以下は、アラン・スティーブンズによって、2013/12/03、22:59(日本時間)にZDnetへ掲載されたレビュー記事の抄訳です。
原文はこちらを参照ください。
概要: Barracuda Backupは、データをバックアップおよびリカバリするために必要なものがすべて1台の内蔵型アプライアンスに実装されているため、経済的で使いやすいソリューションです。また、別の利点として、アプライアンス間またはアプライアンスとバラクーダクラウド間でのデータレプリケーションや、バックアップイメージをローカルまたはクラウドへ即時リカバリするLiveBootがあります。
利点
追加のソフトウェアが不要な内蔵型ソリューション
業界標準のハードウェア
サーバおよびアプリケーションごとの料金が不要
バックアップレプリケーション(他のアプライアンスまたはクラウドへ、もしくは両方へレプリケーション)
ローカルアプライアンスまたはクラウドからVMwareイメージをマウントするLiveBoot(注意:2013年12月現在、クラウドからのLiveBootは、日本ではサポートされておりません。)
欠点
テープにアーカイブできない
バックアップデータ内のマルウェアをスクリーニングできない
LiveBootがVMwareしかサポートしていない
バラクーダは、ファイアウォールおよびフィルタリング製品で最もよく知られていると思われますが、バックアップビジネスも行っており、同じアプライアンスベースのアプローチを利用して、データを保護し、不正なアクセスを防止しています。実際、拡張性に優れたバックアップアプライアンスの全てのモデルで、サイト間レプリケーションとクラウドへのレプリケーションを提供しています。(http://www.barracuda.co.jp/products/backup)最新リリースでは、LiveBootを実装しており、即時リカバリが可能です。
本レビューのBarracuda Backup 490は4TBの内部ストレージを備えた1Uラックです。最上位モデル1090は102TBの内部ストレージ、ホットスワップ可能なディスクと冗長電源、およびオプションの10GbEファイバ接続を備えた4Uラックです(画像提供: バラクーダ)
1台のアプライアンスで始められるバックアップ
Barracuda Backupアプライアンスは、Supermicroの業界標準のサーバハードウェアに基づいており、ソフトウェアとハードウェアを追加する必要がありません。必要なものはすべてアプライアンスに実装されており、保護対象サーバおよびアプリケーションごとに追加料金を支払う必要はありません。十分なストレージとネットワーク帯域幅を備えた1台以上のアプライアンスを購入するだけで、準備が完了します。アプライアンスは、複数のモデル(http://www.barracuda.co.jp/products/backup/models/)から選択できます。
最も低価格なモデルは、独立型の190であり、中小企業と部門ごとのバックアップを対象としています。また、1個のGbE(ギガビットイーサネット)ポートと通常は約200GBのバックアップを処理するための500GBのストレージを備えています。他のモデルはすべてラックマウントアプライアンスであり、上位モデルほどストレージとRAID保護が向上しています。上位モデルでは、冗長電源と10GbE接続がアプライアンスに追加されています。
最も高価なモデルは、4Uの1090であり、34個のディスクによるストレージアレイ、10GbEネットワークインターフェース、およびホットスワップの冗長電源を備えており、102TBの内部ストレージから50TBの推奨のバックアップボリュームを使用できます。
Barracuda Backupアプライアンスはすべて、サイズは異なりますが、同じソフトウェアを実行し、同じツールを実装し、同じように動作します。また、VMwareとHyper-Vを標準サポートしているため、物理資産と仮想マシンの両方を保護するために使用できます。さらに、バラクーダのソフトウェアは、業界標準のプロトコルと組み込みのAPIを利用するように設計されているため、ホスト自体に追加のソフトウェアをインストールせずに、WindowsとExchangeの両方のサーバなどを保護できます。
ただし、例外があるため、エージェントには、保護対象サーバ上のSQLデータベースとWindowsシステム状態などをバックアップする機能が実装されています。カスタムのLinuxエージェントも提供されています。エージェントはアプライアンスにプリロードされており、必要に応じてダウンロードできます。
バラクーダのWebベースの管理インターフェースはステータスダッシュボード、および詳細にドリルダウンする機能を実装しています(画像提供: アラン・スティーブンズ/ZDNet)
準備
バラクーダは、本レビューのために、複数のアプライアンスが設置された自社のネットワークへのアクセスを許可し、評価で使用するBackup 490アプライアンスと統合Webインターフェースにアクセスするための管理者アカウントを準備しました。これを使用することで、1つのコンソールからアプライアンスのすべてを設定および管理できます。このコンソールは、直感的で応答が速く、状況を絶えず通知するための通常のダッシュボードのようなステータスを表示し、必要に応じて詳細にドリルダウンできます。
モバイルによる監視および管理のためのアプリケーションも提供されています。場合によっては非常に多くのアラートに対応する必要がありますが、管理インターフェース全体は操作性が良く、オペレータのトレーニングはあまり必要がありません。
バックアップ
バックアップ元は、非常に簡単に追加できます。エージェントは、ほとんど不要です。名前またはIPアドレスを入力するだけで、ソフトウェアが複雑な処理のほとんどを実行します。コネクションをテストおよび確認するための便利なオプションも提供されています。バックアップはスケジュールで実行され、1台のアプライアンスに保存でき、必要なストレージを最小限に削減するための自動的な圧縮と重複排除が実行されます。残念ながら、アプライアンスからテープにはアーカイブできませんが、保護を強化するために、別のアプライアンスまたはクラウドストレージにバックアップデータをレプリケーションできます。
レプリケーションは、テープより迅速で信頼性の高い代替手段(特にリカバリの場合)として、非常に簡単に設定できます。しかし、他のアプライアンスからの階層型バックアップに対応するには、モデル490以上が必要であり、200GBごとの必要なストレージ容量に基づく定額料金のバラクーダのクラウドサービスを使用するには、追加のサービスが必要です。(日本のお客様限定で提供しているフリークラウドサービスでは、対象モデルに対して、最長5年間無料で、1TBのクラウドストレージを使用できます。)
別のアプライアンスまたはバラクーダのクラウドストレージサービスにバックアップをレプリケーションできます(画像提供: アラン・スティーブンズ/ZDNet)
リカバリとその他の機能
バックアップアプライアンスから直接リストアする機能から、別のアプライアンスまたはクラウドにレプリケーションする機能まで、データをリカバリするための多くのオプションが提供されています。必要なバックアップを検索する簡単なリストアブラウザを使用すると、個別のファイルとフォルダおよびシステム全体をリストアすることもできます。また、エンドユーザはバラクーダのクラウドサービスCopy(http://www.copy.com/)でファイル自体をリカバリできる場合があります。
完全なWindowsサーバにはベアメタルリカバリを実行し、Exchangeサーバにはストア全体のリカバリではなくメッセージレベルリカバリを実行できます。また、VMwareユーザはアプライアンスまたはクラウドから仮想マシンのバックアップコピーをブートできます。(注意:2013年12月現在、クラウドからのLiveBootは、日本ではサポートされておりません。)
バラクーダアプライアンスまたはクラウドからVMware仮想マシンのバックアップコピーをブートできます(画像提供: アラン・スティーブンズ/ZDNet)。
このオプションは驚くほど簡単で迅速であり、テストではクラウドからのLiveBootの所要時間はわずか数分でした。残念ながら、このオプションはHyper-Vユーザには提供されていません。しかし、VMwareが仮想化市場の主要製品であるため、このオプションはビジネスクリティカルシステムの迅速なリカバリには十分な価値があります。
言うまでもなく、セキュリティは、特にクラウドが関係している場合、長期的な問題となります。バラクーダが他にも専用アプライアンス(http://www.barracuda.co.jp/products)を提供しているので、バックアップのマルウェアをスクリーニングできないことは意外です。この理由は、しかし、アプライアンス上とクラウド内の両方でバックアップデータを256ビットのAES(高度暗号化標準)で暗号化できます。また、コンプライアンスの面では、関係するアプライアンスですべてのトランザクションをロギングし、独自の柔軟なデータ保存ポリシーを定義できます。ロールベースの委任管理は、詳細なレポートおよびアラート機能と同様、もう1つの便利な機能です。
結論
Barracuda Backupは低価格、優れた拡張性、および使いやすいアプライアンスでバックアップおよびリカバリのほとんどをカバーする包括的な製品であると言えます。クラウドへのレプリケーションはもう1つの新しい機能であり、サイト間レプリケーションはデータの保存先に不安を感じているユーザ向けに提供されています。改良点や制限はわずかにありますが、Barracuda Backupはバックアップを検討しているすべてのユーザにとって十分な価値があります。
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』12月12日付の記事の転載です。