合衆国エネルギー省が管轄するサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)のエキスパート達が、300,000台もの仮想アンドロイド端末をクラスタ化した「MegaDroid」と呼ばれる巨大なネットワークを構築しました。彼らは以前にも、Linuxベースの「MegaTux」やWindowsベースの「MegaWin」など、似たようなシステムを構築しています。このプロジェクトは、例えばソフトの誤動作やデータ漏えい、または自然災害がこのようなネットワークに与える影響を調べたり、多様なシナリオでのテストを実施したりするために始められたものです。サンディア国立研究所のMegaDroidネットワークに関する動画をご覧ください。
サンディア国立研究所は今年中に、このソフトウェアをGPLv3ライセンスの下でリリースすることを計画しています。これにより、サイバー研究者たちはこれらの端末をテストし、防御手段を構築できるようになります。政府機関や一般組織においても、膨大な数のスマートフォンを導入した場合のネットワーク状況を調べることができるメリットがあります。このようなツールキットが提供されることで、他のプラットフォームに関わるエンジニアにとっても恩恵に欲することができるでしょう。例えばアップルなら、これを利用してiOSのメガシステムを構築できるかもしれません。
このプロジェクトには非常に素晴らしい点がいくつかあります:
- 簡単に手に入るハードウェアを利用できる
- アンドロイド端末にGPSや加速度計などのセンサーインプットのエミュレーションが含まれている
- スケーラブルで、膨大な数のエミュレーション端末に対応できる
- 以下のように、様々な構成によりエミュレーション端末を実装できる
- 相互に通信を行う独立した端末
- サーバと通信を行うネットワーク端末
- 分散したセンサーやエンドポイント
ソフトウェアがオープンソースであり、一般ハードウェア上で動くことは素晴らしいことですが、そこまで多くのスマートフォンをテストする必要がない人達にとっては、一体どんな意味があるのでしょうか?実は、それぞれのシナリオに沿って必要なサイズにまでスケールダウンしてテストすることができます。例えば、100台のスマートフォンが同時に1つのアプリケーションにアクセスしようとした場合、ネットワークはどうなるのか?あるいは、自社のネットワーク環境に最適なアンチウイルスは何であるか?といったことを調べることができます。このソフトがより多くのプラットフォーム向けに開発されれば、ものすごく有益だと筆者は考えます。
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』8月6日付の記事の転載です。