我々がテクノロジを利用する上での問題の一つは、簡潔に言って信頼が欠けていることです。これについて少し考えてみましょう。我々の業務において「信頼」はどれほど大切なのでしょうか?

  • マネジメントは、IT部門が運用ルールを遵守し、セキュリティ侵害がないよう信頼関係が必要
  • ネットワーク管理者は、外部コンサルタントが最善を尽くしてくれると信頼することが必要
  • ユーザは、ITサポートスタッフがデータの安全性とアクセス性を確保してくれると信頼することが必要

なぜでしょうか?

例えば、企業のマネジメントがサポートスタッフを信頼していないケースを想像してみてください。その場合、「安全装置」をさらに追加することでレスポンスタイムが遅れたり、潜在的な障害発生要因が増える結果につながる可能性があります。また、ネットワーク管理者がコンサルタントを信頼していなければ、必要な情報を提供せず、意図せずにプロジェクトの失敗を招くでしょう。そして、テク二カルサポートスタッフがユーザに対して、データを保護していないと感じた場合は、ユーザは重要なデータをUSBメモリ、クラウド、あるいは簡単にアクセスできる場所に移すでしょう。

これらは、筆者が信頼性の課題について考えた際に思いついたほんの一例に過ぎません。残念ながらこれらのストーリーは非常にありがちですが、皆が懸念に対して適切に対処すれば解決できる問題でもあるのです。マネジメントがかつてITスタッフにより苦い思いをさせられたことがなかったか? 従業員たちは、なぜ外部コンサルタントに依頼しているかを理解しているか? ユーザにファイルサーバは不安定だと思わせるような問題がたびたび起きてはいないか? そして、これらの懸念はそもそもどこに端を発しているのか? といったことをよく考える必要があります。

確かに、簡単に解決できない問題もあるかもしれません。人は、自分のシステムやプロセスなどを評価するためにやってくる部外者を得てして「嫌う」ものです。外部の人間にチェックされるのは妙な気分であり、脅威を感じることもあります。各々のテリトリーを守ろうとするのは人間の本能だと言えます。しかし大事なことは、修復できる問題からフォーカスしていくということです。もしあるユーザが自分のデータが定期的にバックアップしていること思えない場合は、どうすれば安心させられるかを考えましょう。単に同僚との関係を良好に保つためというだけでなく、あなたがコントロールできない場所に業務上のデータをコピーされないためにも。

関係を築く最初の段階で、信頼を培っていくためにできることがいくつかあります。同僚たちがあなたに対して何を期待すべきかをはっきりさせ、またそのことを確実に理解してください。それはもしかすると、ワークステーションのメンテナンスを実施する際に、個人のデータや音楽ファイルなどは消去するとユーザに告げるだけのシンプルなものかもしれません。あなたにとっては当たり前のことに思えるかも知れませんが、ユーザとの間に信頼関係を築くには時間がかかるのです。

皆さんの場合はどうでしょうか? 職場における信頼に関わる問題を抱えていませんか? もしそうであればどのように取り組んでいますか?

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』8月1日付記事の転載です。