ること。これは広くお勧めしたいリスニングの勉強法だ。それをTOEICの問題を使って行うということは実はおすすめかもしれないと今回感じている。

そこで、英語の勉強のやり方がわからない人は、TOEICを使ったこんな勉強法をやってみてはどうだろう。

STEP 1

市販の問題集で難易度が本番に近いと言われている『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』を買う。2回分の模擬試験があるので1回目を自宅で受ける。

STEP 2

答え合わせをした後、間違えた問題について、「直前の技術」で解けるようにするのではなく、本当に英語が理解できるようにしていく。

具体的には、すべての問題を完全理解できるまで文法と単語を調べる。単語は全部覚えよう。決して無駄にはなることはない。いずれ覚えるべき単語なのだから。それから適当な文法の教科書も買おう。お勧めは大学受験レベルの文法書だ。文法に関しては問題に直結する所以外でも自分の理解が怪しい所にも手を広げて「寄り道」をするとよいだろう。リスニング問題については、十分内容を理解した問題を繰り返し聞き、体に染み込ませる。

これらの作業で軽く1カ月くらいの勉強のネタができるはずだ。完全理解のためには3カ月くらいかかるかもしれない。

STEP 3

『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』の2回目の模擬試験を受ける。必ずスコアは伸びているはずだ。この伸びが英語学習へのモチベーションとなる。本番のTOEICを受けるのは、この後で十分だ。

もしTOEICの問題が難しすぎると感じる人は、基礎ができていないと考えられるため、中学レベルの英語から勉強をやり直そう。

さて、『新TOEICテスト 直前の技術 - スコアが上がりやすい順に学ぶ』の模擬試験の見直しが終わった後、再び『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』に戻り、2回目の模擬試験を受けてみた。

今回はリスニングが簡単に感じた。課題であったPART 2は全問正解。「直前の技術」の成果か、難しめの模擬試験を受けた後だから簡単に感じたのか。どちらでもあると思うが、後者についてはマラソンにおける高地トレーニングに似た成果が出ているように感じる。結果は1回目と比較すると以下の通りとなった。

リスニングセクション

  • 1回目: 素点89 / 換算点レンジ405 - 465
  • 2回目: 素点93 / 換算点レンジ440 - 485

リーディングセクション

  • 1回目: 素点95 / 換算点レンジ405 - 455
  • 2回目: 素点92 / 換算点レンジ445 - 485

トータルスコアレンジ

  • 1回目: 810 - 920
  • 2回目: 885 - 970

この2週間で着実にスコアアップの手応えが! さて、本番はどうなる!?

なんと2週間で上限値が50点、下限値が75点アップしている。これは英語力がアップしているというより、やはり「直前の技術」の成果だといえるだろう。著者のロバート・ヒルキ/ポール・ワーデン/ヒロ前田氏に感謝だ。来週のTOEIC本番に向けてラストスパートをかけたい。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる