ディスカバリ

「アーカイブする理由」シリーズ4回目の今日は、ディスカバリ（電子証拠開示）を取り上げます。ディスカバリは、eディスカバリやeディスクロージャとも呼ばれますが、このような訴訟ホールドにおいてアーカイブソリューションがどのような効果を発揮できるのかについて説明しましょう。

ディスカバリに向けた準備

現在、ディスカバリとドキュメントレビューを定期的に実施する企業が増えています。このような作業は、法規制、情報公開請求、社内的な争議などへの準備として行われています。実際の作業としては、機密情報や請求とは関係ない情報を除外し、請求されている情報を社内評議会や社外組織に提供するために、情報を検索、収集、保管、レビューする必要があります。

ディスカバリにおいて企業が直面する課題

検索やレビューの対象となるデータのほとんどがメールです。一般的に、電子的な方法で検索できる情報の90%はメールに含まれている情報なので、かなり大量のデータが検索やレビューの対象になります。

膨大なデータ容量

ほとんどの組織では、大量のメールが社内に保管されています。このような量のデータすべてを検索するには整理／管理を効率的に行う必要がありますが、その作業は非常に困難です。

コスト

一般的なディスカバリでは無数のメールを特定する作業が必要になります。この作業にサードパーティのリソースを活用する場合、非常に大きなコストがかかります。

保管場所

Exchangeメールボックスやアーカイブで一元管理されているデータの検索だけでなく、ネットワークサーバやエンドユーザデバイスに保存されているPSTファイルを個々に検索する必要があります。

タイミング

開示請求が通知された時点でメールを保全する必要があり、FOIA（情報公開）請求には非常に迅速な対応が要求されます。

関連性

社内ディスカバリは、キーワードやメタデータなどが基準になります。したがって、データセットを作成する前に、データをレビューして絞り込んでおく必要があります。

セキュリティ

法規制によるディスカバリでは、ディスカバリの初期データセットとして訴訟ホールドの対象となったメールについて、定められた期間が経過するまでの間、削除や変更を防止する手段を講じる必要があります。

アーカイブソリューションの効果

ほとんどのアーカイブソリューションは、アーカイブ内に取得／保存されているデータを検索／取得する基本的な機能を備えています。さらに高度な情報管理ソリューションは、次に示すように、ディスカバリのニーズに幅広く対応することができます。

幅広い範囲のデータを収集

Exchangeメールボックス、アーカイブ、PSTなど、組織内にある保管場所を幅広く特定し、検索します。あらゆる場所に保管されているすべてのデータのディスカバリを1つのソリューションで調整および管理することにより、ディスカバリプロセスを一貫した方法で効率的に実行できます。

セキュリティ保護

取得したメールを運用環境とは別の場所に保存することにより、変更や改ざんの心配がなくなり、セキュリティを確保できます。法規制によるディスカバリの場合は、法的義務に基づいて情報が収集されていることを実証できます。

迅速対応

ディスカバリへの迅速な対応が可能になります。公的組織は短い期間で情報開示請求に対応し、情報開示の対象データを保全できます。

コスト削減

メールのディスカバリ、収集、早期評価査定を社内で行い、その後の作業を、コストのかかる外部エキスパートに依頼します。収集したすべてのデータを1つのアーカイブに保存しておけば、外部レビューの対象となるドキュメントや、機密情報を除外する編集作業が必要なドキュメントの数を減らすことができます。

C2Cのディスカバリソリューション

C2Cのディスカバリソリューションは、迅速かつ経済的な方法で情報開示請求に対応し、コストのかさむ罰金や罰則を回避します。情報を識別、収集、保存する機能を1つのソリューションに集約することで、ディスカバリや早期評価査定を社内で効果的に実施できます。

C2Cのソリューションは、組織内のあらゆる場所に保存されているメールを検索および取得し、安全なアーカイブに別途保存します。これは、必要に応じて訴訟ホールドに使用することも可能です。また、エンドユーザは、直観的なWebベースコンソールを使ってアーカイブ内のデータをレビューおよび分類でき、正式なレビューで指示されている方法に沿ってメールをエクスポートすることも可能です。

次回は、IT部門が「PSTファイルさえなければデータ管理はうまくいくのに」と嘆く理由について解説します。PSTが組織にどのようなリスクを及ぼすかを考え、PSTの特定、管理／移行、削除がもたらすメリットを紹介します。

※本内容はBarracuda Product Blog 2014年9月10日Reasons to Archive – Discoveryを翻訳したものです。

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』10月17日付の記事の転載です。