2016年3月末、インテル株式会社の取締役兼副社長執行役員だった宗像義恵氏が退任された。退任後、同氏はB.Grove(ビーグローブ)という会社を設立されると共に、現在は、さまざまな会社の顧問、あるいは社外取締役などを勤めておられる。そうした顧問として勤めている1社にLeapMindがある。2018年3月某日、そんなLeapMindの社内にて、宗像氏に話を聞く機会を得たので、今回、連載形式として、その内容を複数回に分けてお届けしたい。
Intel在籍中の宗像氏は、あまり報道陣の前に出てくる機会はなく、決算発表やプレス向けセミナーなどに登壇した程度という事もあって、決して同時期に社長だった吉田和正氏や、吉田氏の後任として社長に就任した江田麻季子氏に比べるとあまり一般の方への知名度は高くない気がする。ただ業界の中では知る人ぞ知る、という方でもある。
Intel学校からの「卒業」
--Intelを辞めた方がみんな「卒業」と仰るんですが、やはり卒業なんですか?
「卒業」ですね。Intelは辞めるとか退社するとかいう感じじゃなくて。学校を卒業するみたいな感じで、いろんなことを経験させてくれるし、教えてくれる。気がついてみると「あ、そういうことやってたのか」と。あまり普通の企業ではないのかなぁ、という思いがあります。
--そういう意味で言うと、普通やらないようなことを一手にやられてきたのが宗像さんですよね?
まぁ「なんでもやるプロデューサー」というか(笑)
--吉田さんとか江田さんの後ろで糸引いてるような(笑)
江田さんも次が決まりましたね。世界経済フォーラムの日本代表に就きました。江田さんもIntelで社長を4年半くらいやってきたので「もう十分じゃない?」という気がしてます。
--吉田さんが例外的に長かったような気がします
10年やりましたからね。私も8年副社長やりましたし。
--ただそうは言っても、発表会などに出てこられたのは最後の2年くらいで、それ以外の期間はずっと水面下にもぐって、お客様のところに行かれたりしていた。
仕込み屋なんです(笑)。ある方には「Intelの越後屋」と呼ばれてました(笑)
--ただ、そういう仕込みの中には人材を育成されるという、今の宗像さんのミッションにも近いものがあるのかな、という印象を受けてます
Intelでビジネスをしていた時に、1つの課題感としてあった事は、日本の大手メーカー企業が何となくどんどん追いやられている感じになって来ている事でしたね。外資系はIntelもそうですが、GoogleだったりAmazonだったり、そういった会社がどんどん来ているのに、日本のプレイヤーが追いやられているは何なんだろうな? というのはずっと感じていました。
(次回は4月27日の掲載予定です)