しかし、不思議なのは白黒の線を読み取るだけで、なぜ商品名や値段を知ることができるのかだ。筆者は工学とは縁遠い文系のため、資料を読んでもピンと来ない部分がある。そこで図書館に出向き、素人でも分かるような本を一から読んでみることにした。
そもそもJANコードは、13桁の数字とセットらしい。言われてみれば確かに線の下には数字が並んでいる。最初の2桁が国を、次の5桁がメーカー、さらに次の5桁が商品名、そして最後の1桁は確認用を示しているそうだ。さらに2001年以降はメーカーコードが7桁、アイテムコードが3桁のパターンも追加されたという。それだけバーコードを扱うメーカーが増えたからだろう。
ちなみに日本の国コードは3桁の場合、「450」及び「459」そして「490~499」らしいが、本の裏表紙を見ると、「978……」と説明と異なる数字が並んでいる。これは書籍用(ISBN:国際標準図書番号)コードらしく「978」「979」が割り当てられているというようだ。
他にも返金受領書用として「980」、逐次刊行物(ISSN:国際標準逐次刊行物番号)には「977」が割り当て済み。これらコード管理は第2回で登場したGS1が管理しているが、開始当初は2桁だったものの、加盟国や地域が増えたため、現在の3桁に変更されたという。調べれば調べるほど知らない世界が広がるバーコードに、筆者は気付かぬうちに魅了されていた。