本日は、バラクーダネットワークスのパートナーであるAccellis Technology Groupによる投稿記事をご紹介しましょう。Accellisは、マネージドITサービス、サイバーセキュリティおよびコンプライアンス分野のコンサルティング、法務アプリケーションのコンサルティング、システム統合および開発などの業務を展開しています。Accellisについては、WebサイトLinkedInFacebookTwitterをご覧下さい。

この投稿記事はAccellis Technology Groupのデレク・シュローダー(Derek Schroeder)氏によるものであり、オリジナルの記事はこちらからご覧いただけます。

当社のクライアントである法律事務所のお話をしましょう。この法律事務所は自治会の代表を務めているのですが、その自治会が、造園会社に依頼するはずだった2万5,000ドル相当の仕事をキャンセルすることになりました。自治会は、「プロジェクトの中止について造園会社に伝えるよう、法律事務所にメールで依頼した」と主張しました。ところが法律事務所はメールを受信していなかったので、当然仕事はキャンセルされなかったのです。造園会社は仕事を完了し、料金を請求しました。

請求書を受け取った自治会は、料金の2万5,000ドルに加えて、キャンセルしなかったために被った損害額として5,000ドルを法律事務所に請求しようとしました。メールを受け取っていないことを証明できなければ、法律事務所は合計3万ドルを自治会に支払わなくてはなりません。ところが、弁護士ならば誰でも知っていることですが、起こらなかったことを証明することは困難なのです。

そこで法律事務所は、メールメッセージが実際に法律事務所に到着しているのかどうかを検証する作業をAccellisに依頼しました。幸いこの法律事務所にはEmail Archiverが導入されていたので、送受信されたメールを個々に特定することが可能でした。検証作業の結果、法律事務所は自治会のメールを受信していないことがわかり、3万ドルを支払う必要はなくなったのです。

メールの落とし穴を回避する

ここ数年、メールやデジタル通信の爆発的な普及に伴い、メッセージの保管を義務付ける法規制が施行されています。メールは保存/参照機能として使用されますから、メールは削除すべきではないという意見を持っている会社もあります。一方で、内容に関する責任を回避する目的や、受信ボックスを整理する目的で、不要になった時点でメールをすぐに削除する会社もあります。ところがいずれの戦略も、管理と責任上の問題につながる可能性があるのです。

ガートナーによると、組織の知的財産の80~90%がメール内に保存またはメールを介してやりとりされています。このようなメールが削除または廃棄されてしまったらどうでしょうか。訴訟、コンプライアンス、社内的な争議に関連する文書を提示しなければならない場合、これは問題にならないでしょうか。Email Archiverがなければ、メッセージは永遠に失われてしまいます。

責任という点については、責任を持ってメールを保管する期間をポリシーとして書面で規定する必要があります。標準的な保管期間は5~7年です。中には、これよりも長い期間保管しなければならないメールもあるので、Outlookのみでポリシーを適用することは困難です。しかしEmail Archiverがあれば、このようなニーズに対応できます。

安心をもたらすデジタルセキュリティ機能

Email Archiverは、標準サーバの外側でメールを保存および管理するハードウェアデバイスです。企業のメールアドレスを使って送受信されたメールは、すべて即座に保存されます。メールを蓄積しておけば、「誰がどのメールを送受信したか」という点を簡単に実証できます。受信したことを証明できない場合には、送信者の「送信済み」フォルダに送信した証拠があれば、送信者の勝利です。「受信していないこと」をArchiverで証明できた場合、明らかにArchiverの勝利となります。

Archiverでは、メールデータベース全体をキーワード/ユーザ/説明をもとに迅速かつ明確に検索できます。この機能を使えば、一括保存されているデータベースから(管理担当者が管理)、訴訟番号やキーワードを含むメールをわずか数分で取得できます。Outlook検索では一部の情報しか取得できませんが、Email Archiverの検索機能ならば、Exchange Information Store全体とこれまで蓄積されたアーカイブファイルを一網打尽にできます。

メールシステムを自社で運用している多くの中小企業は、Exchange Information Storeデータベースの保守にともなう課題に頭を悩ませています。データベースはあっという間に手に負えない状態になり、サーバのパフォーマンスが低下してしまいます(または、サーバのハードドライブ容量があっという間になくなってしまいます)。このような状況には、Archiverのスタブ機能が威力を発揮します。スタブ機能を定期的(毎月または毎日)に実行することにより、Exchange Information Storeをチェックできます。この機能は、Information Store内で所定のサイズを上回るメールを検出し、サーバから添付ファイルを削除して、添付ファイルをArchiverのみに保存します。また、添付ファイルへのアクセスもシームレスに実行できます。この処理には、Archiver内の添付ファイルに自動リンクするOutlookアドインが使用されます。さらに、メール受信時に重複メールを排除することで、容量を節約する機能も付属します。たとえば、Exchangeで200GBの容量のメールであれば、Archiverではわずか110GBに圧縮できます。

Archiverは安価だとは言えませんが、メール管理と保管をシームレスにできるという安心感を得られると考えれば、投資するだけの価値があるでしょう。筆者が皆様にお勧めしたいモデルは、Barracuda Message Archiver 350です。販売価格はおよそ4,999ドルであり、最大500人のユーザ、2TBのストレージ容量をサポートします。また、セキュリティ保護と安定稼働を目的としたエネルギー充填サービスの購入が必要です。HIPAAやSEC/FINRAなどの法規制ではアーカイブが義務付けられていますが、ネットワークで最も重要なアプリケーションの1つであるメールを保護する上で、アーカイブはなくてはならない機能です。

IT業界でほぼ10年にわたる経験を持つデレクは、マネージドネットワークサービスクライアントの日常的なサポート業務を担当する傍ら、クライアントのテクノロジニーズに関する長期的な戦略策定にも携わっています。特に、ワークステーション、サーバ、ファイアウォール、ソフトウェアアプリケーションなど、ネットワーク環境のインストールとメンテナンスに関する経験が豊富です。ネットワーキングチームの中心的メンバーであるデレクは、Amicus Attorneyソフトウェアプラットフォームの認定コンサルティングでもあります。ネットワーキングとソフトウェアを結びつける重要な役割を果たしています。クリーブランド州立大学で、情報システムおよびテクノロジの学位を取得しています。

デレクの記事はこちらでご覧いただけます。お問い合わせは、dschroeder@accellis.comまでどうぞ。

※本内容はBarracuda Product Blog 2015年3月20日How An Email Archiver Saved One Firm $30,000を翻訳したものです。

クリスティーン・バリー(Christine Barry)(バラクーダネットワークス、チーフブロガー)

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』4月2日付の記事の転載です。