アーカイブの過去と未来
これまでアーカイブがたどってきた歴史を、前半と後半の2回シリーズで解説します。ビジネス環境でのメールアーカイブ普及を推進した4つの要素を説明した後、アーカイブの将来を展望します。
アーカイブの進化
メールのアーカイブソリューションには長年の歴史がありますが、最近急激な変化を遂げています。アーカイブソリューションは、Microsoft Exchangeなどのメールサーバ用のメールボックス管理機能として登場して以来、市場ニーズやビジネスチャンスに応じて着実に進化を続けてきました。
現在では、当初のアーカイブ機能に加えて、多彩で高度な情報管理機能を備え、大量の非構造型メールデータを統合された方法で透過的に処理することも可能になっています。
今後も、メールアーカイブ機能は主要なビジネスアプリケーションの1つと位置付けられ、あらゆる規模の企業や業種において本格的な価値を実現すると考えられます。
「容量管理」から始まったアーカイブ
アーカイブの普及を進めた要因の1つが、容量管理です。当時のメールサーバは現在と比べて、データを保存できる容量とデータ処理効率という両方の点で制限がありました。一部のデータをセカンドティアストレージにオフロードすることによってこの問題を解消しようとしたのがアーカイブです。また、アーカイブによってデータを効率的に保存できるだけでなく、メールサーバの負荷軽減、IT管理者/エンドユーザの全体的なパフォーマンス向上というメリットも実現されました。
Exchangeの最新バージョンでは、データストレージ容量にはほぼ上限がなくなっています。ただしこの方法では、データ容量の問題は解決しますが、コストが格段に増大し、複雑になってしまいます。それと同時に、大量データの保持/削除、コンプライアンスとデータ開示、管理と使用の効率という新たな問題が生まれました。この問題は、データの保存先がローカルの場合とクラウドの場合のいずれでも発生します。
さらには、メール件数の増大が続く限り、この問題が解決することはありません。IDCによると、電子的に作成および保存されるドキュメントは全体の99%以上を占め、1日に作成および送信されるメールはおよそ600億件にのぼります。
メールの件数とサイズ(添付ファイルを含む)がこのまま増大を続けると、一般的な組織のメールストレージ要件は毎年30%ずつ増大することになります。
長期的には、「すべてを保存」というメール戦略が破綻するのは目に見えています。したがって、将来の予測に基づいてメール管理のアプローチを決定し、情報管理ソリューションニーズに合ったソリューションを導入する必要があります。
ビジネス環境でのアーカイブの推進力
2003年に最初のアーカイブソリューションが登場して以来、容量管理は現在も重要な推進力の1つになっています。アーカイブソリューションは、登場以来、進化と拡張を続け、現在では容量管理だけでなく、コンプライアンス、データ開示、PST管理など幅広い情報管理ニーズに対応できる包括的なソリューションへと成長しました。
次回は、容量管理に関する問題と、それをアーカイブがどのように解決するかについて詳しく解説します。
※本内容はBarracuda Product Blog 2014年9月2日Reasons to Archive – Part 1を翻訳したものです。
Peter Mullens Peter Mullens
本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』10月3日付の記事の転載です。