CES 2014が終わり、Mobile World Congress(モバイルワールドコングレス)がまもなく開催される今、ウェアラブルテクノロジについてもう一度お話ししておきましょう。
USA Today誌の最近の記事によると、過去4年でのウェアラブル端末の販売実績は1,886%を超える勢いで伸びており、今年中にさらに35%の増加が見込まれています。そしてその売り上げの大半を占めるのが、FitbitやFuelbandをはじめとするフィットネス端末です。また、NarrativeやAutographerといったライフログデバイスも、ウェアラブル端末の需要を押し上げています。さらにGoogle Glassなどのデバイスにも、大きな期待が寄せられています。商品の位置付けがあいまいなスマートウォッチでさえ、その売り上げは2018年までに92億ドルに達すると予測されています。もちろん現在もKickstarterではさまざまなプロジェクトが進行していますから、新たな製品が次々に登場することでしょう。
ウェアラブル端末はすべて素晴らしい機能を備え、旅行、ショッピング、娯楽といった分野で大きな成功を収めそうです。では、企業のセキュリティや個人のプライシーにはどのような影響を与えるのでしょうか。
一般的なウェアラブルのライフログカメラは、30~60秒ごとに写真を撮り、無線接続を介して写真をライフログサービスにアップロードします。このようなデバイスを企業内に持ち込んでも問題はないでしょうか?
- ほとんどのウェアラブルカメラには、Webカメラとしても使用できる機能が搭載されています。これを悪用すれば、企業情報を盗んだり、悪意のあるグループにデータをストリーミングすることが可能です。このような行為はどのように防止すればよいでしょうか?
- Google Glassなどメガネ型の端末は、今年中には度付きレンズへの対応が予定されています。従業員がこのようなレンズを使ったメガネを着用しても問題はないでしょうか? データを記録して第三者に転送するという行為を防止する対策はあるでしょうか?
- パーソナルフィットネス端末でさえ、悪用する方法がいくつかあります。接続デバイスへのアクセスや個人情報の入手が可能でしょうし、GPS情報はソーシャルエンジニアにとっては喉から手が出るほど欲しい情報です。
以上の事例はテクノロジの問題でもありますが、人事部が対処すべき課題でもあります。人事部は次のような取り組みを行うことによって事前に対策を講じ、問題を未然に防ぐことができます。
- 雇用情報に、ウェアラブルテクノロジと企業データに関する内容を盛り込む
- 機密性に関するトレーニングを実施する
- 個人所有のウェアラブル端末について、職場での使用を許可するかどうかを決定する
- 企業が所有するウェアラブル端末について、通信に適用する監視ポリシーを見直す
- ウェアラブル端末を考慮し、服装規定を変更する
上記の取り組みは、BYODに関するポリシーとの類似点が多数あります。これまでに、個人所有の端末の持ち込みに対処してきた企業であれば、ウェアラブル端末についても同じ対策をとることができるはずです。ただし、実際に対策を講じている企業はおよそ41%しかないことも事実です。
多くの企業が、ウェアラブル端末は使い方次第で生産性向上に貢献すると考えています。特にヘルスケア、建築、ITなどの業界では、ヘッドアップディスプレイでの図面の表示や作業のビデオストリームなどが効果を発揮しそうです。
※本内容はBarracuda Product Blog 2014年2月11日 Are you ready for wearable tech? を翻訳したものです。
クリスティーン・バリー(Christine Barry)(バラクーダネットワークス、チーフブロガー)
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』3月3日付の記事の転載です。