Windows XPのサポート終了に備えて、VistaやWindows 7へのアップグレード、別のプラットフォームへの移行など、ほとんどの方がかなり前に対策を完了していることでしょう。ところが、NetMarketShareが最近発表したデータによると、WindowsとMac環境において、Windows XPはいまだに31.22%のシェアを占めています。
このシェアの高さには驚くばかりです。
システム管理者という立場から言えば、これまではWindowsの新バージョンがリリースされても、12~18か月は移行を控えました。これはWindowsに限ったことではありません。また、さまざまな業種の企業をサポートした経験から言うと、独自仕様のパッケージを新しい環境に移行した場合、移行後1年ほどは安定しませんでした。ですから、リスクよりもメリットが大きくなったと判断できるまでは移行しなかったのです。
ただし、Windows XPの場合は少し状況が異なります。なんと言っても、後継となるのはあの悪評高いWindows Vistaだったのですから。Windows XPからVistaに移行する理由があるとすれば、Windows 7への移行作業が簡単になる、という点しかありませんでした。安定していて下位互換性もあるXPから不完全な失敗作であるVistaに移行するとなれば、ハードウェアのアップグレードも避けられません。したがって、特に問題がない限り、Vistaに移行する理由がなかったのです。
Windows XPが登場してから10年余りが経ちましたが、その間、デスクトップサポートも様変わりしました。IT部門はアウトソーシングやダウンサイジングを経験し、今では、ITの専門家ではないが少しコンピュータに詳しいユーザがサポートを担当しています。デスクトップオペレーティングシステムは簡単にサポートできるようになったので、ITコンサルタントはデスクトップ部門から去り、サーバやネットワークインフラの分野へと移っていきました。その結果、デスクトップのアップグレードは、以前ほど積極的に行われなくなりました。
筆者も、2001年にリリースされたOSを稼働するマシンが現在も3分の1近くを占めている理由について考えてみたのですが、簡単に操作できる、使い慣れている、アップグレードはコストがかかる、などいくつかあるようです。しかし2014年4月8日、MicrosoftがWindows XPのサポートを終了したとたん、状況は一変するでしょう。
業界アナリストは、Microsoftのサポート終了後、Windows XPでのマルウェア感染率が66%増大すると予測しています。
Windows XPベースプラットフォームのサポートが終了すると何が起こるかについては、実は私たちは過去に同じようなことを経験しているのです。Windows XP Service Pack 2のサポートが終了してから2年間で、当時の最新バージョンであったWindows XP Service Pack 3に比べて、Service Pack 2のマルウェア感染率が66%も高くなりました。
それでもまだWindows XPを使い続けますか?今すぐ、アップグレードに抵抗しているユーザを説得し、アップグレード計画の作成にとりかかることをお勧めします。
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』12月17日付の記事の転載です。