今回の選書
1年後に夢をかなえる読書術(間川清) フォレスト出版
選書サマリー
1冊の本には、人生を変える力がある。私自身、仕事ゼロ、人脈ゼロの状態から脱却できたのは本のおかげだ。一冊の本に書かれたことを行動に変えただけで、大きな売上げにつながったのだ。
本の力を生かすには、成功する本に出合う必要がある。そのためには、まず自分が達成したい目標や、解決したい問題を明確にすることだだ。それができれば、脳の自動情報収集機能にスイッチが入る。
人間の脳は、自分にとって重要なことや探し求めていることに意識を集中させ、必要な情報を収集する機能がある。だから、目標や問題を明確にするだけで、自然に成功できる本に出合えるのだ。
さらに確率を高めるには、目標や問題を紙に書いて毎日見ることだ。自分の目標や夢が実現しないのは、夢や目標を忘れてしまうからだ。忘れてしまうと脳のもつ優れた情報収集能力が作動しないのだ。
これをさらに推し進め、より確率を高めるために、自分自身に質問してみることだ。その際役に立つのが「マインドストーミング」という手法だ。
まず、15分程度静かに1人になれる時間を確保し、ペンと紙を用意する。続いて、自分の目標や解決したい問題に対して「今できること」を考えてみる。「今できること」は、最低20個は書くべきだ。
これにより、脳の情報収集能力が研ぎ澄まされ、成功する本に出合う確率が飛躍的に高まるはずだ。
続いて「大量のブックシャワーを浴びる」すなわち大量の本の情報と接する。そのためには、行きつけの本屋を持つことだ。リアル書店では、目的以外の本の情報がビジュアルとして大量に入ってくる。
1日3軒は違う本屋に行くことを意識するべきだ。同じ本をまったく同じように売っている本屋というのは1つもないからだ。
また、アマゾンキャンペーンには参加するべきだ。著者の講演を録音したデータ、未公開原稿などのPDFデータ、無料動画など、自分の目標達成に有益な情報がもらえるからだ。
また「キャンペーンの本は、必ず買う」と自分自身に課しておくことだ。これにより、読む本の偏りをなくすことができるからだ。
さらに、フィルターを使って本を漉しとる作業が必要だ。これにより、自分に役立つ本だけを読む。フィルターには「人のフィルター」「手間のフィルター」「時間のフィルター」の3つがある。
まず「人のフィルター」だ。本の中身が良いかどうかは、実際に読んだ人の感想を聞くことが一番だ。おいしいレストラン情報を仕入れるには、食べた人の口コミが一番だというのと同じだ。
そういう意味で、人から本を勧められたら、その本は自分にとってかなり役に立つ可能性が高い。だから、勧められたら、その場ですぐに買うべきだ。
理由は、その人と別れてからでは、買うのを忘れてしまうことがあるからだ。今は、携帯電話のネット接続を使えば、アマゾンで一瞬にして本を買うことができるはずだ。
次に「手間」のフィルターだ。手間とお金がかかった本には良書が多い。同じテーマの本なら、完成するまでに多くの手間がかかっている洋書の翻訳本を選ぶべきだ。
最後に「時間のフィルター」だ。「古典」は、いわば「時間」というフィルターにかけられている。残っているのは、そのフィルターを通過した本だ。そういう本が名著でないわけがない。
さらに、直感力を利用するべきだ。人間は、自分に重要な意味を持つものに直感的に注意が向く。だからホロ酔いで本屋へ行く。理性を緩めることで、直感を働かせやすくするのだ。
「ジャケ買い」をやるのもよい。本の表紙カバーには、著者や出版社の本に対する思いや、エネルギーが込められている。カバーが気になる本は、良書あることが多いのだ。
選書コメント
読書を活かし、人生を変えるコツをわかりやすく教えてくれる本です。本が持つ底力を紹介し、自分にとって素晴らしい本との出会い方や、それを結果につなげる方法を具体的に教えてくれます。
著者は、仕事の全くないどん底状態にありながら、たった一冊の本との出会いで人生を大逆転し、年商数億の弁護士事務所を作り上げた方です。
そんな読書で人生を切り開いた著者が、自らの体験を披露しながら、役立つ本と出会い、内容を行動につなげ、夢を実現する方法を余すところなく教えてくれます。
社会人の本離れが指摘されています。しかし、書店の店頭を見ればわかる通り、ビジネス書ファンが少なくないのも事実です。中でも、このメルマガをお読みの方は、本が大好きなはずです。
しかし、読んだ内容を活かして、実生活の改善につなげている人は、意外に少ないようです。「読んだだけ」で終わっているのです。しかし、欲しいのは成果のはずです。
成果を上げるには、行動が必要ですが、読書を行動につなげるにはコツが必要です。本書は、何をすれば、書いてあることを行動に移せるか、その方法を分かりやすく教えてくれます。
紹介されるノウハウは、すぐにできる実践的なものばかりです。最新のノウハウが満載で、お勧め本も多数紹介されています。さすがに「本で夢を叶えた」と断言するだけあります。
「これから、本を読もう」と決意した人は、読書のガイダンスとしてお読みください。また、このメルマガをお読みのビジネス書フリークも、新しい読書のヒントを見つけるために、お読みください。
選者紹介
藤井孝一
経営コンサルタント。週末起業フォーラム代表。株式会社アンテレクト代表取締役
1966年千葉県生まれ。株式会社アンテレクト代表取締役。経営者や起業家という枠にとどまらず、ビジネスパーソン全般の知識武装のお手伝いを行うべく、著作やメールマガジン、講演会、DVDなど数々の媒体を活用した情報発信を続けている。著書にベストセラーとなった『週末起業』(筑摩書房)はじめ、『かき氷の魔法』(幻冬舎)、『情報起業』(フォレスト出版)など。
情報提供: ビジネスパーソンの情報サイト「ビジネス選書&サマリー」